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アニメファンならぜひ行きたい!聖地巡礼ツアー 第11回

1日でどれだけ回れるか!? 関東の聖地を電車で限界巡礼

2011年02月02日 20時00分更新

文● 小野坂 怜

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第10ポイント:三鷹駅(16時05分)

 さて、16時も過ぎて、夕方に差し掛かった時間帯に到着したのは「三鷹駅」だ。ここは女子校の独特な雰囲気が特徴で、昨年は実写映画も公開された「マリア様がみてる」シリーズの舞台である。せっかくなので作品を髣髴とさせる制服姿の女の子はいないものかと、辺りを見渡すものの祝日なので女の子どころか、制服姿の人を見つけることができず……、残念。
 「私立リリアン女学園高等部」のモデルは、この三鷹駅から歩いて30分ほどかかる「武蔵野大学」。当然ながら、駅前からバスが出ているので、それを利用して武蔵野大学まで行けばリリアンの生徒の気分だ。

東東京に在住の筆者にとって、三鷹という土地はかなり遠いイメージがあったのだが、高田馬場駅から30分もかからず到着できたのは少し意外だった

主人公たちが通う私立リリアン女学園高等部へは、北口にあるバスから向かう

小笠原祥子が駅前で待ち合わせをする福沢祐巳のもとへ自家用車で現れるという、OVAの「子羊たちの休暇」で登場するシーンの背景はこちら

こちらが私立リリアン女学園高等部の校門のモデルだ

劇中ではバスで通学・下校するシーンが多く、そんな数多いシーンで登場する学園前のバス停

すっかり日も落ちて三鷹駅前に戻ってきたところ、クリスマスでもないのだが、豪華なライトアップがされていた

第11ポイント:羽村駅(19時03分)

 前述のとおり、三鷹駅でついに日も暮れて夜の時間帯に突入した弾丸列車ツアーだが、まだまだ聖地巡礼は終わらない。また、夕飯の時間にもなっているが、次の食事は「下丸子駅」で摂る予定のため、ここでも空腹に耐えつつも巡礼を続けた。
 そうしてたどり着いた駅は「羽村駅」だ。ここは、ネット上で「人生」とも称される作品「CLANNAD」の舞台。今回訪れた羽村駅前や「かめのこ児童公園」以外にも巡礼ポイントは多く、CLANNADの街を実感できる。

羽村駅に到着したのが、19時過ぎ。巡礼を始めてから半日以上が過ぎ、またも気温の低い時間帯になった。日が当たる時間を除いて、当日は終始寒かった

この時計塔は、春原陽一と古河早苗がデートをするシーンの背景で登場

羽村駅から15分ほど歩いた先にある「かめのこ児童公園」は、メインヒロインである古河渚の実家前にある公園のモデルだ

街灯も少なく、公園内で光があったのはトイレの建物内から漏れる白熱灯だけだった。明るければ、主人公の岡崎朋也よろしく、素振りの練習をするのだが……

 さて、ここまで関東の聖地を回ってきたが、羽村駅に戻ってきた時間は20時過ぎ。24時までに秋葉原へ帰らなければならないと考えると、ここから予定していた「立川駅」や「石川町駅」、「下丸子駅」、「銀座駅」らは、すべては回れない状況となってしまった。
 そこで、またも延び延びになっていた夕飯を食べるため、下丸子駅に向かうことを決断する筆者。そして残り時間次第で、銀座駅に向かうという新たな予定を作り、電車に乗った。

第12ポイント:下丸子駅(21時40分)

 上記のとおり、残念ながら立川駅を通過して到着したのが下丸子駅だ。ここは「それでも町は廻っている」の舞台であり、主人公の嵐山歩鳥や辰野トシ子がバイトしているメイド喫茶「シーサイド」や、幼馴染である真田広章の実家となる魚屋などのモデルが存在する。
 もちろん夕飯は、シーサイドのモデルとなったお店でいただいた。ここで食べるメニューといえば……?

