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あなたの知らないWindows 第45回

Silverlightをさらに進化させる「Silverlight 5」

2011年02月03日 12時00分更新

文● 山本雅史

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強化されたグラフィックス機能の例。人物の3DCGはマウスで簡単に見る角度を変えられる。さらに筋肉や骨、内臓といったレイヤーでも表示可能

 このほかに、現行バージョンの「Silverlight 4」でサポートされた「アウトオブブラウザー」機能も、Silverlight 5で拡張された。アウトオブブラウザー機能とは、ウェブブラウザーを使わなくてもSilverlightのアプリケーションを動かすことができる機能のことだ。「Adobe AIR」と似たようなものと言える。

 Silverlight 5では、「信頼済みのアウトオブブラウザーアプリケーション」から、アンマネージのプログラム(.NETではないネイティブプログラム)や、Win32 APIが簡単に呼び出せるようになっている。ただし、この機能はセキュリティーとも関連するので、プログラムで使う際には慎重に利用する必要がある。Silverlightアプリケーションから、OSにフルアクセスも可能になるため、悪用されるとセキュリティーホールとなるからだ。

 ほかにも、Silverlight 5ではIE9の新しいハードウェアアクセラレーション機能をサポートしているため、Silverlight+IE9ならば、Windows 7以外でもハードウェアアクセラレーションを利用することができる。GPUサポートだけでなく、Silverlight側のコードを見直すことで、性能も向上している。

 さらに今までは、32bit版ウェブブラウザー上でしかSilverlightが動作しないという制限があったのだが、Silverlight 5からは、64bit版ブラウザー上でも動作するように改良されている。

Silverlight 5正式版のリリースは年内

Silverlight 5のβ版は、4月に開催されるWeb開発者向けのイベント「MIX11」でリリースされる。2011年内には正式版が公開される予定だ

 Silverlight 5の新機能を見ていると、マイクロソフトはSilverlightを、アプリケーション開発のフレームワークとして積極的に利用してようと考えているようだ。なぜなら、Silverlightを使えばWindows 7だけでなく、Windows Phone 7やMacなどでも動作するアプリケーションを開発できるからだ(もちろんARM版Windowsでも)。もしかすると将来的には、Xbox 360やAndroidなどでもSilverlightが動作するようになるかもしれない。

 さて肝心のリリーススケジュールだが、Silverlight 5は4月に米国ラスベガスで開催されるマイクロソフトのウェブ開発者向けのイベント「MIX11」でβ版がリリースされる予定だ。そして2011年内には、正式版が提供されるというスケジュールになっている。

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