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いま旬のビジネスPC 第34回

MVAパネル採用で、高画質も実現

薄さ10mm、HPの持ち運べる液晶「L2201x」を試す

2011年06月27日 09時00分更新

文● 花茂未来/インサイトイメージ

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発色は濃く、文字が読みやすい

 L2201xの電源を入れてみると表示は1分ほどで安定した。やや濃い発色だが、わざとらしい色合いではない。色再現が難しい花や果物などの自然物を鮮やかに表現している。また、コントラスト(黒色と白色)の差がはっきりしているので、文字が引き締まって見える。目が疲れにくかったのも好印象だ。

視野角が広く、発色豊かなMVAパネルを搭載

 視野角も広く、スペックでは上下左右178度を確保している。これはMVA方式という、マルチドメインVAパネルを搭載しているおかげだ。VA方式パネルは、電圧のON/OFFで液晶分子の向きをパネル面に対して垂直に立てたり、平行に倒したりして、透過するバックライトの強さをコントロールしている(PC用液晶で一般的なTNパネルは水平方向への移動)。

 MVAパネルはTNパネルに比較して、応答速度が速く、視野角が広いという特徴がある。実際にL2201xの液晶をほぼ真横から眺めてみたが、鮮やかな色彩とコントラストを保っていた。

ボタン類は、電源と輝度調節のシンプルな構成

 本体に搭載する操作ボタンは、電源のON/OFFと輝度調節のみで、色温度やブライトネスの調整、OSD機能などは搭載しない。

 試用した限りでは、おかしな色味などはなく、画面のズレも発生しなかった。しかし、環境変化や経年劣化による色変化へ対応する必要が発生した場合、色温度やRGBのバランス調整ができないので、それほど色の再現性を重視しない用途に限られる。


消費電力は、最大輝度でもわずか26W

 L2201xのもうひとつのウリが、LEDバックライトによる省電力性である。まずは、一般的なフルHD液晶ディスプレーの消費電力を計測してみた。少々大きめだが23型ワイドの「Diamondcrysta RDT231WLM-S」をワットチェッカーにつないでみると、最小輝度は19W、最大輝度では47Wとなった。

 続いてL2201xを計測したところ、最小輝度はわずか10W、最大輝度でも26Wと非常に省電力である。

 デスクワーク用途での事務作業のほか、スタイリッシュな外観を生かして、企業の受付や店頭、打ち合わせ室など、対外の人間と接する場所にも向いている。最大輝度で画面を非常に明るくした状態で省電力なので、明るい照明下や人目を引きたい場合でも省電力で運用できるのが強みだ。

「HP Elite 21.5インチワイド Ultra Slimモニター L2201x」の主なスペック
最大解像度 1920×1080ドット
画面サイズ 21.5型ワイド
色域 NTSC比 72%
輝度 250cd/㎡
コントラスト比 5000:1
視野角 水平/垂直 178度
入力端子 DisplayPort×1
サイズ 幅506.5×高さ361.3×奥行き124.3mm
重量 3.3kg
直販価格 3万3600円(執筆時点)

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