羽村駅からは、「武蔵小杉駅」で東急線に乗り換えるため、追加の運賃が発生する。武蔵小杉~下丸子間で150円だ

シーサイドのモデルが、「アルプス」という喫茶店兼スナックのお店だ。原作者である石黒正数氏のいきつけだったそうだ

この看板、劇中とは若干違ったものになっている。マスターのお話によると、5年ほど前に新しく変えたそうである。しかしながら、石黒氏が通っていた時期は、作品内と同じデザインだったとのこと

アルプス、いやシーサイドに来たならばカレーを食べなくてどうする! ということで、筆者は「ビーフカレー」(大盛り)を注文

同行者Kは「きのこドリア」を注文。同じく大盛りを頼んだのだが、お皿から溢れるほどの量にびっくりしていた

なんと、サービスで「おでん」をいただいてしまった! かなり気温も下がっていたので、冷えた体にはすごくありがたかった

 アルプスで満腹になった時間が23時頃。ここから、石川町駅や銀座駅に回っていくと24時には秋葉原へ戻れなくなる時間となってしまった。やはり、羽村駅で変更したのと同様に、残り2つの巡礼地をキャンセルしてゴールの秋葉原駅へと向かうことを決定した。正直、無念である。

ゴール地点:秋葉原駅(24時01分)

 さすがのツアーに疲れを感じた一行は、下丸子~秋葉原間ではつい寝てしまい、気づけば秋葉原駅。乗り過ごさないように急いで下車して、看板と時計をパシャリ。残念なことに、若干時間を過ぎてしまったが、今回も無事にゴールできたことには胸をなでおろす。
 朝6時に巡礼を始めて、同じ箇所へ戻ってきたのが24時。18時間の旅を終えて思うことは、「余裕は大事」ということだ。

またも人影が少ない秋葉原駅。なお、下丸子は最寄り駅が東急線のため、JR京浜東北線に乗り換える「蒲田駅」までの区間120円が別途発生している

到着時の時計。ほんの少し、同じ日付中に戻ってこれなかった

旅のまとめ

 さて、聖地巡礼弾丸ツアー 関東編を終えてまとめてみたい。
 まず、上記で思ったことの「余裕は大事」というのは、最初の予定をかなりキツキツで作ってしまったからだ。これにより、駅から巡礼ポイントまでの徒歩移動の余裕がまったくなく、早い段階から時間が押した進行となってしまった。最初から余裕を持ったスケジュールを組んでいれば、違ったルートを作成して、より多くの巡礼ができたかもしれないと思うと大いなる反省点といえる。
 また、冒頭に語ったように、経費を抑える意味での1日乗車券だが、思いのほか使い倒せなかったのも悔しいところだ。実際のところ、筆者が秋葉原駅へ移動する電車賃は除いているので、合計で1000円近くは得をしているものの、もっと激しく乗り降りをして一日乗車券の恩恵を味わいたかった。

予定通り巡礼できなかったので、実際に回った順に表にした。当然のことながら、移動箇所が減ったため、1日乗車券の恩恵が薄くなってしまった

今回のツアーをGoogleマップを使って視覚化したもの。西へ東へとかなり移動しているのがわかる。なお、運転ルートで出したものなので、電車を使った実際の移動距離とは誤差がでている

 ただ、振り返ると、聖地巡礼は巡礼することだけが楽しみではないと感じた。それは、このツアーを企画するにあたって、関東圏ではどれほどの聖地があるのだろうと探したことによる。正直言って、スケジュールの段階で泣く泣く切った聖地も多くあるが、逆にルート上にあるから入れた聖地もある。そのために、わざわざ未見のアニメをレンタルしてきて事前準備をしたほどだ。
 もともと、「聖地巡礼」は大好きなアニメがあり、そこの現場に行ってみたいという欲望から生まれた行為である。しかし今回の筆者のように「行くから、そのアニメを見る」というのも面白いと感じた。それは、最初から聖地があるからこそ、「この背景はこう描かれているが、実際はどんな感じなのだろうか」や、「こんなきれいな場所が、どんな背景として描かれたのだろうか」と、今までとは違った切り口で楽しめたからだ。

 関東には、数え切れないくらいたくさんの聖地がある。筆者のように1日乗車券を使い、「ここには行きたいけど、ルートから大きく外れるんだよな」とか「ルート上にあるから、入れた聖地だけど、本編はどんなアニメなのかな」など、いろいろと思案して実践してみてほしい。

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