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Sandy Bridgeなら新MacBook Proを買え! 第1回

春からMacユーザー! その前に知っておきたい基礎知識

2011年03月21日 12時00分更新

文● 広田稔

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ここがスゴいよMac OS X! 10連発

最新OSの「Mac OS X 10.6」

 Macは本体だけでなく、そこに入っているOS「Mac OS X」もユニークだ。MacのOSは、2001年に大転換を迎えてUNIXベースのMac OS Xとなった。ネコ科の動物のコードネームが付けられるのが決まりで、2009年10月に登場したMac OS X 10.6は「Snow Leoaprd」と呼ばれている。今夏にはMac OS X 10.7「Lion」が登場する予定だ(関連記事)。

 メジャーバージョンアップを6度も重ねたOSなので、安定性は抜群。ユーザーを引きつける要素も数えきれないほどあるが、ここでは筆者の独断と偏見で10個チョイスさせてもらった! 

以下の機能はMac OS X 10.6をベースに紹介しています。過去のバージョンではサポートしていないものもあるのでご注意ください。 

1:見た目がイチイチかっこいい!

 Mac OS Xといえば、元祖「ビジュアル系OS」(?)として有名な存在。今でこそWindowsでも半透明や動きのある見た目(GUI)が当たり前になっているが、そのトレンドの多くを先取りしてきたのはMac OS Xだ。もちろん好みもあるが、いつも目にするパソコンの画面だからこそ、ぜひ触って気持ちのいいモノを選んでおきたい。

Macを起動すると、まず最初に流れるのがこのセットアップムービー。映画バリのカッコよさなので、詳細はぜひ買って確かめてほしい

ソフトのアイコンも思わず並べたくなるようなカッコいいデザイン!

日本語フォントの「ヒラギノ」も美しく、ウェブページも読みやすい

ウィンドウをDock(ランチャーの一種)にしまう際、ウィンドウがぐにっとねじれるアクション「ジニーエフェクト」がかかる

写真や動画などを中身をプレビューしながら選べるファイル閲覧モード「Cover Flow」。iTunesでも有名だ

スクリーンセーバーや壁紙なども、ハッとするデザインが充実。この辺、ぜひ店頭で「システム環境設定」を開いてチェックしてほしいところだ

2:開いてるウィンドウを楽に探せる「Expose」

 Mac OS Xの操作で便利なのが「Expose」(エクスポゼ)。画面に並んだウィンドウを一瞬にして一覧表示したり、ウィンドウをどけてデスクトップを表示する機能だ。

 画面解像度が限られるノート型Macでは、ソフトを数多く起動してウィンドウを開くと目当てのウィンドウやファイルを見つけにくくなりがちだが、このExposeを活用すればすぐにたどり着けるぞ!

ウィンドウがごちゃごちゃしてウェブブラウザーの画面を探すのが面倒……

そんなときに「F9」を押すなどしてExposeの「すべてのウィンドウ」を実行すると、一発で開いたウィンドウが並ぶ!

マウスカーソルを目当てのウィンドウに動かしてクリックすれば、その画面が前面に来る。わずか3秒で必要なウィンドウを探し出せるのだ

同種の機能に仮想デスクトップの「Spaces」(スペーシーズ)がある。最大で16個の仮想デスクトップを作って、デスクトップごとにソフトを割り当てることが可能だ

3:「Spotlight」でさくさくデスクトップ検索

 デスクトップ検索の「Spotlight」は、Macに収められたデータをフル活用する手助けをしてくれる。デスクトップ右上の虫眼鏡マークをクリックして検索語句を入力すれば、ファイルだけでなく、メールのメッセージやPDF/Office書類を串刺し検索してくれる。

 さらに、Mac OS Xに付属する国語/英和/和英の辞書や計算機にもアクセスできるのでかなり便利。検索速度も数秒と速い。Spotlightウィンドウを開く「control」キー+スペースバーのショートカットは必修だ!

検索語の前に「-」を入力すると、結果からその検索語を含むものを外せる(NOT検索)。例の「Mac -Book」では、Macを含むがMacBookを含まないファイル探せる

日付での絞り込みも可能。「kind:text created:<=21/10/07」とすると、2007年10月21日以前に作成されたテキストを抽出できる

語句を打ち込んでOS付属の「辞書」ソフトで意味を調べることも可能だ。選択すれば、ここからソフトを起動できる

検索窓での計算が可能。四則演算のほか、対数や三角法など40種類以上の関数をサポートする

4:「Quick Look」で素早く中身を表示

 ファイルの中身をちょっと調べたいんだけど、わざわざソフトを起動するのも面倒くさい……。というニーズに応えてくれたのが「Quick Look」。デスクトップ上やフォルダー内にあるファイルを選択して、スペースバーを一発たたけば、その中身が全画面に広がって内容をプレビューできる。

