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クラウド時代の製品・サービス選び 第2回

「クラウド時代の製品・サービス選び Vol.1」好評発売中

成城大学のIT担当は「クラウド時代の~」をこう読んだ

2011年04月05日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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企業のIT製品・サービス導入をサポートすべく、3月に発売されたムック「クラウド時代の製品・サービス選び Vol.1」。実際のITシステムの導入・運用担当者はどのように読んでいるのだろうか? 日頃の情報収集の仕方も含めて、今回は成城大学のお二方にインタビューした。

Webでも、紙でもない、意外とアナログな情報収集手段とは?

 今回、お話しをお聞きしたのは、成城大学のメディアネットワークセンターの主任である五十嵐一浩氏と田村忠才氏である。メディアネットワークセンターは、成城大学学内のITインフラの構築・運営を行なういわゆる企業における情シスで、お二方とはユーザー事例の取材でお邪魔して以来、情報交換をさせていただいている。

成城大学 メディアネットワークセンター 主任 五十嵐一浩氏と田村忠才氏

 最初にIT製品・サービスの情報収集について聞いてみた。まず特定のテーマや製品に関する調べ物はやはりWebが向いているという。五十嵐氏は「たとえば災害対策用のストレージ製品やデータセンターなどを緊急で調べるときは、やはりWebから検索して調べます」と語る。「特定の媒体を読んで引き出すのではなく、検索して横断的に調べますね」(田村氏)ということで、媒体へのロイヤリティは低いようだ。とはいえ、日常的にPCを使っているので、Webで記事や事例を読むのは正直疲れるという感想もあった。

 Web媒体の場合、特定のテーマに絞っているので、自分自身で情報をフィルタしてしまう。その点、自分の関係ない製品も含めてポストされてくる紙媒体は、Webとは異なる視点で情報収集ができるため便利だと語る。ただ、「正直、紙媒体から情報収集することは少なくなっている」(五十嵐氏)のも実情だ。

 ではどのように情報収集しているかというと、意外とアナログで、人から聞くというもの。たとえば、イベントで名刺を落としてきて営業さんから話を聞くことで、「製品や業界動向のほか、営業さんの人どなりとか、力の入れ方とかわかります」(田村氏)という。特にイベントに継続的に出展しているかどうかは、ベンダーの評価としてけっこう大きいようだ。また、大学関係の知り合いから情報を集めるということも多い。「大学という業種はやはり特殊なので、先行事例はとにかく参考になります。知り合いも多いので、気になる製品を使っている人には直接聞いてみます」という横つながりも重視するという。

IaaS導入やクラウドのセキュリティは参考になった

 さて、次に3月に刊行した「クラウド時代の製品・サービス選び Vol.1」についてだが、まず「特集1の『IaaS導入のベストチョイス』はちょうどリサーチしようと思っていたところだったので、助かりました。ベンダーごとにインタビューという切り口は新鮮でした」と★4つをいただいた感じ。一方で、各社のインタビューだけでは広告に見えてしまうので、できればユーザー事例が読みたかったというリクエストもいただいた。「ユーザーがなぜ導入したとか、アスキーとしてどう考えているのかとか、吹き出してもいいから欲しかったですね」(田村氏)と意見だ。これに関しては、次号でさっそくやってみたいと思う。

表紙

クラウドからサーバー、セキュリティまで失敗しないIT導入をサポート

「クラウド時代の製品・サービス選び Vol.1」

  • 著者:TECH.ASCII.jp編集部
  • 定価:1,280円 (本体1,219円)
  • 発売日:2011年2月18日
  • 形態:A4変 (112ページ)
  • ISBN:978-4-04-870370-3
  • 発行:アスキー・メディアワークス
  • 発売:角川グループパブリッシング
  • 目次:IaaS導入のベストチョイス/デスクトップ仮想化のすべて/知っておきたいクラウドのリスクとセキュリティ/失敗しないサーバー選びのポイント/仮想化&クラウド時代の最新大学事例/IBM CloudBurst完全解剖/最新製品レビュー(ヤマハ「NVR500」、フォーティネット「FortiGate-60C」、ALSI「InterSafe SecureDevice」)

 特集3の「クラウドのリスクとセキュリティ」に関しても、「ある意味当たり前のことが書いてあるのですが、なにがリスクで、どこまできちんとできているのか、再評価できてよかった」というコメントで好意的だった。

 一方で、同大学ではASCII.technologiesを定期購読してもらっているので、「冒頭の最新大学事例や失敗しないサーバー選びは、ASCII.technologiesの再掲載なので、ちょっと損をした気もしました(笑)」とのこと。原価率とかいろいろ大人の事情もあって、すいません……。

 今後、必要と感じている情報は、やはり災害や計画停電についての対策だという。「現状、オンプレミスのシステムなので、災害対策や省電力への取り組みは急務だと認識しています」(五十嵐氏)という。一方で、IPv6に関しては模様眺め。むしろ「いきなりスマートフォンのトラフィックが増大していて、アドレスが足りなくなっています。学生の動向がつかめないほうが問題」と田村氏は語る。

 ということで、今情報システム部の方々が知るべき製品・サービスの情報がまとまっている「クラウド時代の製品・サービス選び Vol.1」。ぜひ書店およびオンラインショップでお買い求め下さい。

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