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2011年版 新世代ウェブブラウザー対決 第3回

互換性と速さを追求したInternet Explorer 9の実力

2011年04月27日 12時00分更新

文● 山本雅史

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一番速い新世代ウェブブラウザーはどれだ!?

 本特集では3回に分けて、Firefox 4.0Chrome 11β、そしてIE9の特徴や改良点について解説してきた。特集の最後では、これら3つの新世代ウェブブラウザーのどれが一番速いのか、JavaScriptやHTML5のベンチマークテストにより計測してみた※1

※1 テスト環境は、Core i5-660(3.33GHz)、Intel Q57チップセット、CPU内蔵GPU使用、メモリー4GB、HDD 500GB。

 まずはHTML5のグラフィック関連テストのために、マイクロソフトのテストサイト「IE TestDrive」にある、「FishBowl Benchmark」と「Speed Reading」、「Preschool」の3つのデモをベンチマークテストとして利用した。

FishBowl Benchmark

「FishBowl Benchmark」。金魚鉢の中に魚をたくさん表示するデモ。IE9で表示すると、GPUアクセラレーションを最大限に使う

 FishBowl BenchmarkはHTML5のグラフィックに関するベンチマークデモである。HTML5のグラフィック描画にGPUを利用するIE9は、表示する魚を500匹まで増やしても、20fpsで表示できる。一方、Firefox 4.0とChrome 11βは1桁前半で、IE9に比べると10分の1程度の性能しかでない。またFirefox 4.0ではCSS3の解釈に不具合でもあるのか、本来青色の金魚鉢の色が、なぜか赤になっていた。

FishBowl Benchmark 500匹表示の結果(単位はfps)

 ちなみに、IE9でもGPUアクセラレーションをオフにすると3fpsと、競合と変わらない性能まで落ちる。GPUアクセラレーションに対応していると、これだけ性能が違うものかと驚かずにいられない。

Speed Reading

「Speed Reading」。IE9では文字表示にDirectWriteを使う

 Speed ReadingはHTML5のテキスト表示と、グラフィック表示を測るベンチマークデモである。ここでも、IE9のGPUアクセラレーションの凄みが感じられた。

 GPUアクセラレーションが効いたIE9ではわずか9秒。GPUアクセラレーションなしでは1353秒もかかるので、約151倍もの性能向上を果たしている。これほど顕著にGPUアクセラレーションが性能向上に寄与しているテストは他にない。DirectXのテキスト表示システム「DirectWrite」によるものと思われる。

Speed Readingの結果(単位は秒)

 ただしFirefox 4.0は744秒で、Chrome 11βは898秒。いずれもIE9のGPUアクセラレーションなしに比べると、50%ほど速い。IE9のGPUアクセラレーションなしが遅すぎるのかもしれない。Firefox 4.0は一部でDirectWriteを使用しているはずだが、IE9ほどサポートは充実していないし、性能もそれほど引き出せていないようだ。

PreSchool

「PreSchool」。ABCの歌をグラフィックを表示しながら歌うベンチマーク

 PreschoolもHTML5のベンチマークデモである。「ABC」の歌に合わせてグラフィックが表示される。このベンチマークでもIE9が最も速い。ほかのウェブブラウザーは10秒台だが、IE9のGPUアクセラレーションありは約4.8秒と、非常に速い結果である。IE9のGPUアクセラレーションなしでも、約6秒と健闘している。

PreSchoolの結果(単位は秒)

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