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Sandy Bridgeで組む予算別オススメパーツ構成 第3回

15万円で組むSandy Bridge自作PC

2011年02月04日 12時00分更新

文● 山県

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プランA
最新「GeForce GTX 560 Ti」採用のゲーミングPC

 まずは、以下のスペック表を確認しながら話を進めていこう。

プランA「GeForce GTX 560 Ti採用のゲーミングPC」
CPU Intel「Core i7-2600K」 約2万9000円
マザーボード ASRock「Fatal1ty P67 Professional」 約2万6500円
メモリー DDR3-1333 4GB×2枚セット(バルク) 約6000円
ストレージ1 Crucial「RealSSD C300」(64GB) 約1万1000円
ストレージ2 WesternDigital「WD20EARS」(2TB) 約6500円
光学ドライブ Pioneer「BDR-206BK」 約1万2000円
ビデオカード GeForce GTX 560 Ti 約2万8000円
電源 SilverStone「SST-ST75F-G」(750W) 約1万6000円
PCケース CoolerMaster「HAF 912 Advanced」 約1万6000円
合計金額   約15万1000円

 予算制限を15万円に設定したプランAの構成表。CPUやマザーボードにはシリーズ最上位モデルを採用。SATA3.0対応SSDやBlu-ray読み書き対応のドライブを搭載し、VGAには1月下旬に発売されたばかりの「GeForce GTX 560 Ti」を採用しているのがミソ。厳密には1000円オーバーとなっている気もするが、誤算の範囲としてご勘弁いただきたい。

マザーボード

 CPUに続いてマザーボードでも、シリーズハイエンドモデルとなるASRock製の「Fatal1ty P67 Professional」を選んだ。マルチGPUは当然CrossFire XとSLIを両サポート。オンボードインターフェイスにはIEEE1394や6ポートのUSB3.0を搭載し、デュアルギガビットイーサネットに対応している。SATA3.0も標準の2ポートに加え、Marvell製「88SE9120」コントローラ×2による4ポートが追加されるなど、文句のつけようがない仕様となっている。

今回お勧めする「Fatal1ty P67 Professional」は、Sandy Bridge対応マザーの中では1、2を争う人気モデルとなったASRock製のハイエンドモデルだ。ハッキリ言って従来のASRockにあった“変態”というイメージは皆無

 さらに、マウス専用ポート“Fatal1ty Mouse Port”を搭載。これにより、自分の好みに合わせてマウスポーリングレートを125Hzから1000Hzの間で調整可能というユニークなギミックまで持ち合わせている。
 そんなASRock自信の一枚は、発売当初から売れ行きも好調で、今回新たに同社製マザーを選択しているユーザーも多いと聞く。ここは従来の定番メーカーからあえて外れて、今後の主流メーカーのひとつとなりそうなASRockを選択してみるのはいかがだろうか。

パッケージからして以前の面影はなくなり、完全に一流メーカーの雰囲気を醸し出している。「2011年に来るメーカー」として挙げるショップ関係者が多い、買って納得の一枚だ

メモリ/ストレージ

 メモリは前回(10万円コース)同様、4GB×2枚セットとした。正直なところ、予算の都合さえつけば、さらに倍の計16GB構成としたいのはやまやまであるのだが、プラス6000円は構成上あきらめざるを得なかった。PCの用途によっては、他カテゴリーを削っても、こちらに回すというパターンもアリだろう。
 また、今回こだわったのがストレージだ。5万円、10万円コースのPCでは実現が難しかったSSDの導入にようやく成功した。それもP67チップセット搭載マザーボードの実力を余すことなく引き出せる、SATA3.0対応モデルの採用だ。
 容量は64GBモデルとはいえ、起動ドライブとしてバリバリ活躍してくれるはず。さらに2TBのHDDを用意したので、ストレージ関連については、ほぼ満足な構成となったのではなかろうか。その他、SSD複数使用によるRAID構成や、HDDの増設などは今後の強化ポイントとして残しておきたい。

発売当初に比べれば、かなり低価格となったCrucial「RealSSD C300」シリーズ。64GBなら約1万円で購入可能となり、SATA3.0環境なら是非とも導入したいアイテムとなった。高速化を如実に実感できるパーツのひとつでもある

光学ドライブ

 光学ドライブには、Blu-ray読み書き対応の定番モデルであるPioneer「BDR-206BK」をチョイス。「Pioneerなら、ここは独自機能が豊富なリテール版でしょう」という声も聞こえてきそうで、筆者もそのうちの一人だったりするのだが、あくまで15万円というルールに沿っているので致し方なし。あくまでPioneerブランドにこだわった結果として受け止めていただきたい。
 もちろん、Blu-rayは読み込みだけで十分といったユーザーも多いはず。そんな人たちにとっては、またとない節約ポイントとなるカテゴリーで「浮いた予算を他のパーツにつぎ込む」というのも、」まったくもって間違いではない。

