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ストレージにかかるコストを削減

富士通、ストレージをスリム化するソフトウェア技術を開発

2011年02月02日 06時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 2月1日、富士通は、ブロックストレージを対象にソフトウェアのみでデータの保存と同時に重複するデータを除去する技術を業界で初めて開発したと発表した。

仮想環境でのストレージ

 これにより、運用中のストレージに格納された複数の仮想マシンのOSデータを含め、さまざまなデータの重複部分を除去することが可能となり、たとえば仮想マシンのデータが10個ある場合には容量を約10分の1にスリム化できるという。さらに、ストレージの有効活用やコスト低減が実現するとしている。

 開発した技術の特徴は以下の通り。

データを瞬時に検索するアルゴリズム

重複検索技術

 書き込むデータが、すでにストレージに格納されたデータと重複していないかを瞬時に判断し、新規のデータのみをストレージに書き込む。

 また、重複しているかどうかを効率的に判断する手法としてブルームフィルターがあるが、本技術ではブルームフィルターを検索にも対応させ、重複の判断とともにデータの保管場所の検索も瞬時に処理できるようにした。

 この技術により、検索に必要な処理量を大幅に削減し、ソフトウェアだけでデータ保存と同時に重複除去を行なうことを可能となった。

ブロックストレージ対応でさまざまなOSに対応可能

重複除去技術と仮想環境の関係

 ブロックストレージを対象としてソフトウェアのみで処理をして、さまざまなOSを用いる仮想環境でも利用可能とした。仮想環境では、それぞれのOSが割り当てられたブロックストレージにデータを書き込むが、新開発の技術ではすべてのブロックストレージの中で重複するデータを除去してからデータを書き込む。そのため、OSからは意識することなく利用できるという。

 同社では、実用化に向けた開発を進め、データセンターでの活用など、数年以内の実用化を目指して取り組んで行くとしている。なお、本技術の一部は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)委託の「グリーンITプロジェクト ストレージシステム向け省電力技術の開発」の成果となる。

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