今回取り上げる「ThinkPad X220」は、現在最新の「X」シリーズである。本連載をお読みの方々ならご存知のように、ThinkPadのXと言えば、モバイルユーザーにとっては大きなブランドのひとつ。CPUを含めたプラットフォームを一新したX220は、どのような製品に仕上がっているのだろうか?
CPUなどを最新プラットフォームに
キーボードレイアウトも変更に
最初に、X220の位置付けを確認しておこう。XシリーズはThinkPadの中でも「ウルトラポータブル」、すなわち特にモバイル性を追求したモデルとなっている。だがThinkPadのラインナップがシンプルであった数年前と異なり、現在は「X」といってもいろいろある。「ThinkPad X100e/X120e」といった低価格モデルもあれば、X220より若干小さな「ThinkPad X201/X201s」もある。
X220を一言で言えば、「Sandy Bridge世代に合わせたリニューアルモデル」である。ほかのXシリーズがまだ前世代プラットフォームであるのに対して、大きな違いといえる。今回試用したモデルである「4290-RW4」では、CPUにCore i5-2520M(2.50GHz)が採用されている。当然といえば当然だが、一般的な作業で「CPU速度が原因」と思える動作の遅さは感じられない。BTOで用意されているSSDモデルならば、もっと動作は快適になるだろう。
Windowsエクスペリエンスインデックスの値は「5.5」。最低値はメモリーとなっている。数値的には同CPUを採用した他社製品(例えば、前回のdynabook R731)と若干異なるが、体感レベルでは(当然だが)違いを感じられるものではなく、ほぼ同等の性能と考えていい。
ただし、X220をハードウェアスペックで語るのは、本質的ではないと感じる。実際に触っていると、やはり「いかにもThinkPad」らしい構造やソフトウェア構成こそが、X220を「X」たらしめている、としみじみ感じるのである。
例えば、X220のキーボードレイアウトはX201系とは異なり、「W」シリーズや「T」シリーズと同様の、「ESC」キーと「Delete」キーが大きめになった独自レイアウトを採用している。従来型キー最後の砦であったXでもこれが採用されたということは、今後のThinkPadでは本格的にこのレイアウトがメインとなるのだろう。
気になるキーのタイプ感は良好だ。いかにもThinkPadらしい、打鍵音の小ささと確実なタイプ感が両立された良質なキーボードだ。打ち疲れしにくさで言えば、2011年に入ってから筆者が触れた製品の中ではトップといえる。もう少し押し心地が「軽い」方が筆者の好みなのだが、このあたりは好き好きとしかいいようがない。
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