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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第66回

Honeycombタブレットの実力は? auのXOOMをチェック

2011年03月24日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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本体背面には、左から500万画素のカメラとLEDフラッシュ、スピーカーに電源ボタンがある

 本体前面にハードキーはない。ホームボタンなどのAndroidで多用するキーは、Honeycombではバーチャルボタンになっているためだ。ボタン類はサイドに音量調節用のボタンがある程度だ。電源ボタンはなぜか背面の、カメラの近くに配置されている。これには正直驚いた。だが実際に使ってみると、指がちょうどかかる場所にボタンがくるようになっているので、さほど大きな問題ではない。

物理ボタンはサイドに用意された音量調節ボタン程度

 端子類としては、MicroUSBとMicro HDMI、電源(接点式とアダプタ式の2種類)が装備されている。電源とMicroUSBが別になっていることからもわかるように、XOOMはUSBからの給電に対応していない。ACアダプターはノートパソコンのそれに近いサイズで、決して小さくない。電源コネクターは非常に細く、小さな独自のものだ。そのため外出時にUSBから給電を受けて使う、というのは難しい。

microSDHCスロットを内蔵。最大32GBまでのメディアを利用可能

本体底面。左からMicroUSB、Micro HDMI、電源(接点式クレードル用)、電源コネクター(付属ACアダプター用)

 とはいうものの、そもそもこの種のタブレット端末はバッテリー動作時間が恐ろしく長いので、そういう心配は不要だろう。カタログスペックでは連続動作時間が約510分(約8時間30分)となっており、ライバルであるiPadのそれとも大差ない。今回はおおよそ5日間ほど、メイン端末としてメールやウェブの閲覧を中心に使ってみたが、その間にバッテリーを充電したのは1回だけだった。

 いわゆるベンチマークテストの類は行なわなかったが、AVC形式/480pでエンコードされた映像ファイルを2時間程度見た後でも、バッテリーは10%程度しか減っていなかった。ほぼ想定どおりの時間は動作する、と考えて良さそうである。

とにかくサクサク・高速!
大きな変化に戸惑うが「最適化済み」アプリは快適

 さて、中身を見ていこう。XOOMが利用しているプロセッサーは、NVIDIAの「Tegra 2」(Tegra 250-1GHz)。メモリーは1GBとなっている。ストレージは内蔵のフラッシュメモリーが32GBで、そのほかにmicroSDHCメモリーカードを使い、最大で32GBを増設可能になっている。

 このあたりのスペックは、昨今のハイエンドAndroid端末では珍しくない、標準的なものといえる。だがXOOMが異なるのは、OSがHoneycombになっているという点だ。Honeycombはタブレット端末向けであると同時に、デュアルコアプロセッサーへの最適化を進めたバージョンでもある。

 XOOMで採用されているUIは、Honeycombの標準的なものであり、モトローラによるカスタマイズはほとんど行なわれていないという。XOOMがHoneycombにとってのリファレンス機的性格を持っているためであるようだ。言うなれば、Android 2.xにおける「Nexus」シリーズに近い位置づけなのだろう。

ロック画面。指でカギマークをタッチして、好きな方向に滑らせると解除される

XOOMのメイン画面。Honeycombのリファレンス的なモデルであるため、Honeycombでは標準となるUIのまま

 スマートフォンと比べてディスプレーサイズが広がったにもかかわらず、プロセッサーへの最適化が進んでいるせいか、動作は文字通り「羽根が生えたかのように」快適だ。率直に言って、これまでに使ったどのAndroid端末より動作が速いと感じた。

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