え? いきなり分解っスか?
LKV8000の本体は、127(W)×106(D)×35(H)mmと手のひらサイズの大きさ。ボディは厚みがあり、2.5インチHDD用の外付けケースよりも頑丈そうだ。その割にはとても軽く(270g)中身はスカスカなのではないかと勘ぐってしまう。見たところ、ネジを回せば簡単に開けられそうだったので、まずは分解してみることにした。
製品をレビューする前に分解ってのもどうかと思うが、このスカスカ感はどうしても不安を感じてしまう。自作PCの担当編集としての性なのか、ますは内部の基板を確認しないと気が済まないのだ。
基板には、思った以上に多数のチップやらコンデンサが載っていた。silicon image製のHDMIトランスミッターチップ「sil9034ctu」と、samsung製の64MBメモリが確認できるが、肝心なチップは刻印が消されており、怪しさ大爆発! 素敵すぎるぞこの製品。これが安さの秘訣なのだろうか?
PSPが全画面表示できない理由とは?
内部の基板は見なかったことにして、実際に出力する前にPSPの画面サイズについて解説しよう。
通常、PSPのゲーム画面をテレビに出力すると解像度は720×480ドットとなる。ところが実際にゲーム画面が表示されるのは中央の480×272ドットのため、その周囲には真っ黒な枠が表示される。テレビ側は720×480ドットで認識しているため、いくらテレビ側でズームやワイドといった画面設定をいじったところで、黒枠ごと拡大してしまうので、ゲーム画面だけを拡大することはできない。これがPSPのゲーム画面を全画面表示できないカラクリだ。
アダプターで480Pを720Pにアップスケール
ワイドdeポータブルPやLKV8000といったアダプターは、中央の480×272ドットだけを抽出している。これをSDテレビ(720×480ドット)で全画面表示するには画面4つ分、つまり4倍に拡大、フルHD(1920×1080ドット)では実に16倍に拡大して表示していることになる。画質は搭載されているアップスキャンコンバーターの質にもよるが、当然画面を拡大すればするほど、映像は眠たくなる(粗く見える)ので、普段PSP本体の液晶で見ている画質がそのまま大画面で再現されるわけではない。なのでHDMI出力だからといって画質を期待するのは見当違い。この製品はあくまで大画面でゲームを楽しむためのものだ。
ちなみに、EIZOの液晶モニター「FlexScan HD2452W」や東芝のテレビ「REGZA」シリーズの一部にも、PSPのゲーム画面を全画面で表示する機能が搭載されているが、それらも全画面化の原理は同じだ。
期待してはいけないと分かっていても
気になってしまう画質をチェック!
難しい話はこれくらいにして、PSPの画面を37インチのフルHDテレビに映し出してみよう。通常の画面出力と全画面出力とでは、どれくらい迫力や画質が違うのかを見比べてもらいたい。ゲームは、動きの激しい3Dアクションゲーム「モンスターハンター ポータブル3rd」 と、静止画主体のアドベンチャーゲーム「俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル」を用意した。
なお比較画像は、テレビ側の映像をキャプチャーしたものではなく、テレビ画面を直接デジタルカメラで撮影したものだ。実際の見た目と若干色味などが違うかもしれないが、だいたいの雰囲気は伝わるだろう。
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