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2011年版 新世代ウェブブラウザー対決 第2回

競合の追撃を受けるGoogle Chrome 11βの改良点は?

2011年04月08日 12時00分更新

文● 山本雅史

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Chrome 11で注目すべき機能は?

 Chromeは頻繁にアップデートされるため、どれが新機能と明快には言いにくい面がある。そこでいくつかの注目すべき機能を紹介していく。

 次世代ウェブブラウザーのIE9やFirefox 4.0は、HTML5への対応が大きなテーマになっていた。一方Chromeでは、以前のバージョンからHTML5の機能を少しずつ搭載している。例えばHTML5のビデオとオーディオ機能は、「Chrome 4」ですでにサポートしている。しかし動画再生時のGPUアクセラレーションを採用したのは、現在の正式版である「Chrome 10」からだ。

 ちなみにChrome 11では、HTML5のビデオ機能からH.264サポートが廃止された(関連記事)。GoogleがH.264の置き換えと狙うWebMコーデックは、Chrome 6から標準搭載されている。

 HTML5やCSS3の互換性については、Chrome 11でもいくつかの互換性テストでパスしていない項目がある。段階的にHTML5やCSS3のサポートを向上させているためだ。そもそもHTML5自体、正式版が勧告されるのは2012年3月頃になる。つまりChromeやIE9、FirefoxがサポートしているHTML5は、まだドラフト版というわけだ。HTML5とCSS3のすべての項目をChromeがサポートするのは、おそらく「Chrome 12」以降になるだろう。

 HTML5には含まれていないが、Chromeでは3Dグラフィック表示技術の「WebGL」規格をサポートしている(Firefox 4.0も同様)。WebGLは3DグラフィックスAPIのひとつ「OpenGL」を、ウェブブラウザー上でも利用できるようにした規格だ。

「Glass」というWebGLのデモ。Chromeのタスクマネージャーを表示してみると、GPUが動作していることがわかる

こちらは「Google Body」というWebGLのデモ。スライダーで人間の体を透明化して表示するもので、筋肉や内臓、血管や骨を表示できる

 WebGLを利用すれば、ウェブブラウザーで簡単に3Dグラフィックの描画が可能になる。JavaScriptでプログラミングできるため、WebGLとJavaScriptを使って、3Dシューティングゲームをウェブブラウザー上で動かす、なんてことも可能だ。GPUドライバーがOpenGLをサポートしていれば、WebGLでGPUアクセラレーションが利用できる。

「Tankworld」という戦車ゲームのデモ。これもWebGLを使った3Dグラフィックで作られている

 Chrome 11では、HTML5の音声入力APIにも対応している。このAPIを利用すれば、スマートフォンのAndroidで実現している「音声入力検索」も可能になる。

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