忘れちゃいけない電源ユニット
HOPLITE ECA3222もそうだが、PCケースの主流は電源ユニットなしになる。筆者も今回の自作で電源ユニットを新たに購入したので、電源ユニット選びのポイントとともに紹介しておこう。
見るべきポイントは、構成に合わせた+12V出力の総容量と、電源ユニットの変換効率を表す「80PLUS」認証のランクだ。とくに、「80PLUS」認証は大事で、同じ容量の電源ユニットを使用しても、認証の有無とランクによって消費電力は大きく変わってくる。
毎月の電気代に換算すると、数十Wでは電気代に大きな差は出ないが、ちりと積もれば山となるので、まずは、80PLS認証取得の電源ユニットを選ぶのがオススメだ。ランクは変換効率によって、「80PLUS(スタンダード)」<「80PLUS BRONZE」<「80PLUS SILVER」<「80PLUS GOLD」<「80PLUS Platinum」の5種類に分かれており、ランクが上がるほど価格もアップする。狙い目なのは、ラインナップが豊富で、価格と性能のバランスが良い「80PLUS BRONZE」だ。
80PLUS認証ランクと変換効率の違い | |||||
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負荷率 | 80PLUS | 80PLUS BRONZE | 80PLUS SILVER | 80PLUS GOLD | 80PLUS PLATINUM |
負荷20%のとき | 80% | 82% | 85% | 87% | 90% |
負荷50%のとき | 80% | 85% | 88% | 90% | 92% |
負荷100%のとき | 80% | 82% | 85% | 87% | 89% |
筆者は独自の各種保護回路や独自のヒートガード機能、ファンコントロール搭載の13.5cmファンを備え、古くから電源ユニットを生産しているENERMAX製NAXNシリーズの容量750Wモデル「ENM750AWT」をチョイスした。
24ピンやCPU用+12V、補助電源(6ピン+2ピン)のケーブルは、電源ユニット直結だが、そのほかのSerial ATA用電源ケーブルなどはモジュラータイプを採用なので、不要なケーブルがエアフローを妨げない。
ビデオカードやHDDなどに供給される+12V出力のラインは、2系統で出力は各々35Aになっている。ハイエンドGPUを搭載するビデオカードでのマルチGPU構築は厳しいが、「GeForce GTX 580」と「Core i7-2600K」を使ったパーツ構成ならば余裕でオーケーだ。
人に見せたくなるPCケースを目指す
筆者が独断で選んだ2011年前半Sandy Bridge自作にオススメの“長く使えるPCケース”こと、ENERMAX製HOPLITE ECA3222のフロントに装備されているLED搭載ファン「T.B.VEGAS DUO」の光があまりに綺麗だったので、ENERMAX国内代理店のリンクスインターナショナルにお願いして、トップとサイド分を貸してもらった。
なお、標準装備のT.B.VEGAS DUOはブルーとレッドの2色だが、ブルー、レッド、グリーンの3色のLEDを搭載する「T.B.VEGAS TRIO」シリーズもある。DUOとTRIOの大きな違いはLEDの色だが、T.B.VEGAS TRIOはファン回転数を自動制御するPWM機能を搭載しているのもポイント。マザーボードが複数のPWM対応4ピンコネクターを備えている場合は、T.B.VEGAS TRIOシリーズのほうが最適と言える。
※編集部注:記事は、自作PCの楽しさを伝えるために制作したものです。いたずらに電力を消費することを目的としたものではございません。計画停電実施期間中は節電のため、使わなくてもいいパソコンの電源はお切りくださいますよう、ご協力お願いいたします。
オマケのオマケ!? 風の流れを煙で見る!
ファンを増設したので、どのくらい風が流れているのか、煙の流れで見てみたのだが……。
煙が薄いのでちょっとわかりづらいが、HOPLITE ECA3222はフロントファンのすぐ後ろにSSD/HDDのドライブベイがあるため、ファンの延長線上にあるビデオカードには、直接風が当たらない感じだ。
SSD/HDDへの冷却効果は高いが、高発熱のハイエンドビデオカード搭載時は、排気を強化してサイドパネルの穴から風を吸気させるか、サイドに吸気ファンを取り付けるのが良いだろう。各種パーツは自腹で購入したのに、すっかり煙の臭いが染みついた喫煙室据置のようなマシンが完成してしまった。