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このネコミミ動くぞ! neurowearの謎に迫る!

2011年06月21日 12時00分更新

文● 伊藤 真広

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 アキバ的アイテムとしてすっかりお茶の間にも定着した感もあるネコ耳。秋葉原の街を歩いていると、バラエティショップやコスプレショップなどでネコ耳カチューシャを売っていたり、メイド・コスプレ飲食店の店員さんが実際に付けていたりするので、見たことのある人も多いことだろう。
 そんな秋葉原カルチャーに欠かすことのできないネコ耳だが、脳波をキャッチしてネコ耳が動くという、超未来型ガジェット“neurowear necomimi”を都内某所のラボで開発中との情報をキャッチ! ASCII.jpアキバチームは、早速潜入取材を敢行した。

センサーがキャッチした脳波を解析してモーションへと変換する、猫耳型コミュニケーションデバイス“neurowear necomimi”。現段階の最新型は、白と黒の2色が用意されている

 都内の超一等地にある東京の街を一望できる高層ビルディングの一室で、ヨレヨレのASCII.jpチームの到着を待っていてくださっていたのは、加賀谷さんと神谷さんの2人。彼らが、この愛くるしく萌え萌えな未来型アキバ系ガジェット“neurowear necomimi”を開発したneurowearのラボメン(ラボラトリーメンバーの略)だ。本当は開発の責任者で、necomimiの生みの親的な存在の女性ラボメンもいるとのことだが、残念ながらむさいアキバ系オタクなおっさんに会いたくない別件の用事があるため同席されなかった。

neurowearのプロデューサー神谷さんとプランナー加賀谷さん

 neurowearは、新しいコミュニケーションのスタイルを研究するプロジェクトチームで、今回“necomimi”を開発したのは「脳波が日々のコミュニケーションの中に入ってくるであろうという考えのもと、コミュニケーションツールを開発しよう」と思ったからだそうだ。そんなわけで、開発経緯などのお話を伺いつつ、“necomimi”の魅力溢れる挙動をわれわれだけではあまりにも酷い絵にしかならないということで、ディアステージのアイドル部に所属する上花楓裏(ふうり)ちゃんとともに撮影してきたので、ご覧いただきたい!

necomimiを付ける楓裏ちゃん。頭の小さい楓裏ちゃんには、プロトタイプは少し大きかった様子だが、無事に装着完了

――necomimiを開発した経緯を教えてください。
加賀谷さん(以下、加賀谷):われわれは新しいコミュニケーションの形を作っていこうというプロジェクトチームなんです。そのなかで、今後コミュニケーションの形に脳波、ブレインtoブレインになるかはわかりませんが、脳波というものがなんらかの形で、日々のコミュニケーションに入ってくるのではないかと、ここ数年考えていました。
 それで、何をしようかディスカッションを重ねたり、ツールを調べたりしてきました。そうしているうちに、脳波計が安価に入手できるようになったので、それを使って何かやろうかという話になりました。
 そのなか、あるメンバーが「脳波というのは頭から出る。であれば、頭に付いていて違和感のない何かがコミュニケーションツールになるんじゃないでしょうか」と、提案して、「そりゃ猫耳だ!」という結論に至りました。
神谷さん(以下、神谷):どうせ被るなら頭にかぶっていて可愛い物。われわれ2人は、聞いたときに猫耳を俺らが作るんだって気合いが入りました(笑)。
加賀谷:それが始まりとなって、人間が持っていない、脳波で動く身体拡張デバイスを作ろうと動き出したのが、2010年の夏前くらい。猫耳を作ることにと決まったのは、秋になってからです。

ピンっと耳が立った集中状態を示すnecomimi耳がぺったりと前に倒れてリラックスした様子を表している

――耳とおでこのセンサーで脳波を計測して猫耳が動くとのことですが、どういった原理になっているのでしょうか。
加賀谷:簡単に説明しますと、人間の身体はさまざまな生体信号で溢れています。そこから脳波だけを抜き出すことは、例えるならばフルオーケストラの中から特定のバイオリニストの音だけを抽出するようなイメージです。どうやってひとつのバイオリンの音だけを取り出すかですが、その為にはそのオーケストラとまったく同じコピーをもうひとつ用意します。ただこちらのオーケストラからはバイオリンをひとつ抜いてあります。この二つのオーケストラを比較し差分を抽出する、このような手法で脳波を測定しています。necomimiの場合は耳のセンサーと額のセンサーの差分によって脳波を測定しています。

おでこのセンサーは、脳波を含めた生体反応を受信耳に取り付けるクリップ型のセンサーは脳波を含まない生体反応を受信

――抽出した脳波は、どうやってnecomimiの動きに変換しているのですか?
加賀谷:抽出された脳波を本体側で集中とリラックスという数値に変換します。変換されたデータは一度Androidタブレットに転送し、そこでnecomimiを動かすための命令信号へと変換して、再びnecomimi本体側に再転送しています。
 次の目標では、Androidタブレットに転送することなく、necomimi単体でモーションできるようにすることになっています。

それぞれのセンサーが受けたデータの差分から取り出された脳波の情報を元に、モーションに変換するAndroid端末端末の画面から、青がリラックスで赤が集中といった風に視覚情報で脳波の状態を確認できる

脳波の動きは端末から確認できる

――そもそも、なぜ猫耳にしたのでしょうか?
神谷:人間がもともと持っていない器官を、人間の意思のみで動かせるような拡張器官にしたいという希望があり、もっとも解りやすいツールとして猫耳が選ばれました。
加賀谷:もうひとつ、日本から新しいコミュニケーションツールとして、neurowearを発信していくのに、日本発祥の猫耳と組み合わせることに意味があるだろうというのも、猫耳に決定する上での判断基準になっています。

――最初からアキバ系を意識して開発したのでしょうか?
加賀谷:まったく意識していませんでした。プロトタイプが3世代くらいあるんですが、これが動いて面白いのかどうかプロジェクトメンバーの間でも不安でした。
 そこで一般の人に試してもらおうということになり、GWに原宿のイベントに出展したら、予想を超える反響がありました。
 前半は、よしもとの芸人さんを見に来た人のなかで興味を示した方にだけ説明して試していただいたんですが、その様子をネット上で公開したところ、後半はnecomimiを目当てにデジタルガジェット系とアキバ系の方が多数いらっしゃいましたね。

動く様子はこちらから!

(次ページへ続く)

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