あのクーラーは2冠なるか!?
CPUクーラー2010年発売モデル最強王座はどれだ?【第4回】
2011年02月18日 12時00分更新
2010年の王者に輝くのは!?
それではエントリー製品をすべて見通して2010年王者をチョイスしたい。今回のテストではCPU高負荷状態で43℃以下になるものがハイエンドクラスと言えるだろう。この数値であればハイエンドCPUをキツキツにオーバークロックしても、冷却面での心配はない水準である。
全29製品の中で43℃以下をマークしたのは11製品と全体の約4割近くで、CPUクーラーのハイエンド化が進んでいることがうかがえる結果となった。その中でも注目したいのは、30℃台に突入したサイズの「忍者参」とZALMANの「CNPS9900 MAX」の2製品だ。どちらもハイエンドクーラーで知られた製品の後継モデルだけに、着実に改良が施されている証明である。
ただ、この2製品に優劣をつけるのは難しい。「忍者参」はファンレス運用という使い方もあるが、なにぶん本体が巨大なためマザーボードやメモリによっては干渉して取り付けられない場合がある。「CNPS9900 MAX」は干渉する可能性は低いがファンが交換できないというように、どちらも一長一短という具合だ。そこで今回はこの2製品を同時グランプリに推挙することにする。
次点にはCorsairの「A70」をチョイスする。冷却能力もさることながら、標準でファンが2個付属することや実売価格4000円前後というコストパフォーマンスの高さという点も優れている。
その他には、静音志向ユーザーにはThermalrightの「Archon」を推薦したい。高負荷時で40℃と高冷却でありながら、ファンノイズは他製品のアイドル時並みだ。よく冷えても轟音では意味がないという人に狙い目である。
最もユニークに感じたのはNoctuaの「NH-C14」だ。高めの冷却力を持ちながら、ファンを片方外せばロープロファイルマシンにも対応できる柔軟性を評価したい。
最後に、今回のエントリー製品の傾向をおさらいする。これまではリテールクーラーを一周り大きくした中型製品やロープロマシン向けの製品がそれなりにあったのだが、今回のエントリー製品を見るとこういったものはごく少数になり、全体的に大型化が浸透しつつある。
これは、インテル系CPUがチップセットやGPUの機能を統合したことで全体的にTDPが上昇したことが影響しているのだろう。今年はAMD系CPUもGPU機能を統合するので、CPUクーラーの大型化は今後も進むと思われる。
中型クラスの製品が欲しい人は、去年の記事も参考にして現在流通している製品を通してチョイスする必要があると言えるだろう。
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