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震災から1ヵ月、グーグルは「まだ走り続けている」

2011年04月15日 12時00分更新

文● 広田稔

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なぜグーグルがここまで迅速に動けたのか

―― 情報をシェアするだけで、命令がなくても勝手に動けるというのは、日本の企業から見れば不思議な印象です。なぜグーグルでは実現できたのでしょうか。

三浦 オフィスの中ではまとまっていましたし、コミュニケーションのツールもあった。Gmail、チャット、立ち話って感じです。あとはビデオ会議やチャットで、自宅や他の国にいても、ネットさえあれば作業ができますし。

ブラッド グーグルジャパンでも、これほど一丸となったことはありませんでした。津波に被害を受けた人たちがいる、東京でも停電の問題もある。いろんな問題がある中で、まず正しい情報を伝えることが、自分の使命だという意識がとても強かった。

 普段の仕事のことはみんな忘れてしまって。もともと上から「これをやりなさい」ということを言われるような会社ではないですし。みんなが自然に重要だと思うサービスを作り始めたんです。もちろん社員全員がいきなり通常の仕事を止めたわけではないですが。

三浦 日本だけでなく世界のいろいろな場所から、何百人、もしかしたら何千人の「グーグラー」が関係していると思います。

―― 最後に、今回の災害でグーグルとして得た教訓はありますか? 

ブラッド パーソンファインダーも改良し続けています。作ったサービスとノウハウを、これから起こる災害にどうつなげられるか、そこは会社として気になるところです。

富永 でも、まだ走り続けているので。復興で何ができるか、将来の話は分かりませんが、できる範囲で何かしていきたい。

―― まだ終わってないという感じですね。

三浦 われわれのミッションは、世の中の情報を整理して使いやすくすることです。ただ、災害の規模を考えると、これからはうちだけでどの程度貢献できるのか見えてきません。みんなの力はグーグル以上に大きいわけですから、その中で何をすべきかというのをちょっと考えて、貢献する道を探しているんですよ。



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