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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2011 第2回

知ったかできるパーツ基礎知識【ストレージ編】

2011年04月13日 12時00分更新

文● 池座 優里

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大容量化が進むHDD
最大容量は3TBへ

 2009年2月に2TBへ到達して以来、容量に変化のなかったHDD。2010年11月になってようやく3TBの製品が発売され、実に1年9ヵ月ぶりに最大容量が更新された。
 価格も確実に下がっており、発売当初は2万4000円前後と高価だった3TBモデルも今では1万3000円前後、2TBモデルにいたっては6000円前後から購入できるようになっている。
 転送速度こそSSDにおよばないものの、大容量かつコストパフォーマンスに優れたHDDは、まだまだストレージデバイスの主役といえるだろう。

初の3TBモデルとなるWestern Digital製「WD30EZRS」。キャッシュ容量64MBで回転数は非公開。実売価格は1万3000円前後

2TBを超えるモデルでは
OSやマザーボードに制限がある

 ついに登場した3TBのHDDだが、OSやマザーボードに制限があり使用する場合には注意が必要となる。データドライブとして使う場合はこれまでのHDDの管理方法である「MBR」(Master Boot Record)ではなく、「GPT」(GUID Partition Table)に対応している必要があるのだ。

ハードウェア側が非対応の場合でも利用できるようにインターフェイスカードが付属するWesternDigital製の3.5インチHDD「WD30EZRSDTL」

 GPTに対応するOSはWindows XP 64bit版以降となり、Windows XP 32bit版では対応していない。さらに起動ドライブとして使う場合はOSがGPTからの起動に対応し、ハードウェア側もUEFIもしくは独自に2TB超のHDDに対応するBIOSを採用している必要がある。
 ちなみに、現在GPTからのシステム起動に対応しているOSは64bit版のWindows 7とWindows Vistaだけとなっている。以下に各OSの対応状況をまとめておく。

2TBを超えるHDDのOSサポート状況
用途 起動ドライブ データドライブ
Windows 7 64bit版
Windows 7 32bit版 ×
Windows Vista 64bit版
Windows Vista 32bit版 ×
Windows XP 64bit版 ×
Windows XP 32bit版 × ×

HDDでもSATA3.0対応製品が一般的に

 HDDのSATA3.0対応はSSDよりもスムーズに進んでおり、対応製品はこの1年で大きく増えている。しかし、HDDの転送速度はSATA2.0の上限である300MB/secに達していないためインターフェイスによる性能差はほとんどなく、キャッシュ内のデータにアクセスする場合に効果がある程度だ。
 ドライブの回転速度やキャッシュ容量が同じなら価格差もほとんどなく、HDDではインターフェイスの違いを意識する必要はそれほどないだろう。

キャッシュ容量64MBの「WD1002FAEX」のCrystalDiskMark 3.0.1の結果。データサイズが50MBの場合(写真左)はシーケンシャルリードが400MB/secを超えているが、1000MBの時(写真右)は一般的なHDDと同じ転送速度となっている

AdvancedFormatを採用したHDDは
Windows XPでは遅くなるので注意!

 WesternDigitalや日立製のHDDでは大容量化のため、物理セクタ(4096Bytes)を論理セクタ(512Bytes)としてエミュレーションするAdvancedFormat方式が採用されている。
 Windows VistaやWindows 7はこの方式に対応しているため問題ないが、Windows XPはAdvancedFormatに対応していないため転送速度が低下してしまう。そのため、メーカーが提供するツールやジャンパースイッチによる設定が必要になる。

AdvancedFormatを採用したWesternDigital製HDD「WD20EARS」

Windows XPでも1パーティションで使う場合はジャンパースイッチで設定するだけでいい。ただし「WD20EARS」にはジャンパースイッチが付属しないため別途用意する必要がある

Windows XPで複数パーティションを作成する場合は各社の設定ツールを使用する。写真はWesternDigital製の「WD Align」

急速に普及が進むUSB3.0

 もう一点、HDDを語る上で外せないインターフェイスがUSB3.0だ。USB2.0では実測で最大40MB/secだった転送速度はUSB3.0では120MB/secを超えており、SATA接続時とほぼ変わらない速度となっている。
 Intel、AMDともに標準サポートするチップセットはまだないものの、Fresco Logic製やEtronTech製のコントローラチップが登場し、安価なインターフェイスカードやローエンドのマザーボードでもUSB3.0ポートを搭載したものが多く発売されている。これから外付けHDDの購入を考えるならUSB3.0に対応した製品が絶対におすすめだ。

Fresco Logic製「FL1000」とEtronTech製「EJ168A」。比較的安価なインターフェイスカードやマザーボードに採用されることが多い

 また、非常に高価だったUSB3.0対応フラッシュメモリの価格も下がり、安価な製品なら8GBモデルで1000円前後、16GBモデルで2500円前後、32GBモデルで5000円前後とUSB2.0対応製品とそれほど変わらない価格で購入できるようになっている。こちらも今から購入するならUSB3.0対応モデルを選択したい。

A-DATAから発売されている安価なUSB3.0対応フラッシュメモリ。ラインナップは8GB/16GB/32GBの3モデルで、実売価格は順に1480円、2480円、4980円

(次ページへ続く)

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