「読み書き対応ならコレが一番人気ですね」と話すショップも多いPioneer「BDR-206BK」。ベゼルカラーや付属ソフトの違いにより、細かく価格が異なるあたりはいかにもバルク版といったところ。リテールへのこだわりがないのであれば、こちらで十分だ

ビデオカード

 プランA、Bともに最大の悩みどころとなったのが、このビデオカードだ。前回の10万円編では「Radeon HD 6850」と「GeForce GTX 460」を候補に挙げたわけだが、さらに上のモデルとなると、Radeonなら「Radeon HD 6950/6970」、GeForceなら「GeForce GTX 570/580」(GTX 465/470/480があるとはいえ、旧モデルなので除外)となってしまう。特に後者のGeForceでは、いわゆる2万円後半のミドルハイクラスに位置するビデオカードがなかったために、非常に困っていたわけだ。
 ところが、あれこれと悩んでいるうちに「GeForce GTX 560 Ti」なる、すべての問題を解決へと導いてくれそうなビデオカードが出現(1月25日に正式発表)。これ幸いと、プランAのお勧めカードはGeForce GTX 560 Ti搭載製品とさせてもらった。

1月25日に正式発表され、直後から販売がスタートした「GeForce GTX 560 Ti」搭載ビデオカード。予算は約2万8000円を確保しているが、製品によっては2万4000円前後の価格で販売されている。オリジナルデザインを採用した製品が多く、好みのモデルをじっくり選んで購入したい

 表では予算約2万8000円を確保しているが、製品によっては2万4000円前後の価格で販売されているものもある。「GeFoce GTX 470」の置き換わり、もしくは「GeFoce GTX 570」の下位モデルとしてのポテンシャルの高さも文句なしで、この時期ぜひお勧めの1枚といえる。

GALAXYから発売された「GF PGTX560TI-OC/1GD5 SURIKEN」(写真上)と「GF PGTX560TI-SPOC/1GD5 WHITE」(写真下)。どちらもオーバークロック仕様の製品で、採用ファンもオリジナル仕様となる

GAINWARDから発売された3スロットを占有する大型クーラー採用モデルの「GTX560 Ti 1GB PHANTOM」。コア/メモリクロックは835MHz/4100MHzにオーバークロックされている

ケース/電源

 プランAのまとめが近づいてきた。まずは電源ユニット。ここでのこだわりポイントは1点。10万円編が80PLUS SILVER認証なら、15万円編はやはりワンランク上の80PLUS GOLD認証を目指すという点だ。個人的には、SILVERだろうがGOLDだろうか、しっかりと安定した作りの製品であれば文句もないのだが、その指標のひとつとして、同プログラムが導入されているのも確かである。ここは素直に、80PLUS GOLD取得済みの製品から選択していきたいと思うが、ここでもカベとなるのが予算の制限だ。
 そこでお勧めしたいのがSilverStone製の「STRIDER Gold」シリーズ。発売当初より、その安価な価格設定が話題となった製品で、現在も750Wモデルが約1万6000円前後で購入可能だ。80PLUS GOLD電源としては非常に低価格なモデルとなっている。今回は迷わず、同電源ユニットを選択することにした。

SilverStoneの80PLUS GOLD取得済み電源ユニット「STRIDER Gold」シリーズ。発売当初より、その価格設定が話題となった製品で、今でもそのお買い得感は健在。今回のような企画にはぴったりの製品だ

 ケースは比較的自由度が高いカテゴリーとなりそうだ。というのも予算に約1万6000円を確保した場合、かなりの種類のPCケースが購入可能となるからだ。一応ビデオカードに「GeForce GTX 560 Ti」を選択しているので、ビデオカードがきちんと収まるケースを選ぶ必要はあるが、「GeForce GTX 580」のようにカードの長さまで気を使う必要はない。予算も配分次第で、好みのケースを選択してほしい。
 ここでは、約1万6000円のオススメケースとして、昨年末に発売となったCoolerMasterの「HAF 912 Advanced」を挙げようと思う。同社の高エアフローケース「HAF」シリーズの廉価版という位置付けながら、エントリーモデルの製品としてのポテンシャルは非常に高い。10万円編のオススメケースとして挙げた「CM 690II Plus」の上位を確実に行くケースとして、ハイエンド構成もしっかりと受け止めてくれるだろう。

ハイエンドミドルタワーケースとしては小型のサイズながら、高いエアフローを実現したというCoolerMaster製の「HAF 912 Advanced」。予算に約1万6000円を確保できるのなら、お勧めしたいケースのひとつである

(次ページへ続く)

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