シネマDSPのゲームモードで別次元の3Dを体感
今回プレイしたゲームは、スクウェア・エニックスより昨年12月に発売された「コール オブ デューティ ブラックオプス」(吹き替え版)。一人称視点の戦争アクションゲームで、王道のFPSゲームだ。プレイヤーキャラクターが画面に現われる三人称視点(TPS)と違って、自分の目で見ているような視点でゲームが展開するため、3D映像との相性も抜群だ。
まずはゲームを起動して、設定を切り換えよう。3D対応ゲームでも、多くの場合はデフォルト設定が“2D表示”となっているためだ。オプション画面で3D表示をオンにするほか、オーディオ設定では出力するスピーカーを「シアター」に変更。これでより迫力のあるサウンドが楽しめるようになる。
さあ、いよいよプレイ。ゲーム序盤の草むらをかきわけて進むときの間近の草と、その向こうに見える敵兵の距離感がリアル。なんといっても迫力があるのは、ヘリコプターからの懸垂降下や高い崖を駆け下りるときの高度がひときわ高く感じること。高所恐怖症の人だとプレイに支障が出るのではないかと思えるほどの高さ感だ。
しかし、それ以上に迫力があるのが7.1chサラウンドで展開するサウンドのリアリティ。銃弾のリアルな音はもちろんだが、右手方向から迫る敵の銃弾はしっかり右から聴こえるので、突然現われた敵にも反応しやすい。
また、ミッションによっては敵の本拠地を占拠し、最後は施設を爆破するものがあるが、爆薬をしかけた後に敵の包囲網を抜けて脱出すると、後方で大爆発の音が広がる。これはもう危機一髪の脱出劇で、まさに仮想現実と言っていいほどのリアルさを感じた。
そして、本機はヤマハ独自の「シネマDSP」により、好みに合わせてサラウンドモードを選択できる。「ゲームモード」を試してみると、各チャンネルから出てくる音がより明瞭になり、左右や後方からの銃撃音などの音の出てくる位置がはっきりとわかる。
もちろん、一緒に戦う味方キャラクターの会話もよく聴こえる。この味方の会話はえてしてゲームのヒントや解決のためのポイントを教えてくれるものなので、こうした声がしっかり聴こえるのはプレイしていて安心感がある。もちろん、横に並んで会話をするときには声が横から聴こえるので臨場感も満点。
ちなみに、アクション映画などに適した映画用の「アドベンチャー」も試してみたが、こちらは銃撃音が迫力を増し、爆発音の重量感もかなりのもの。迫力たっぷりではあるのだが、そのせいか銃撃音の方向はだいたい右くらいといった感じで少々曖昧になりがち。映画を見るような気分で楽しむならばこっちだが、初めてのミッションをプレイするときはゲームの方がやりやすいと感じた。
こうして夢中になってプレイをしていると、3D映像はまさに3D映画的な臨場感で、奥行きのある映像になったが、3D映像ならばプレイが容易になるといった印象はあまり感じられなかった。ところが、7.1chサラウンドの方はさまざまな音の方向がはっきりすることで、プレイの手助けになるし、なんといっても「自分がベトナム戦争のあの密林の中に居る!」といった臨場感をリアルに感じる。
また、ゲームが進行すると、ロシア(旧ソビエト)のロケット発射場や、香港の九龍城の雑居ビル内で戦闘するなど、さまざまな場所へ舞台を移すが、寒風吹きすさぶ凍てついた大地の雰囲気や、雑居ビル内に響く自分の足音や敵兵の声など、さまざまな音が実にリアル。時折聴こえるプレイヤーキャラクターのものと思われる荒い息づかいに合わせて、自分も同じ息づかいをしてしまっていたりする。
この臨場感は、これまでのゲーム体験とは別次元の体感だ。3Dテレビを買った人は、映画などの3Dソフトが思ったよりも数が少なく、物足りないと思っているだろうが、ぜひとも3Dゲームにも手を伸ばしてもらいたい。
最新の3Dゲームにはやっぱりサラウンドが必須
冒頭で、3D映像でゲームをするならばサラウンドシステムは必須、と書いたが、今回実際に体験してみて、それが裏付けられた感じがした。
手軽に本格的な7.1chサラウンドが楽しめるヤマハの「YSP-2200」と一緒に3Dゲームをプレイすれば、あなたのゲーム人生がもっと充実すること間違いナシだ!