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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第200回

新参猫の複雑な“ニャン間”関係

2011年05月20日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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日が傾いて沈もうかという頃、低木の奥から「にゃあ」と現われた瞬間(2010年12月 ペンタックス K-5)

日が傾いて沈もうかという頃、低木の奥から「にゃあ」と現われた瞬間(2010年12月 ペンタックス K-5)

 猫というのは縄張り意識が強く、基本的に群れないので、新参者にはとても冷たく、時には攻撃的になったりするのである。

 特に地域猫ともなると血のつながってない猫たちが一堂に会するわけで、そこに新参猫が来るってことは、その猫がこっそり捨てられたってこと(ひどい話だ)。

 地域猫の世話をしている猫ボランティアは、毎日同じ時間に何匹かの猫に餌をあげに来るので、その時間になると猫たちが三々五々集まってくるのだが、そこに新参猫がいて、それが子猫だった場合、あまりに小さければ一旦引き取って里親を探す。

 そうじゃなければ、少しずつ馴らして他の猫と一緒にご飯を食べられるようにしつつ、里親を探し、いたら受け渡し、いなければある程度成長した時点で去勢手術を施して、あとはそれまでいた猫たちと同じ扱い、って流れになる。どの地域も見ているとそんな感じ。

 今回登場した「パンちゃん」はそんな新参猫。昨年11月頃に突然現われ、今年の2月に無事去勢されて仲間入りを果たしたのだ。

 そんな彼女(雌猫なのだ)の2010年11月と2011年3月の写真。

公園に来たばかりの頃。まだ小さい(2010年11月 ソニー NEX-5)

公園に来たばかりの頃。まだ小さい(2010年11月 ソニー NEX-5)

4ヵ月経ってちょっと大人になった(2011年3月 キヤノン Powershot SX30IS)

4ヵ月経ってちょっと大人になった(2011年3月 キヤノン Powershot SX30IS)

 右の写真は、手前に鼻先だけ写っている犬をじっと見つめてるので表情が険しいけど、ちょっとは成長したような感じ。

 そうそうこの犬、なぜか猫が大好きで、猫がいると近づいて行こうとするのである。面白い。もちろん、猫には好かれてません。

 そんなパンちゃんの唯一の遊び相手となったのが、この連載にも何度か登場している「チロ」。彼も数年前に捨てられていた猫で、弱いくせに好奇心旺盛で、パンちゃんに慕われていて、よく一緒にいる。

まだ慣れてないのでひとり離れてごはん(普段はちゃんと器から食べてます)。それを向こうの岩からうらやましそうに見つめるチロ(2011年1月 ニコン D7000)

まだ慣れてないのでひとり離れてごはん(普段はちゃんと器から食べてます)。それを向こうの岩の上からうらやましそうに見つめるチロ(2011年1月 ニコン D7000)

 他の猫はまだまだ受け入れていないようで、チロがいないときはひとりでこっそりやって来たり(冒頭写真)、なかなか餌場に来なかったりするが、チロがいるときは元気。チロもまだ遊びたい年頃なので、子猫の相手をするにはちょうどいいのだ。

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