このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

スイッチでデータセンターが変わる

NX-OSも1万社、UCSも4000顧客がすでに導入

NexusもUCSも新しい!シスコのデータセンター革命は続く

2011年04月28日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田 元

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

4月21日、シスコシステムズ(以下、シスコ)は同社のデータセンターアーキテクチャ「Cisco Data Center Business Advantage」を構成する製品のアップデートを発表した。シスコの担当者に聞いた話を元に、これまでの取り組みと新製品の位置づけについて解説する。

未来のデータセンターを見据えて着実に布石を打つシスコ

 3・11震災の影響もあり、コンピューティングリソースのデータセンターへの集約は今後ますます進むことになるだろう。しかし、現在のデータセンターにはサーバーの仮想化とクラウドの普及、急増する電力、セキュリティ確保、分散化・複雑化するシステムの管理など、さまざまな課題がある。これに対してシスコが取り組んでいるのが、「データセンターの仮想化」だ。まずは、データセンター事業を統括する石本 龍太郎氏の話を元に、この分野への取り組みについておさらいしておこう。

シスコシステムズ 専務執行役員 データセンター事業統括 石本 龍太郎氏

 シスコは「Data Center 3.0」という戦略を2007年から展開している。これはSANスイッチの「MDSシリーズ」、MDSのOSを拡張した「NX-OS」を搭載したデータセンタースイッチ「Nexusシリーズ」を軸に、SANとLANの統合や仮想マシンの可搬性(モビリティ)向上を実現するというものだ。

 データセンター関連のプロダクトマーケティングを担当するディーン・ホウアリ氏は、「シスコはネットワークからストレージまでを、いかに効率的に接続するかを考えてきた。そして、アプリケーションに依存しない、ロケーションに束縛されない、そして顧客のニーズに応じてスケールできるファブリックをオープンスタンダードの技術で実現することを目指した」とデータセンター仮想化の取り組みについてこう説明する。

シスコシステムズ プロダクトマーケティング データセンター&バーチャリゼーション シニアマネージャ ディーン・ホウアリ氏

 この結果生まれた「ユニファイドファブリック」は、サーバーやストレージを汎用のインターフェイスで相互接続できるメッシュ型インフラを実現する。もとより、データセンター向けのサーバーは専用のインターコネクトでクラスター接続されていたが、10GbEのような汎用の高速ネットワーク技術が普及したことで、堅牢で、高速で、拡張性の高いデータセンターファブリックを低価格に作れるようになった。また、サーバーとストレージで異なったインターフェイスを統合するため、FCoE(FC over Ethernet)のような技術もいち早く導入した。

 もちろん、仮想化環境への最適化も実現している。「Nexusは完全に仮想マシンを認識しているので、仮想インターフェイスと物理インターフェイスの移動をサポートする」(ディーン氏)ということで、スイッチ自体にインテリジェンスを持たせているのが特徴だ。

Cisco UCSの登場と増える導入件数

 そして、2009年にはコンピューティング環境とネットワークを統合した「Cisco UCS(Unified Computing System)」を投入。シスコのサーバー市場参入として大きな話題となったが、日本では特にパートナーを巻き込んだエコシステムであることも強調された。その後、UCSも着実にアップデートを続け、昨年はDataCenter 3.0を発展させたCisco Data Center Business Advantageというアーキテクチャを発表。物理アプライアンスで提供されていたアプリケーション高速化、セキュリティ、ロードバランシングなどの各種サービスも仮想化を行なった。この時点でCisco UCSの顧客は全世界で1700にまで届き、エコパートナーも40社を超えた。

DataCenter 3.0を発展させたCisco Data Center Business Advantage

 もちろん、サーバーやストレージ、ネットワークに仮想化技術を組み合わせた「クラウドパッケージ」のような製品は、他社もリリースしている。しかし、ネットワークを軸にしているところが他社との大きな差別化だという。石本氏は「UCSはブレードサーバーのバックプレーンにネットワークを使うなど、やはりネットワークと仮想化技術をうまく組み合わせていると思う。UCSとユニファイドファブリックの組み合わせにより、データのモビリティ(可搬性)も高く、運用もシングルポイントに絞れる。運用のコストや労力を大きく削減できる」と語る。

 実績は確実に積み上がってきている。2011年2月のリリースでは、NX-OSの顧客数が1万社を超え、Nexusのポート数も700万を突破。Cisco UCSの顧客数も4000を突破し、日本でも数多くの通信事業者が導入しているほか、大分県の地域クラウド、近畿大学、カブドットコム証券などでも導入済みだ。石本氏は「各社とも消費電力やデバイス数、配線を劇的に削減したり、売上自体を増加させたところもある。カブドットコム証券様は約60台のサーバーを8台にし、開発環境のサーバー立ち上げを3日から6時間に短縮した」とそのメリットを説明する。

電力やサーバー数、配線などを減らし、売上の増加にまでつなげられるCisco UCS

(次ページ、NexusにフルL3機能を搭載した新機種)


 

前へ 1 2 3 次へ

この特集の記事
ピックアップ