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リクルートもfoursquare風サービス、食べログに対抗

2011年02月02日 10時00分更新

文●小橋川誠己/Web Professional編集部

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 「foursquare」に代表される位置情報サービスにリクルートが参入する。新サービスRecoCheck(レコチェック)を2月1日に立ち上げ、専用iPhoneアプリの配布を開始。4月上旬にはAndroid版も公開する予定で、2012年3月には「国内ナンバーワンサービスを目指す」という。

リクルートが発表した「RecoCheck」

違いは「ソーシャルレコメンド」、Twitterのソーシャルグラフを活用

新サービスの概要を説明するリクルートの菊池保人エグゼクティブマネージャー

 RecoCheckは、GPS機能を搭載したスマートフォンを使って地点情報を共有するサービス。付近にある店舗や公共施設などの地点に“チェックイン”する操作はfoursquareなどの類似サービスと同じだが、違いは「ソーシャルレコメンド」を目的にしている点だ。具体的には、「おすすめメニュー」「価格」「5段階評価」や写真画像をチェックイン時に投稿し、共有する「レビュー機能」に重きを置いており、自分の友人が勧める飲食店を調べる、といった使い方を想定している。

 利用開始にあたってユーザー登録が必要ないのも売りだ。RecoCheckはTwitterアカウントだけで利用でき、RecoCheck内での「友人」もTwitterのフォロー/フォロワー関係をそのまま利用する仕組み。「すでにできあがっているソーシャルグラフを持ち込めるようにした」とリクルート MIT Unitedインターネットマーケティング室の菊池保人エグゼクティブマネージャーは説明する。

 チェックインできる場所(スポット情報)は、リクルートが運営する「ドコイク?」のデータベースを活用。当初から400万件の情報を揃え、ユーザーがスポット情報を登録する手間を軽減している。

RecoCheckのiPhoneアプリの画面。チェックイン操作は同じだが、レビューの共有に重きを置く


当面はユーザーの獲得に専念

 RecoCheckがソーシャルレコメンドをコンセプトにし、利用開始のハードルを極力低くしているのは、短期間になるべく多くのユーザーを集め、“実店舗への送客装置”に育てるためだ。菊池氏は「当面はユーザーの獲得に専念する」「収益化は現段階では未定」と話すが、将来的にはリクルートが得意とする、店舗から情報掲載料を徴収する収益モデルで事業化したい考え。

 “チェックイン型”の位置情報サービスは、海外ではfoursquareがユーザー数600万人を突破する一方、国内では「コロプラ」のような“位置ゲー”を除けばほとんど盛り上がっていないのが現状だ。ロケタッチやはてなココのユーザー数はそれぞれ2万~4万人程度にとどまっており、単体で収益化できるほどのサービス規模には至っていない。

 さらに、今春にはヤフーが準備を進めている「Yahoo!ロコ」関連記事)のローンチが控えている。ロコはチェックイン型ではないものの、店舗側から情報掲載料を徴収し、Webから店舗へ送客する点でRecoCheckと競合する。

 「他のサービスが“ゲーム性”を打ち出しているのに対して、RecoCheckはあくまでも“利便性”を追求したい」(菊池氏)というRecoCheckのコンセプトがユーザーにどこまで受け入れられるかが注目だ。

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