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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第26回

32bit信号処理と第4世代「ダイレクト エナジーHDアンプ」搭載

格闘系AVマニアに贈る逸品! パイオニア「SC-LX83」(前編)

2011年02月02日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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 今回はパイオニアの高級AVアンプ「SC-LX83」を取り上げる。実売価格はおよそ30万円とかなり高価な機種だが、当然それにふさわしい内容を備えたモデルに仕上がっている。

 昨年の10月に発売されたモデルで新製品というわけではないが、個人的に気になっていた機種である。


※編注:今回のSC-LX83は筆者が「昨年から気になっていた」という機種のためか、原稿がかなり長く(特に後半はディープに)なっております。そのため、前後編の2回に分けて掲載いたします。後編は2月上旬掲載予定。

外観は変わらないが中身は大きく進化

本体前面。デザインは従来機と共通で、型番やロゴなどが多少異なるのみ。ちなみに、同社のAVアンプはいずれもデザインテイストが揃っているが、同社とICEpower.社が共同開発した「ダイレクト エナジーHDアンプ」搭載の「LX83」と「LX73」では、入力セレクターとボリュームが上側に配置されている

 まずは本機の外観から見ていこう。前面のデザインは従来機とほぼ同じで、製品の型番を見ないと違いはわからない。しかし、背面を見てみるとその配置が大きく変わっている。

本体背面の入力端子群は大幅にレイアウトが変わった。主な違いとしては、HDMI入力が5系統に増えたこと(前面のHDMI入力を加えると計6系統)。反面、D端子やSビデオ端子が潔く省略されている

本体背面の入力端子群は大幅にレイアウトが変わった。主な違いとしては、HDMI入力が5系統に増えたこと(前面のHDMI入力を加えると計6系統)。反面、D端子やSビデオ端子が潔く省略されている

 スピーカー出力端子は配置こそほぼ同様だが、新たにフロントハイ/フロントワイド用のスピーカー端子が追加され、9ch分の出力端子を持つ。パワーアンプは7chなので、サラウンドバックとの排他利用になるが、フロントハイスピーカーなどを使うときにいちいち配線を差し替えずに済むわけだ。

 もうひとつの違いは、映像系/デジタル系の入力端子の配置。従来機ではタテ並びで配置されていたが、本機では最上段にヨコ並びで配置されている。この変化は、内部の基板配置が大きく変更されたことを意味している。天板を開けてみるとわかりやすいが、多くのAVアンプではそれぞれの端子の配列がそのまま処理基板の配置と一致しているのだ。

 SC-LX83では、最上位モデルである「SC-LX90」(実売価格およそ88万円、関連記事)の設計思想を継承し、パワー部とプリ部を分離。パワーアンプ部は内部で専用シャーシーにより独立配置され、一体型ながらもセパレート化による相互の影響の排除を追求している。

 また、映像処理/デジタル処理系の回路は、後述する数々の高音質・高画質技術の新採用に加えて、基板と基板の接続をコネクターによる直付けとして、配線長を従来の約2/3にまで短縮。低ノイズ化を徹底している。

 一見するとあまり変化がないように思えるが、これだけで内部的にはかなりの進化が図られているであろうことがわかる。

付属のリモコンは、ボタンの配置などはほぼ共通ながら、液晶ディスプレーが大型化され、無線送信モードではAVアンプ側ディスプレーの情報もリモコン側に表示することが可能になっている

 そして、付属のリモコンが無線にも対応し、使い方に合わせて無線通信と赤外線通信を選択できるようになった。従来どおり学習機能付きの多機能リモコンとしても活用でき、付属のRFアダプターを使って、接続したディスプレーなどを赤外線通信で操作できる。

薄型テレビやBDレコなど、接続した機器を赤外線で操作できるRFアダプターが付属。最大4台まで接続機器のコントロールが可能だ

薄型テレビやBDレコなど、接続した機器を赤外線で操作できるRFアダプターが付属。最大4台まで接続機器のコントロールが可能だ

 さらに、操作系では同社のiPhone用アプリ「iControlAV」(無料)による操作にも対応。アプリをダウンロードすれば、iPhoneなどを使ってタッチパネルによる直感的な操作も行なえる。

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