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MSI「Master Overclocking Arena」

MSIが主催するオーバークロック世界大会の日本代表が決定!

2011年06月25日 21時00分更新

文● ASCII.jp編集部 北村

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 MSI主催のオーバークロック世界大会「Master Overclocking Arena」の日本代表を選出する国内決勝戦が、OVERCLOCK WORKSで開催された。

OVERCLOCK WORKSで開催された、オーバークロック世界大会「Master Overclocking Arena」の国内決勝戦

 国内決勝戦は、世界大会本戦と同じルールでスタートした。機材は規定により、MSI製マザーボード「Z68A-GD80」、MSI製ビデオカード「N580GTX Lightning」、そして「Windows 7 Ultimate(64bit版)」を必ず使用しなければならない。それ以外のパーツは参加者の自由だ。
 ベンチマークソフトの「Super PI」と「3D MARK11」のスコアを競い、総合的に高いスコアを叩きだした上位2名が、日本代表としてインドネシアのジャカルタで行なわれるアジア予選へと駒を進められる。そのアジア予選でも好成績を収めると、台北で行なわれる世界大会決勝に参加できるという仕組みだ。

CPUクーラーやメモリは参加者の自由。全員液体窒素冷却のクーラーを持ち込んでいたが、メモリや電源はそれぞれ違う製品を使用していた

6GHz超えを達成した「Core i7-2600K」を持ち込む選手もいた。ただし、今回は規定でCPUの倍率が50倍に固定されていたので、このCPUは使われず。倍率固定の場合は、ベースクロックが伸びるCPUを使うそうだ

前半戦はSuper PI(8M)の演算時間を競う。この時点では液体窒素冷却ではなくCorsair製の水冷クーラーで挑む選手も

別の選手は、水冷クーラーのラジエーターに大きな氷を乗っけて冷やすという荒業を披露

 Super PIのスコアでは、CAL930さんが1位突破、続いてGyrockさん、Booooonさんと続く。後半戦の3D MARK11のスコアのほうが総合ポイントをより稼げる。3D MARK11のスコア次第では逆転もありうるため、まだまだ気は抜けない。

後半戦は3D MARK11のトータルスコアを競う。3D MARK11はかなりPCに負荷がかかるうえに、CPUとビデオカードの両方の温度管理が重要となる。全員液体窒素冷却に組み換え、極限のオーバークロックに挑む

CPUとGPUに惜しげもなく液体窒素を注入する。会場のOVERCLOCK WORKSも、これまでのイベントで最大量の液体窒素を用意したとのこと

冷却しすぎるとPCが起動しなくなる(これをコールドバクという)。PCが落ちた場合は冷却装置をガスバーナーで温め、マシンが起動する温度にまで戻す。こうしている間にも時間は刻一刻と過ぎていく

 最初は余裕を見せていた選手たちだが、電圧を2.1Vまで上げてメモリを壊してしまったり、コールドバクに遭いドライヤーを使って冷却装置を温めていたら、電源タップのブレーカーが落ちてPCが突然停止したりと、ハプニングがあるたびに、だんだん顔つきが厳しくなっていった。

液体窒素が気化する煙で会場はモクモクの冷え冷え。すでに選手たちは本気モード全開。液体窒素片手に、温度管理に細心の注意を払う

 そしてついに計5時間に及ぶオーバークロック大会が終了。総合優勝はCAL930さん、2位はBooooonさんとなった。
 大会終了後に、今大会を主催したMSIにちょっと意地悪な質問をしてみた。「節電が叫ばれる日本で、あえてオーバークロック大会を実施した理由」だ。気になるその回答は以下のとおり。

 「この大会で得たノウハウを製品開発に役立てるのが目的。たとえば自動車のスピードを限界まで速めれば、その対価として安全性や燃費などが犠牲になるが、それこそがより良い技術の発展につながる。PCパーツも同じこと。製品の限界を知ることで、耐久性や省電力といった技術の向上につながる。一時的に電力を使ってしまったとしても、決してそれを無駄にはしない。その対価として必ず省エネに結びつくよう開発に役立てる」とのこと。
 この精神が同社のDrMOSといった独自技術を生み出したのだろう。今後、よりいっそう省電力製品の開発に力を入れてもらいたいところだ。

優勝商品とアジア予選へのチケットを、MSIの石岡氏に手渡されるCAL930さん(左)

国内決勝戦1位となったCAL930さんのマシン構成とスコア


【取材協力】

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