 対応ファイルは画像、テキスト、PDF/Office書類、ムービー、Mailの添付ファイルなど多岐に渡る。手放せなくなることうけあいの機能なので、Macを手に入れたらぜひ試してみてほしい。

「005.jpg」の画像が何か見たいが、アイコンプレビューでは小さくて分からない……;そんなときにファイルを選択してスペースバーを一発たたけば中身が確認でき

さらに「option」キー+スペースバーなら、全画面プレビューも可能。ちなみにSnow LeopardではEPSファイルもQucickLookできる

5:自動でバックアップしてくれるTime Machine

 パソコンの「万が一」はいつ訪れるか分からないもの。仕事のデータはもちろん、一生の思い出となる家族の写真は絶対に失いたくないものだ。そこでデータのバックアップが重要になってくる。

 Mac OS Xなら外付けHDDを用意しておけば、「Time Machine」というバックアップ機能を使ってファイルを自動保存してくれる(詳細はこちらの記事を参照)。

操作は外付けHDDやNASをつないで、「Time Machine」のスイッチを「入」にするだけ。これだけで内蔵ストレージを丸ごとバックアップしてくれる

復元時は、過去24時間の1時間ごとのバックアップ、過去1ヵ月の1日ごとのバックアップ、バックアップディスクがいっぱいになるまでの1週間ごとのバックアップ──といった単位でファイルを戻せる

6:体の不自由な人にも子供にも優しい

 Macを使ってネットで人々と交流したり、何かを作ったりすることはとても楽しいことだ。そんな楽しさを少しでも多くの人が体験できるように、Mac OS Xは環境設定を充実させている。

「ユニバーサルアクセス」は、視覚/聴覚が不自由だったり、マウスやキーボードの操作が難しい方に向けた環境設定だ。例えば、上の画像のように画面の色彩を反転したり、警告音が鳴るときに画面を点滅させたりできる

「ペアレンタルコントロール」は、パソコンやインターネットの一部を制限するための環境設定だ。子供専用のアカウントを作っておけば、指定したウェブサイト以外へのアクセスを禁じたり、メールをやり取りできるアドレスを指定したりできる

7:Boot CampでWindowsも動かせる!

 MacでWindowsが動く──というのはもう有名な話なのでご存じの方も多いのではないだろうか? アップルは「Boot Camp」という仕組みを用意しており、WindowsのインストールCDさえ用意すれば、セットアップアシスタントを使って簡単にWindowsを組み込める(インストール方法はこちら)。Windows用レイアウトの外付けキーボードさえMacにつなげば、見た目はMacだが完全なWindowsマシンとして使うことが可能だ。

Boot CampでWindowsを起動した画面。Boot Camp 3.1以上ではWindows 7/Vista/XPの3種類がインストールできる

使うときは「システム環境設定」の「起動ディスク」でWindowsのボリュームを選んで、Macを再起動すればいい

 ちなみにMac OS X上でWindowsを動かすためのソフトもサードパーティーが販売している。「Macに乗り換えたけど、メールソフトだけではWindowsのものを使いたい……」といった場合は、「Parallels Desktop」や「VMware Fusion」、「CrossOver Mac」など、再起動せずにWindowsのソフトが使えるアプリケーションを導入するといいだろう。

8:強力な共有機能が便利過ぎる!

 Mac OS Xは、便利な機能を簡単な設定で利用できるのがいいところ。例えば、「パソコンの共有」というといかにも難しそうに聞こえるが、Mac OS Xなら「システム環境設定」にある「共有」ですぐに実行可能だ。

 自分のパソコンをLANで共有したいときは、「ファイル共有」で共有するフォルダーを選んでサービスをオンにすればいい。ホテルの部屋に有線LANが1本しかないけどノートパソコンは3台……という場合は「インターネット共有」が便利。自分のMacを無線LANアクセスポイント化して、ほかのパソコンからインターネットで接続できる。

ファイル共有ではSMBプロトコルにも対応し、Windowsからもアクセスできる

インターネット共有は、自分のMacにEthernetケーブルを差して、「共有する接続経路」を「Ethernet」、「相手のコンピュータが使用するポート」を「AirMac」に設定してサービスをオンにすればOK

9:PDFをそのまま扱える

 地味に便利なのが、Mac OS XがPDFに標準で対応しているということ。「Adobe Reader」をダウンロードしなくても、「プレビュー」という標準アプリケーションを使ってPDFファイルを開ける。

ウェブページや書類をPDFに変換するのも簡単。プリントアウトを指示して、プリントダイアログの左下にある「PDF」から「PDFとして保存」を選ぶだけで保存できる

10:64bit対応

 最新のMac OS X 10.6では、OS自体とそのほとんどの付属ソフトが64bit化されたというのも大きな特徴だ。分かりやすい特徴を挙げれば、従来の32bit OSではひとつのソフトあたり4GB(230バイト)までしかメモリーを利用できなかったが、64bit OSでは16EB(エクサバイト、260バイト)という広大なメモリー空間を使える(関連記事)。

(次ページに続く)

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