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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2011第2回

知ったかできるパーツ基礎知識【ストレージ編】

2011年04月13日 12時00分更新

文● 池座 優里

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HDD選択のポイント

 この1年のHDD事情をおさらいしたところで、実際に購入する際のポイントを説明していきたい。SSDと同様、HDDを購入する際は店頭やウェブサイトの価格表(スペック)を見て選択することになる。
 価格表を確認すると、メーカー、回転数、キャッシュ容量、プラッタ容量などの違いにより、同じ容量でも複数のHDDが販売されていることがわかるだろう。そのため、これらの意味が分からないと、何に注目し、どのHDDを選択すればいいか悩んでしまうことになる。

同容量ながら複数のモデルが存在していることがわかる。ショップにより記載されている内容に多少違いはあるものの、メーカー、回転数、プラッタ容量、キャッシュ容量などが記載されている

 そこでここでは価格表に載っている主なスペックの意味について解説していこう。価格表の意味を正しく理解し、自分にあった最適なモデルを選び出してもらいたい。
 なお、HDDにはデスクトップPCで一般的な3.5インチサイズのほかノートPC向けの1.8インチや2.5インチサイズのものがあるが、今回は自作PCを中心に考えた特集ということで、3.5インチHDDに話題を絞って説明していくことにする。

ポイント1
回転数による違い

 HDDでまず重要なのが回転数だ。現在流通しているものには主に7200rpmの製品と、5000rpm台の2つのタイプがある。ちなみに、回転数非公開や可変のモデルもあるがこれらは5000rpm台だと思ってまず間違いない。もちろん回転数が高いモデルのほうが高速なため、起動ドライブとして使う場合など速度を重視するなら7200rpmモデルがおすすめとなる。
 一方、起動ドライブにSSDを使い、HDDをデータドライブとして使う場合などには、安価で低発熱な5000rpm台の製品を選択するといいだろう。

2年前に1TB HDDのブレイク役となった「WD10EACS」。回転数は非公開

 また、最近すっかりSSDの陰に隠れてしまっているが、WesternDigitalからは回転数が10000rpmの超高速HDD「VelociRaptor」の新製品も発売されている。SATA3.0に対応し、容量600GBの「WD6000HLHX」で2万4000円前後と並みのHDDよりは割高だが、SSDに比べると大容量かつ安価になっている。さらに、信頼性も高いためベテラン自作ユーザーに好まれるモデルである。

SATA3に対応したWesternDigital製VelociRaptor「WD6000HLHX」。10000rpmと非常に高速なだけでなく、MTBFが140万時間と信頼性も高い

※お詫びと訂正:記事初出時、「WD10EACS」は回転数を5400~7200回転で可変させると記載しましたが、正しい回転数は非公開となっております。訂正してお詫びいたします。(2011年5月27日)

ポイント2
プラッタ容量による違い

 HDDはプラッタと呼ばれる円盤状の金属ディスクにデータを書き込むことで情報を保存する構造となっている。HDDの容量を増やすにはプラッタの枚数を増やすか、1プラッタあたりの容量を増やす必要があるわけだ。しかし、HDDでは物理サイズに制限があるため、プラッタの枚数を大きく変更することはできない。

HDDはプラッタと呼ばれる円盤状の金属ディスクにデータを書き込むことで情報を保存する構造となっている

 そこでプラッタあたりの記録密度を高くすることで容量を増やす方法が取られている。1プラッタあたりの記録密度が高くなると、データを読み取るためのヘッダの移動距離が減るため、結果として転送速度が上がることになる。さらに、プラッタ容量が増えて全体のプラッタ枚数が減ると、消費電力や発熱も少なくなるなど、容量増加によるメリットは多い。
 ちなみにプラッタ容量は年々増えており、現在は最高で1プラッタあたり750GBという製品も出てきている。

ショップによってはプラッタ容量を記載しているところもあるので、同じHDD容量で価格差が小さい場合は1プラッタあたりの容量が多いモデルを選択するといいだろう

ポイント3
キャッシュ容量による違い

 HDDには読み書きするデータを一時的に保存しておくための高速なメモリであるキャッシュが搭載されている。このキャッシュには、OSのシステムファイルなど、頻繁に使用されるデータが保存され処理速度を速める効果がある。
 一般的な容量は16MB~64MBで、回転数が同じなら大容量な方が性能が高く、パフォーマンスを優先したい場合はキャッシュ容量が多いモデルを選択するといいだろう。
 逆にコストを優先するならキャッシュ容量はあまり気にせず、価格の安いモデルを選択するというのもアリだ。

HDDに搭載されるキャッシュメモリ。一般的な容量は16MB~64MBとなっている

ポイント4
メーカーによる違い

 2011年3月7日にWestern DigitalがHGST(日立グローバルストレージテクノロジーズ)を買収するという発表があった。実際の買収完了は2011年9月末とのことで、現在のところ市場にまだ大きな変化はなく、HGST製HDDも販売されている。ただ、今後は3.5インチHDD市場は、Western Digital、Seagate、SAMSUNGの3社に絞られることになる。

2011年3月7日、HGSTはHDD事業をWestern Digitalに譲渡すると発表した

 とはいってもHDDはすでに成熟したストレージデバイスで、メーカーごとの違いは今やそれほど大きくない。ベテランユーザーの場合、自分の好みのメーカーを指名買いすることもあるが、こだわりがないならそれほど重視する必要はないだろう。
 同容量かつ似たようなスペックの製品でメーカーの違いによる価格差がある場合は、予算と相談して決めてしまって問題ない。また、どうしても気になる場合は経験豊富なショップスタッフに相談するというのも有効な手段だ。

SSDとHDDそれぞれの長所を活かして
快適なPC環境を構築

 ここまで2010年から2011年3月までのストレージデバイスについて紹介してきた。SSDはSATA3.0が主流となりつつあり、これまで以上に高速になっている。価格も確実に下がっていることから、これから自作を考えている人は起動ディスクとしてぜひ一度使ってみてほしいデバイスだ。

SSDは、より高速になり価格も確実に下がっていることから、起動ディスクとしてぜひ一度使ってみてほしい。HDDは大容量、低価格化が進み相変わらずコストパフォーマンスが高いので、データドライブとして活用したい

 一方、HDDは大容量、低価格化が進み相変わらずコストパフォーマンスの高いデバイスとして外せない。おすすめの構成としては昨年同様、SSDを起動ドライブに、HDDをデータドライブにという流れは変わっていないといえる。
 SSD、HDDいずれを使用する場合でも、OS側の対応が重要だ。ストレージデバイスの性能を最大限に活用するならWindows 7、特に64bit版の使用を強く推奨したい。

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