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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2011 第3回

知ったかできるパーツ基礎知識【ビデオカード編】

2011年04月14日 12時00分更新

文● 山県

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価格別のオススメビデオカードを探す

 現在流通しているRadeonとGeForceの各GPUを確認したところで、最後はコストパフォーマンスの面からアプローチしてみよう。
 以下に用意した表は各GPUグレードごとの販売価格だ。価格帯ごとに上からスーパー(ウルトラ)ハイエンド、ハイエンド、ミドルレンジ、ローエンドの4つに分割。販売価格はノーマル版を基準にし、オーバークロック版やメーカーオリジナルモデル等の特殊なモデルは考慮してないほか、ある程度の誤差があることを承知で確認してもらいたい。

価格別グレード比較
価格 GeForce Radeon
9万円前後 GTX 590  
8万円前後   HD6990
5万円前後 GTX 580  
3万5000円前後 GTX 570 HD 6970
3万円前後   HD 6950
2万6000円前後 GTX 560 Ti  
2万4000円前後   HD 6870
2万円前後   HD 6850
1万6000円前後 GTX 550 Ti HD 6790
1万1000円前後 GTS 450  
8000円前後 GT 440  
7000円前後 GT 430  
6000円前後 GT 520  

コストパフォーマンスは気にしない人向け
(スーパーハイエンド)

 正直なところ「GeForce GTX 590」および「Radeon HD 6990」のようなクラスのビデオカード購入を考えている人は、クドクド説明される前に買ってしまっているというパターンがほとんどではなかろうか。
 「う~ん、どうしようかなぁ」などと迷って買う製品でもないだろう。その上のモデルが存在しない以上、コストパフォーマンスという言葉など無縁だと言い切れる人が買うための製品だ。

Sapphire製の「Radeon HD 6990」搭載ビデオカード。開発コードネーム「Antilles」の名で呼ばれ、1枚の基板に2つのGPUを搭載したデュアルGPU仕様となる製品だ

こちらも先月登場したばかりのNVIDIAデュアルGPU仕様となる「GeForce GTX 590」搭載モデル。メーカーはZOTAC製。さすがにポンポンと売れる製品ではない

なんだかんだでビデオカードにこだわる人向け
(ハイエンド)

 いわゆるハイエンド向けとされる市場には、NVIDIA、ATIともに2製品が展開中だ。いずれも最新PCゲームをプレイする人や、とにかく速いカードが欲しいという人向けの製品で、自作をするうえで予算的に迷った場合はあえて選択する必要のない価格帯ともいえる。
 なお、発売当初こそリファレンスモデル中心だったが、今では多数のオリジナルファン搭載モデルが発売されている。個性的な製品という意味では、非常に選び応えのあるモデルが多数ラインナンップしており、見ているだけでも楽しい。

様々な期待を背負って発売となった「GeForce GTX 580/570」搭載ビデオカード。写真右は「GeForce GTX 570」搭載のGainward製「GTX570 1280MB PHANTOM」。6連ヒートパイプ+3連ファンで構成される3スロット占有型のオリジナル大型クーラーを搭載する

こちらも満を持しての登場となった「Radeon HD 6970/6950」搭載カード。「Radeon HD 5800」シリーズほどのヒットとはなっていないが、それでも根強い人気は健在。ハイエンド製品の割には販売価格も安めで手は出しやすいといえる

性能と価格のバランスを重視する人向け
(ミドルレンジ)

 「性能も大切だけど価格も安いカードがいい!」という欲張りな、というかほとんどの人がそう考える価格帯の製品である。GPUの性能によって価格のバラツキも見られるのだが、おおむねビデオカードの予算に2万円前後を考えている人はここに該当する。

「GeForce GTX 560 Ti」搭載のMSI製「N560GTX-TI Twin Frozr II OC」。MSIのオリジナルクーラーTwin Frozr IIを採用したオーバークロックモデルだ。GTX 560 Tiは上位のGTX 570との比較でややコストパフォーマンスが悪いため、ポジションが曖昧かもしれない

 どうしてもハイエンド以上の製品は、描画性能のほかに消費電力や発熱などでピーキーな一面を見せるが、その点ミドルレンジクラスのモデルにおいては比較的バランスを取ったものが多い。結果的に、搭載電源やケース内エアフローについても“ミドル”な構成で落ち着かせることができるという利点もあるわけだ。

デビュー当初から、後の「Radeon HD 6900」シリーズが見え隠れしていたために、いまいちブレイクしきれなかった「Radeon HD 6800」シリーズ。とはいえミドルレンジ向けカードとしての完成度は高い

 またショップごとに特価モデルが多いのも特徴で、時に性能と価格が逆転して販売されている例も多い。決められた予算内で、どれだけ性能の高いGPUを選択しつつ、かつ自分好みのモデルを見つけることができるのか。実際アキバを訪れて購入するのなら、パーツショップを巡りながら、非常に楽しい時間を提供してくれるだろう。

(次ページへ続く)

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