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Apple Geeks 第44回

iOSで「VPN」をあれこれ試す

2011年06月24日 16時30分更新

文● 海上忍

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あの米国限定オンラインサービスも利用できる……のか?

 特定国/地域からのアクセスを遮断するネットワークサービスは少なくない。「Google Voice」は北米のIPアドレスを使わなければ登録できないし、「Napster」などの音楽定額サービスも日本からのアクセスは門前払い。これを回避する方法として利用されるのが、ほかでもないVPNだ。

 ここでいうVPNは、発行されたアカウントを使い米国など海外に設置されたVPNサーバーにアクセスするサービスのこと。VPNサーバーがその国/地域のIPアドレスを提供してくれるので、当地限定のオンラインサービスも利用可能になるというわけだ。VPNサービスには有償/無償さまざまな種類があり、VPNクライアント機能を標準装備するiOSデバイスでも利用できる。早い話が、日本国内からは利用できないサービスに対して、iPhoneでアクセスできる(かもしれない)のだ。

VPN Express

 筆者が最初に注目したのは「VPN Express」。無償iOSアプリの形で配布され、初回起動時にはアカウント登録が必要。アプリを起動すると表示できるマニュアルの指示どおり環境設定でVPNの設定を行なうと、お試しで与えられた100MBの範囲内でVPNによる通信が可能になる、という仕組みだ。

 このVPN Expressは従量制で、お試しの100MBを使いきるとアプリ内から追加購入しなければならない。一例を示すと、30日間有効な2GBが115円、60日間有効な10GBが350円、といった具合だ。広告が表示されることはなく、通信品質も比較的良好なので、選択肢としては悪くないように思える。

データ使用量の確認と追加購入はアプリ上で行なえる

月/容量単位などさまざまなプランが用意されている。まずは無料の100MBで試してみよう

VPN Express
作者 Bestsparks 価格無料
(アプリ内課金あり)
ファイル容量1.2MB カテゴリ仕事効率化
対応デバイスiPhone、iPod touch、
およびiPad互換
対応OSiOS 3.0以降

Hotspot Shield

 次に目を付けたのが「Hotspot Shield」。OS Xでも利用を検討したことがあるが、広告の表示量が多いということで手を付けずにいたサービスだ。しかしよく確認すると、iOSでも利用できるらしい……ということで試してみた。

 使い方は簡単で、「Hotspot Shield for iPhone」のページにアクセス、説明どおり設定すればOK。これでVPNを有効化すれば、以降HotspotShieldのIPアドレスで通信できるようになる。説明にはいったんWi-Fiをオフにしてから設定しろとあるが、オンのままでも特に支障ないようだ。

HotspotShieldのウェブサイトにある指示に従い、VPNの設定を行なう

 気になる広告表示だが、ウェブブラウジングを2時間ほど続けても目にしなかった。数種類のネットラジオ放送を試してみたが、途切れることなくストリーミングできている。通信品質はベストクオリティとは言い難く、数分程度で切断されてしまうことがたびたびあった。しかし、無償でこれだけのサービスを受けられるなら御の字ともいえる。まずは設定し、気になるサービスが使えるかどうか試してみてはどうだろう。

 なお、VPNを経由することでアクセス元を偽装することになるため、くれぐれも悪用しないように注意してほしい。また、海外のVPNサービスを利用すると、日本国内に特化したサービス/サイトにアクセスできなくなる可能性があることも覚えておこう。

米Napsterのウェブサイトは、日本からアクセスすると「napster.jp」(存在しない)にリダイレクトされてしまい、見ることができない。しかし、HotspotShieldを利用すると、画面写真のように表示される

Hotspot Shield
作者 AnchorFree 価格無料
ファイル容量2.3MB カテゴリユーティリティ
対応デバイスIntel CPU搭載Mac 対応OSMac OS X 10.5
Leopard以降
Hotspot Shield for iPhone
作者 AnchorFree 価格 無料
ファイル容量 カテゴリ
対応デバイスiPhone、iPod touch、
およびiPad互換
対応OSiOS

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