このページの本文へ

古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第92回

金髪ギャル語でニュートリノ、Shoさまが熱い!

2011年04月27日 12時00分更新

文● 古田雄介(@yskfuruta) 写真● 住川奈津

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

裏表なくすべてオープンにするポリシー

―― では、mixi日記について。2006年11月から日記を綴っていますが、そこから徐々にギャル文字化していきましたね。

多田 mixi自体を2006年の夏に始めたんですが、それも元Folder5のメンバーがmixiを始めたからというのが理由です。最初はただその日記を読むだけという感じでしたが、同じファンの友達から「何か書いてよ」と言われるようになって……という流れです。

 それで書いているうちに、友達がケータイの「小文字一括変換機能」を使って小文字で日記を書いているのをマネて、使うようになったんですよ。その友達も、元Folder5の満島ひかりさんが一時期小文字を使っていたからマネたので、僕は「孫マネ」したわけですね。

 ただ、最初は自分でも読みづらくて「何書いてんやろ」って感じだったんです。段々と慣れてきて、今くらいの頻度で使うようになったんだと思います。

2008年12月の日記。この頃には今の水準でギャル文字を多用するようになっていた。なお絵文字を使わないのは、ケータイの機種によって絵が変わってしまうためという


―― では、日記のターゲットはギャル層というわけではないんですか?

多田 はい。僕の友達に向けて書いているだけです。「全体に公開」のままにしているのも、最初からそう設定されていたし、別に誰に読んでもらっても構わないからそのままにしているという感じですから。僕は基本オープンな人間なので、仲間内だけに本性をさらす、みたいな裏表は作りたくないんですよ。

 だから、考えてみると、読んでくれているのはアイドルオタクの仲間と、「社会科見学に行こう!」のイベントで採り上げてもらってから僕のことを知ってくれた層が中心じゃないですかね。


―― どこでもオープンとなると、叩かれることもありますかね。

多田 昔、2ちゃんねるかどこかで、「Shθ様をウォッチしよう」というスレッドが立ったくらいで。実名も職業もオープンにしてたから、学会で発表した直後にスレッド内で発表のタイトルを載せられたり(笑)。

2ちゃんねるに中傷スレを立てられたことも


―― そういうデメリットがあっても、ネットで裏表を全部出すのはポリシーから?

多田 それと、本音が分かるというメリットがあるからですね。最初は腹立たしさもありましたが、ああいうのは観ておいたほうがいいですよ。書き込みの中には、僕と近い友人しか知らない情報もあって、「普段仲良くしている誰かが、本音では別のことを思っていた」というのが分かったこともありました。ショックかもしれないけど、匿名という枠組みで本音が聞けるというのは良いことだと思うんですよね。

 だから最近ある、「デマが多いから口にフタしよう」みたいな考え方にはものすごく反対ですね。ネットの情報には匿名実名どちらにしろ、勘違いからくるデマや悪意のデマもたくさんあるけど、僕らはそういう情報の中から何かを選ぶことができるわけですよ。そこに規制を敷くことで、匿名の中の本音が見えなくなるのは絶対ダメなんですよ。

 フタをしたところで、結局どこか別のところに噴き出すことになるだけです。実際、ひとつの悪意あるデマが力を持つんじゃなくて、膨大なデマがあふれている現在というのは良い時代だと思いますよ。

(次ページに続く)

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン