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今こそモバイルセキュリティでの実績を生かすとき

スマホやタブレットを守れ!マカフィーのモバイル新製品

2011年03月14日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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3月11日、マカフィーは個人・企業向けのモバイル向けセキュリティ戦略と新製品を披露する発表会を開催した。増え続けるスマートフォンとタブレット向けのセキュリティを確保するため、幅広い製品群とサービスを提供する。

モバイルはハッカーの新しいフロンティア

 発表会においてCSB事業本部長 取締役常務執行役員 田中辰夫氏は、モバイルセキュリティの戦略について解説した。まず同氏はモバイル端末とセキュリティの関係について、「ビジネスの面でいうと、モバイル端末は業務生産性の向上に役立つ一方、データ漏えいやコンプライアンスの懸念を多分に含んでいる」と説明。スマートフォンやタブレットが激増している現状にあわせ、モバイル端末を狙う脅威も増えていると指摘した。

CSB事業本部長 取締役常務執行役員 田中辰夫氏

 同社の調査では昨年1年間でモバイル端末向けの脅威が46%増加しており、「どのOSも例外ではない。特にAndroidをターゲットにした攻撃の実例が次々見つかっている」(田中氏)という。田中氏は、機密情報を持ち出したり、すべての通話を終了してしまうマルウェアなどが増えている例を紹介。「PCに変わって主戦場となっているモバイル分野はハッカーにとってフロンティア。Androidのプラットフォームでは、すでにウイルスを作るためのテンプレートまである。」と警告を発した。また、モバイル端末の紛失・盗難も増えており、取得物だけで12万件(警視庁調べ)と過去最大になっているという。

モバイル端末向けの脅威が増えており、特にAndroidへの攻撃が激増

モバイル端末の紛失や盗難も過去最高になっている

 こうした現状に対して、マカフィーはモバイル向けのセキュリティ製品やサービスを強化する。もとより同社は10年近くモバイル分野での実績を持っており、2004年には世界初の携帯電話向けのウイルス対策サービスを開始。その後、ウイルス対策のみならず、モバイル向けのセキュリティ製品を拡充し、全世界で1億8000万台のモバイル端末を保護しているという。昨今では個人所有の端末をビジネスで利用するという例も増えつつあるが、マカフィーはこうした利用形態も想定する。田中氏は「ビジネスだけではなく、コンシューマ分野も含め、統合的なソリューションを提供できるのはマカフィーだけ」と述べる。今後は、こうしたモバイルセキュリティ分野を実績を元に、製品・サービスの拡充、パートナーとのビジネス開発、マーケティングを強化していくという。

マカフィーは長らくモバイル分野で実績を持っている

個人所有のモバイル端末をビジネスで使う場合にも対応

コンシューマとビジネスで両面の製品展開

 次にマカフィー モバイルエンジニアリング プロダクトマネージャー 石井克也氏がコンシューマ向けの製品である「McAfee VirusScan Mobile」と「McAfee WaveSecure」を紹介した。

マカフィー モバイルエンジニアリング プロダクトマネージャー 石井克也氏

 McAfee VirusScan Mobileはマルウェアのスキャンを行なうツールで、インストールやダウンロード時のリアルタイムスキャン、端末のファイルをすべて精査するオンデマンドスキャンが可能になっている。チャイナユニコム、SKテレコムやソフトバンクモバイルなどで導入実績を持っている。「PC版の縮小版か?と聞かれるが、それは違う。モバイル向けにゼロから作り直している」(石井氏)ということで、モバイル端末に最適化されたエンジンとデータベースを採用する。こちらは2010年12月よりAndroid版が提供されている。

McAfee VirusScan Mobileでのリアルタイムスキャンを披露

 もう1つはMcAfee WaveSecureという個人向けのサービスになる。これはデバイスの紛失に備え、アラームと位置情報追跡機能でデバイスを創作したり、リモートロックやデータ消去を実施したり、リモートバックアップを行なうといった機能が提供される。現在、16カ国の言語で提供されており、日本での提供は計画中となっている。

企業のモバイル端末セキュリティを一括で実現するEMM

 最後にマーケティング本部長の安藤浩二氏が、エンタープライズ向けの「Enterprise Mobility Management(EMM)」について説明した。EMMはiOS、Android、Windows Mobile、Symbianなど幅広いプラットフォームに対応したデバイス管理ソリューションで、2011年の4月から提供される。

マカフィー マーケティング本部長の安藤浩二氏

 安藤氏は現在1日に6万以上のマルウェアが発生しており、今後はモバイル分野での脅威が増えると予想されるものの、半数以上の社員がデバイスをロックしていないといった実態を紹介した。これに対して提供するのがEMMで、企業でのモバイル端末のセキュリティを容易に一括管理できるという。

 EMMが実現するのは、「モバイル端末のライフサイクルを管理できる」という点だ。モバイル端末を企業で利用するためのポリシーを作成・配布するプロビジョニング、安全に端末やアプリケーションを使うための二要素認証、ポリシーの管理、ネットワーク接続の管理、端末の利用状況の可視化、アプリケーションの管理などを統合的に行なえるというのが大きなメリットになる。

EMMで提供されるモバイルデバイス管理のライフサイクル

 EMMの一般構成としては、端末はエージェント、DMZにデバイス向けのポータルや接続管理を行なう専用プロキシ、社内の各サーバー接続を行なうハブサーバーが必要になる。ハブサーバーは社内のメールサーバー、ディレクトリサーバーやデータベース、コンソールとやりとりし、DMZ上のプロキシと連携する。

 4月に現行の英語版が出荷され、準備が整い次第日本語版を出荷。2011年の上半期には、バックエンドのシステムをクラウド化する計画もあるという。


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