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なぜ Google +1 は流行しない(と言われている)のか?

2011年06月16日 14時58分更新

記事提供:SEMリサーチ

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FacebookのLikes(いいね!)対抗機能としてリリースしたのであろうと言われている、Google +1(プラスワン)。サービスコンセプトとしては、友人同士が互いにウェブページを評価(+1)することで、検索結果をより優れたものにしていく、ということで、これ自体はとってもよく理解できる。でも、大概の検索の専門家は「たぶんGoogle +1は失敗する」という予測を立てている。私もそう思う。

本日はさらっと、何故+1が流行することなく消えると予測されるのか、私の意見を簡単に。

過去に数多くの検索サービスが登場しましたが、検索結果をカスタマイズ(追加・修正・編集など)する類のサービスって、一度も成功したことがありません。Wikia Search、Mahalo、ChaCha、Live Searchマクロ、Jとーく、Google Co-op、Subscribed Linksなど ほんの一部の例外(人気とはいえないけど)がないことはないですが、基本的に検索というのは「検索する場所」であり、ユーザーにとってそこは自分で編集する場所ではないということでしょう。

ところで Google +1 の、+1ボタンを押すことのメリットって、いわば他人(≒友人)の検索結果の編集に過ぎないのです。今風にいえば、検索結果のキュレーションでしょうか。自分ならまだしも、他人の検索結果をどうしてよくする必要があるのでしょう、それって検索エンジンの仕事ですよね。これは Google SearchWikiやSideWikiがまるっきり機能しないことからも得られた教訓のはずです。

FacebookやTwitter、あるいはソーシャルブックマークといったサービスは皆、それがプッシュで他のユーザーにその時点で共有・集約されるので、一種のレコメンデーションサービスとして成立します。だからそこで共有する。でもGoogle +1 ってそういう場所がない。他の誰かがある日、何らかの検索クエリで検索した時に、偶然、自分が過去に+1していたページが含まれていたらそれが検索結果にアノテーション(○○さんが+1を押しました)として表示されるだけ。その程度の効果では、Google +1 を使う意味、インセンティブって生まれないですよね。そもそも、アノテーションはレコメンデーションに過ぎず、別に検索が便利になるわけじゃない。

こういったソーシャルサービスにおける設計の弱さが、Googleが「ソーシャルに弱い」と言われる所以の1つなのかと思います。

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