四本淑三の「ミュージック・ギークス！」 第54回

ニコ動に住むドラムの天才、その名は「ショボン」

スーパーサイヤ人目指します

――　ところで、デPフェスの言いだしっぺがショボンさんですよね。

ショボン　ドキ生にデPバンドで出たときにすごく楽しくてですね、デPの曲は大好きだし。またやりたいなと思って、軽い感じで言ったんですね。「ねえ、タケポン、ワンマンやろうよー」って。「えー、企画とか面倒くさいんだよねー」とか言っていたんですが。

――　それでやるのが偉いですよね。バンドもリハの時間がなかったわりに、まとまっていたと思いましたよ。

ショボン　今回のバンドの人選は本当に凄いと思いました。このメンバーじゃないとできなかった。全員仲がいいというのが素晴らしい。本番前とか忙しいので、普通は険悪な空気になったりするんですが、みんなフォローし合えるので。

デPフェス前半メンバー。左から黒パンダ(Vo)、Shige(G)、ツツミ(B)、A姉(Vo)、デP(Key)、ショボン(Ds)、まみ(Per)、[TEST](G)　撮影：前田佑規

――　パーカッションのまみさんって何者なんですか？　ライブ前のリハで、オケも音源も何もないところで、コーラスのパートを一人で歌ってたり、只者でない感じでしたけど。

ショボン　あの人はすごいですよ。ニコニコ動画とは関係なく前から友達だったんですが、本当に友達でよかった。元々ドラマーなんですよ。すごく上手で。おまけにバイオリンも行けちゃう。絶対音感もあって、コーラスも。デPも言ってるんですけど、まみさんがいないとできない曲があるんですよ。

――　デPフェスは、フェスというからには定期的にやってくれという声もありますけど。

ショボン　やりたいですね。すぐにでも再チャレンジしたいですね。年4回くらいやっていいんじゃないですかね。（録音中のマイクに顔を近づけて）まあ、デPがまたやってくれるんじゃないですかね～。

――　それとライブの録音を、PAの武井さんからほんの少しだけ聴かせてもらいましたけど、すごく良かったですよ。デPに早く出せって言っておいてくださいよ。

ショボン　それは武井さんに感謝しないといけませんね。でも、あれが100%だとすると、150%まで行けると思うんですよ。

――　しかし、打ち込み音楽を人力で再現するというのが、人の経験を超えた部分だと思うんですよ。機械的な音楽を文字通り肉体化することだから。なんでそこまで追い込みますか？

ショボン　でも、それくらいできてこそサイヤ人なのかなと思うんです。せっかく演奏するならそこまで行ってみたい。自分は目指しますよ、スーパーサイヤ人を！

著者紹介――四本淑三

　1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。

■関連サイト

• ショボン 公式ブログ