チケット転売屋との戦い
―― でもアマチュアで興業の実績もないし、最初はハコを押さえるのは大変じゃなかったですか?
にいとP 大変でした。わけの分からない連中が300人規模の企画書を持ってくるわけですからね。押さえられる箱がなくて。ニコニコ関係お断りみたいなところもあったし。ところが運良く、1回目に出演のMiliaさんが表参道のFABにピンで出たことがあって、スタッフに紹介していただけたんですよ。それで1回目はFABでやれることになったんです。その1回目は2分でチケットが売り切れました。
―― とにかくドキ生はチケットの入手が大変ですよね。ほとんど瞬殺でしょう?
にいとP 困ってるのが転売屋なんですよね。第4回は7割くらい転売屋に買い占められました。一度「完売」と出てしまうと、再販するにしても、なかなかチケットは売れないんですよ。「もう売り切れ」というイメージが広がってしまっているから。
―― その転売屋の手口はどんなものなんですか?
にいとP イープラスで、「チケットを購入する権利」だけを押さえるんです。後日コンビニで料金を支払うとチケットとして受け取れるんですが、支払わなくても「購入する権利」は何日か持っていられる。転売屋は、その権利だけを持ったまま、チケットをヤフオクに売りに出すんですね。そしてヤフオクで売れたら実際にチケットを発券して、それを送るという手口です。
―― じゃあまったくノーリスクでできちゃうわけですね。ひどいなあ。
にいとP 六本木のボーカロイドカフェでやったドキ生アコースティックなんかは、9割くらい持っていかれましたね。でもドキ生のお客さんで、転売屋のチケットに手を出す人はいないんですよ。そうすると転売屋も発券しないので、何日か経つとイープラスに再放流されるわけです。だから「完売」と出たのに、実際には9割くらいチケットが売れ残っていたりする。もう青くなりますよね。
―― それは怖いなあ。
にいとP でもドキ生は毎回完売しているので、完売ベースで収益がプラスマイナスゼロになるところを考えてあるんです。最終的に再販で売れたからいいようなものの、イープラスから入金があるのは、ライブが終わった2週間後なんです。その間、毎回100万円以上の経費を立替なければならなくて。もしチケットが売れなかったら、それが全部赤字になるんだと思うとぞっとしますね。
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