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ThinkPadブランドを支える、過酷なテストたち

2011年06月13日 09時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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ホコリや角からの落下などにも配慮

 またすべてのThinkPadに向けたテストではないが、最近取り入れ始めたのが、ホコリ試験。米軍の調達基準では砂や粉じんなどに耐えうるかどうかが追加されているため、試験を行っているという。ちなみに、テストに使用するホコリは専用品で、ホコリでありながら万円単位の価格がする高価な代物だという。

五右衛門風呂のような形状からゴエモンと呼ばれている、ホコリ試験の装置

 次に見せられたのは、ThinkPadの落下試験。水平に落とすだけでなく、Corner Dropと呼ばれる。ThinkPadの角の部分を下にして落下させるテストも行っている。

落下試験。写真では分かりにくいが、腰ぐらいの高さから地面に自由落下させている

 Corner Drop試験では、角度を変えることで8つの部分の検証が可能。単純な4コーナーだけでなく倍の8つを試している点はこだわりだそうだ。また動作中の状態で机に乱暴に置くといった状況を考慮したHDD Tilt Drop試験も実施している。

こちらはCorner Drop試験。数十cmの高さから落下させていた

 なおこうした落下試験に耐えうるためには様々な試みが加えられているが、例えばゴム足の設計はその一つだという。現在は丸い足の中央に突起を付けることで力を逃がすようにしているが、過去には蛇腹のように凹凸がある長方形のゴム足をひしゃげさせて力を逃がすようにしていた時期もあった。

落下させたコーナーの写真。塗装は剥がれているが、それ以外の動作に支障はでないという

こちらはHDD Tilt Drop試験。使用中に乱暴に扱っても壊れないかを検証する

 液晶パネルの開閉可能回数(テストでは数十秒に1回の割合で4日間ずっと開閉を続けるのだという。

ディスプレーの開閉試験

こちらは基板上に複数のセンサーを設けて捻じ曲げなどのストレスを見る試験

 ディスプレーにひじをついたり、物を載せても問題がないかを見る試験。

500円玉大の小さな面積、大きな面積で天板のさまざまな位置に圧力をかけて耐久性をみる

一見大したことには見えないが、実は右端の重りを載せたのと同じぐらいの力をかけているという

 こうした工夫・試作・テストを繰り返すことで、衝撃に強く、信頼性の高いThinkPadが市場に送り出されていくのだ。

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