プランA
最新「GeForce GTX 560 Ti」採用のゲーミングPC
まずは、以下のスペック表を確認しながら話を進めていこう。
プランA「GeForce GTX 560 Ti採用のゲーミングPC」 | ||
---|---|---|
CPU | Intel「Core i7-2600K」 | 約2万9000円 |
マザーボード | ASRock「Fatal1ty P67 Professional」 | 約2万6500円 |
メモリー | DDR3-1333 4GB×2枚セット(バルク) | 約6000円 |
ストレージ1 | Crucial「RealSSD C300」(64GB) | 約1万1000円 |
ストレージ2 | WesternDigital「WD20EARS」(2TB) | 約6500円 |
光学ドライブ | Pioneer「BDR-206BK」 | 約1万2000円 |
ビデオカード | GeForce GTX 560 Ti | 約2万8000円 |
電源 | SilverStone「SST-ST75F-G」(750W) | 約1万6000円 |
PCケース | CoolerMaster「HAF 912 Advanced」 | 約1万6000円 |
合計金額 | 約15万1000円 |
予算制限を15万円に設定したプランAの構成表。CPUやマザーボードにはシリーズ最上位モデルを採用。SATA3.0対応SSDやBlu-ray読み書き対応のドライブを搭載し、VGAには1月下旬に発売されたばかりの「GeForce GTX 560 Ti」を採用しているのがミソ。厳密には1000円オーバーとなっている気もするが、誤算の範囲としてご勘弁いただきたい。
マザーボード
CPUに続いてマザーボードでも、シリーズハイエンドモデルとなるASRock製の「Fatal1ty P67 Professional」を選んだ。マルチGPUは当然CrossFire XとSLIを両サポート。オンボードインターフェイスにはIEEE1394や6ポートのUSB3.0を搭載し、デュアルギガビットイーサネットに対応している。SATA3.0も標準の2ポートに加え、Marvell製「88SE9120」コントローラ×2による4ポートが追加されるなど、文句のつけようがない仕様となっている。
さらに、マウス専用ポート“Fatal1ty Mouse Port”を搭載。これにより、自分の好みに合わせてマウスポーリングレートを125Hzから1000Hzの間で調整可能というユニークなギミックまで持ち合わせている。
そんなASRock自信の一枚は、発売当初から売れ行きも好調で、今回新たに同社製マザーを選択しているユーザーも多いと聞く。ここは従来の定番メーカーからあえて外れて、今後の主流メーカーのひとつとなりそうなASRockを選択してみるのはいかがだろうか。
メモリ/ストレージ
メモリは前回(10万円コース)同様、4GB×2枚セットとした。正直なところ、予算の都合さえつけば、さらに倍の計16GB構成としたいのはやまやまであるのだが、プラス6000円は構成上あきらめざるを得なかった。PCの用途によっては、他カテゴリーを削っても、こちらに回すというパターンもアリだろう。
また、今回こだわったのがストレージだ。5万円、10万円コースのPCでは実現が難しかったSSDの導入にようやく成功した。それもP67チップセット搭載マザーボードの実力を余すことなく引き出せる、SATA3.0対応モデルの採用だ。
容量は64GBモデルとはいえ、起動ドライブとしてバリバリ活躍してくれるはず。さらに2TBのHDDを用意したので、ストレージ関連については、ほぼ満足な構成となったのではなかろうか。その他、SSD複数使用によるRAID構成や、HDDの増設などは今後の強化ポイントとして残しておきたい。
光学ドライブ
光学ドライブには、Blu-ray読み書き対応の定番モデルであるPioneer「BDR-206BK」をチョイス。「Pioneerなら、ここは独自機能が豊富なリテール版でしょう」という声も聞こえてきそうで、筆者もそのうちの一人だったりするのだが、あくまで15万円というルールに沿っているので致し方なし。あくまでPioneerブランドにこだわった結果として受け止めていただきたい。
もちろん、Blu-rayは読み込みだけで十分といったユーザーも多いはず。そんな人たちにとっては、またとない節約ポイントとなるカテゴリーで「浮いた予算を他のパーツにつぎ込む」というのも、」まったくもって間違いではない。
ビデオカード
プランA、Bともに最大の悩みどころとなったのが、このビデオカードだ。前回の10万円編では「Radeon HD 6850」と「GeForce GTX 460」を候補に挙げたわけだが、さらに上のモデルとなると、Radeonなら「Radeon HD 6950/6970」、GeForceなら「GeForce GTX 570/580」(GTX 465/470/480があるとはいえ、旧モデルなので除外)となってしまう。特に後者のGeForceでは、いわゆる2万円後半のミドルハイクラスに位置するビデオカードがなかったために、非常に困っていたわけだ。
ところが、あれこれと悩んでいるうちに「GeForce GTX 560 Ti」なる、すべての問題を解決へと導いてくれそうなビデオカードが出現(1月25日に正式発表)。これ幸いと、プランAのお勧めカードはGeForce GTX 560 Ti搭載製品とさせてもらった。
表では予算約2万8000円を確保しているが、製品によっては2万4000円前後の価格で販売されているものもある。「GeFoce GTX 470」の置き換わり、もしくは「GeFoce GTX 570」の下位モデルとしてのポテンシャルの高さも文句なしで、この時期ぜひお勧めの1枚といえる。
ケース/電源
プランAのまとめが近づいてきた。まずは電源ユニット。ここでのこだわりポイントは1点。10万円編が80PLUS SILVER認証なら、15万円編はやはりワンランク上の80PLUS GOLD認証を目指すという点だ。個人的には、SILVERだろうがGOLDだろうか、しっかりと安定した作りの製品であれば文句もないのだが、その指標のひとつとして、同プログラムが導入されているのも確かである。ここは素直に、80PLUS GOLD取得済みの製品から選択していきたいと思うが、ここでもカベとなるのが予算の制限だ。
そこでお勧めしたいのがSilverStone製の「STRIDER Gold」シリーズ。発売当初より、その安価な価格設定が話題となった製品で、現在も750Wモデルが約1万6000円前後で購入可能だ。80PLUS GOLD電源としては非常に低価格なモデルとなっている。今回は迷わず、同電源ユニットを選択することにした。
ケースは比較的自由度が高いカテゴリーとなりそうだ。というのも予算に約1万6000円を確保した場合、かなりの種類のPCケースが購入可能となるからだ。一応ビデオカードに「GeForce GTX 560 Ti」を選択しているので、ビデオカードがきちんと収まるケースを選ぶ必要はあるが、「GeForce GTX 580」のようにカードの長さまで気を使う必要はない。予算も配分次第で、好みのケースを選択してほしい。
ここでは、約1万6000円のオススメケースとして、昨年末に発売となったCoolerMasterの「HAF 912 Advanced」を挙げようと思う。同社の高エアフローケース「HAF」シリーズの廉価版という位置付けながら、エントリーモデルの製品としてのポテンシャルは非常に高い。10万円編のオススメケースとして挙げた「CM 690II Plus」の上位を確実に行くケースとして、ハイエンド構成もしっかりと受け止めてくれるだろう。
(次ページへ続く)
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