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Symantec Endpoint Protection 12が今年夏以降登場

2014年のNo.1に向けパートナーと手を携えるシマンテック

2011年03月09日 09時00分更新

文● 渡邉利和

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3月8日、シマンテックは企業戦略説明会を開催し、2010年12月期の決算報告と今後の事業戦略について説明を行なった。5つのメガトレンドのうち、「セキュリティ脅威」と「データ急増」に対応したビジネスを今後も継続し、パートナーとの協業も推進するという。

セキュリティ脅威とデータ急増に対処

 説明を行なったシマンテックの代表取締役社長の河村 浩明氏は、まず「シマンテックが見る5つのメガトレンド」について紹介した。5つのメガトレンドとは、「モバイル」「クラウド」「仮想化」「セキュリティ脅威」「データ急増」で、IT業界全体に共通する大きなテーマだが、シマンテックはこのうちの「セキュリティ脅威」と「データ急増」に対応したビジネスを今後も継続し、重点的な投資を行なっていくという。

シマンテックの代表取締役社長の河村 浩明氏

 また、同社の基本戦略は、「水平展開」と「パートナーエコシステム」で特徴付けられる。水平展開とは、最近のIT業界のメジャープレイヤーが強力に推進している「オールインワンで、半導体からアプリケーション/サービスまでフルスタックですべてを自社単独で提供する垂直統合型ビジネス」と対比されるもので、特定の領域に絞ってさまざまなパートナーと協業していくモデルだ。

 シマンテックではミドルウェアの領域で、特にセキュリティソリューションとストレージ管理に絞って水平展開する、という取り組みを今後も堅持していくという。この戦略で重要なポイントして同氏は、「重要な領域を選ぶ」ことと「パートナーエコシステム」を挙げた。同社の事業領域であるセキュリティとストレージ管理は、前述の5つのメガトレンドに含まれるもので、適切なソリューションが望まれている重要領域であることは疑いない。また、パートナーとの協業について同氏は、特に重要なパートナーとしてテクノロジー面でのアライアンスパートナーであるVMware、HP、富士通、NEC、日立製作所を挙げた。

 同氏は、「本年度の重点施策」として、「ディストリビューション・チャネルのシェア向上」「OEMパートナー様へのエンベデッド・ソリューション」「Big Enterpriseにおけるビジネス強化」「クラウドサービス」の4点を挙げた。OEMパートナー向けの事業としては、PCベンダーに留まらず、テレコム/通信事業者へのソリューション提供の強化が打ち出されたのは、携帯電話やスマートフォン、モバイル端末のセキュリティがより重視されるようになってきた状況を受けたものだろう。また、クラウドサービスでは、クラウド事業者に対する製品/ソリューションの提供に留まらず、自社サービスとしてクラウド型(SaaS型)のサービス提供も手がけていくという。

 業績に関しては、2010年12月期の決算では、クローバルで5%の売り上げ成長だったのに対し、日本単独では19%の売り上げ成長を達成したといい、日本国内のビジネスで高い成長率を記録しているという。これを踏まえて同氏は、「2014年には売り上げを現状の2倍に引き上げる」という目標も語っている。

2010年12月期の決算では、日本単独で19%の売り上げ成長を達成

Endpoint Securityは12へ!今後の製品展開は?

 同氏はまた、2011年中に投入が予定される新製品の概要についても紹介を行なった。企業ユーザー向けのセキュリティ製品の主力となる「Symantec Endpoint Protection」の新バージョンである“12”(コード名Amber)は夏以降の発売を予定しているが、「ビヘイビア分析とレピューテーションの組み合わせによるゼロデイアタック防御」「仮想化環境に対応し、多数の仮想サーバーで重複するファイルのスキャンの無駄を省くシェアードインサイトキャッシュ」といった機能が盛り込まれるという。

多数の仮想サーバーで重複するファイルのスキャンを省くシェアードインサイトキャッシュ

 このほか、「Next Generation Mobile Network Protection」「モバイルエンドポイントセキュリティ・モバイルマネジメント」「ITセルフサービスバックアップ」「Enterprise Object Store(EOS)」「Symantec.Cloud」といった新製品/サービスが順次提供開始される予定だ。こうした新製品の投入により、「2014年にはセキュリティ、ストレージ、バックアップソフトでNo.1に」という目標が掲げられている。

Symantec.Cloudの概要

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