今回からは「バス」の話をしたい。PCは昔から拡張性を実現するために、主要なコンポーネントを全部基板の上に搭載するのではなく、拡張スロットに装着する形でコンポーネントを追加・変更できるように配慮してきた。この拡張スロットと本体をつなぐものがバスである。
当初はバスと言えば、拡張スロットを使ってケース内部でコンポーネントを接続するものだけであったが、その後はUSBに代表されるような「ケースの外のデバイスをつなぐ」バスも登場しており、現在ではこちらの比重がかなり大きくなっている。
PC用バスの歴史を振り返る
最初のバスは4.77MHz
初回はまずオーバービューということで、全般的な話を少し説明する。上のロードマップ図は、IBM PC以降で利用されてきた、拡張スロットを利用するタイプの汎用バスをまとめたものである。いささか「汎用」とは呼びにくいものもあるが、それについては後述する。
1981年に発表されたIBM PCで採用されたのが、通称「IBM PC Bus」である。機能面では続いて登場する「XT Bus」に近いものだが、厳密には若干違うので(IBM PC/XTで多少機能が追加された)、ここでは一応分離して紹介している。
このIBM PC Busに接続されたコンポーネントには、以下のような物がある。
- メモリー
- グラフィックスカード
- キーボード/マウスインターフェースカード
- RS-232Cインターフェースカード
- プリンタインターフェースカード
- FDDインターフェースカード
- HDDインターフェースカード
- カセットインターフェースカード
最初のIBM PCは、4.77MHz駆動の8bitバスで外部と接続するインテルの「8088」をCPUとして搭載していたから、メモリーも拡張バス経由で問題なかった。
2年後に登場した「IBM PC/XT」では、基本的な性能は同じながら拡張性を若干強化しており、これにともないバスにも若干の制御信号などが追加になっている。これがいわゆるXT Busである。ちなみにバス幅は8bitで、信号速度はCPUと同じく4.77MHzである。
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