Windows Azure Companion
ここまでWindows Azure管理ポータルを使って、Windows Azure Platform上の準備をしてきました。続いてWindows Azure上にオープンソースソフトウェアを簡単にインストールして稼働させることができる「Windows Azure Companion」というツールを使って作業を進めていきます。
Windows Azure Companionは、Windows Azure上にそのまま展開すると、Windows Azure上のインスタンスにWebインターフェイスを使ってオープンソースソフトウェアを自動でインストールするツールです。Windows Azure Companionサイトの「Downloads」タブから「WindowsAzureCompanion-SmallVM-Mar2011CTP.zip」をダウンロードします。
ダウンロードが終了したら、ダウンロードしたzipファイルをいったん解凍します。ファイルを解凍すると「ServiceConfiguration.cscfg」という設定ファイルが含まれています。このファイルをメモ帳を使って開きます。このファイルには、Windows Azureのストレージなどへアクセスするために利用するアクセスキーなどを設定するための情報を記載します。
最初にWindows Azure Companionで利用できるオープンソースパッケージの一覧を取得するURLを設定します。Windows Azure Companionのサイトに掲載されている「Maarten's application feed」というアドレスを利用します。「ServiceConfiguration.cscfg」設定ファイルの中に「ProductListXmlFeed」という項目があるので、その項目のValue属性にフィードのアドレス「http://wazstorage.blob.core.windows.net/azurecompanion/default/WindowsAzureCompanionFeed.xml」を指定します。
そのほかの設定もこれまでにメモした情報などをもとに設定します。「WindowsAzureStorageAccountName」にはStorage Account作成時に指定したAccount Nameを、「WindowsAzureStorageAccountKey」にはStorage Accountの「Primary Access Key」を指定します。
最後に、Windows Azure Companionの管理画面にログインするためのIDとパスワードを、「AdminUserName」と「AdminPassword」に入力し、ファイルを上書き保存します。ここで設定したIDを使って、Windows Azure Companionを操作することになります。
Hosted Servicesの展開
Windows Azure Companionのダウンロードと設定ファイルの書き換えが終了したら、実際にWindows Azure CompanionをWindows Azure Platform上のインスタンスとして展開します。管理ポータルから「Hosted Services, Storage Accounts & CDN」、「Hosted Services (0)」を選び、ツールバーの「New Hosted Service」をクリックします。
新しいHosted Serviceの構成を指定する画面が表示されます。「Enter a name for your service」に管理ポータルでこのインスタンスを識別するための名前を入力し、「Enter a URL prefix for your service」にこのインスタンスに割り当てるURLを指定します。ここで割り当てたURLが、Webなどを公開する際にアクセスする基本のURLとなります。
続いてHosted Servicesインスタンスのデータセンタを「Choose a region or affinity group」に指定します。Development optionsでは、「Deploy to production environment」および「Start after successful deployment」を選び、インスタンスの生成と同時にProduction環境で動作させることを選択します。また「Deployment name」には、今回は位置するパッケージを識別する名前を入力します。
最後にHosted Serviceに配置するパッケージを指定します。最初に「Package location」を指定するため、「Browse Locally…」をクリックします。そうするとパッケージファイルを指定するためのダイアログが表示されるので、先程ダウンロードし解凍したWindows Azure Companionのフォルダに、「WindowsAzureCompanion.cspkg」というファイルがあるので、このファイルを選択します。
続いて「Configuration file」も同じように「Browse Locally…」をクリックし、先程メモ帳で編集した「ServiceConfiguration.cscfg」ファイルを指定します。
パッケージと設定ファイルの指定が終わり「OK」ボタンをクリックすると、指定されたファイルの確認が行なわれます。この際に警告が表示される場合があります。これは展開するパッケージが1つのインスタンスで動作するように指定されているため、インスタンスの障害によってはサービスが停止してしまう可能性を警告しています。今回は1つのインスタンスのみで動作させますので、このまま「Yes」を選択します。
パッケージのインスタンスへの展開が始まります。これにはしばらく時間がかかりますが、無事にインスタンスの起動が終了すると、すべてのステータスが「Ready」となり、「DNS name」として表示されている先に指定したURLで、Windows Azure Companionに接続することが可能になります。
(次ページ、Windows Azure Companionを利用したphpBBのインストール)