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震災から1ヵ月、グーグルは「まだ走り続けている」

2011年04月15日 12時00分更新

文● 広田稔

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登録された安否情報は60万件

―― そこからどう動きましたか?

三浦 まず最大震度が7で、津波警報も出ているということが分かったんです。そのときは津波の規模がどれほどかは想像できませんでしたが、阪神・淡路大震災に匹敵するレベルだと考え、ウェブマスターチームでクライシスレスポンスの制作を始めたんです。

―― 自主的に?

三浦 そうですね。表に出すかどうかの判断は後回しで、まず動いておいて、要請があったり規模が大きくなったらすぐに出せるようにしておいた方がいいだろうと。そう思って、地震発生から1時間後には動いてました。

誰となくメンバーの周りに集まっていったのだとか

ブラッド 私がオフィスに戻ったときには、ウェブマスターたちが動いていました。米国本社にあるクライシスレスポンスチームの人から、チャットで「日本向けのパーソンファインダーを作ったので公開してください」というメッセージが入っていたり、Twitterのグーグルアカウントでその告知をしてほしいと他の人に頼んだり。

 そうやって個人的にコミュニケーションを取っているうちに、「みんな同じ場所にいた方がいいね」という話になって、ウェブマスターチームの近くに集まってきたんです。

三浦 私たちがいた「こたつエリア」(グーグル社内にある部屋のひとつ)の周囲に集まり出した。災害関連の情報を公開する権限はウェブマスターが持っているので、その近くで仕事をしたほうが速やかに外に情報が出せたんです。

―― 今回、グーグルが提供したサービスで、個人的に突出していると感じたのはパーソンファインダーでした。

ブラッド パーソンファインダーは海外でも実績がありましたが、入力件数でいうと今回が一番多かったです。

パーソンファインダー

―― 具体的にどれくらいの数ですか?

富永 今回は60万件を超えています。今までで一番多かったのがチリで7万7000件、ハイチでは5万5000件でした。

―― ケタ違いですね……。

三浦 震災当日にリリースして、その日のうちにテレビニュースでも紹介されたので、初動が早かったゆえのアドバンテージもあったのかなと感じます。

(次ページに続く)

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