注目は「FREEZE」ボタン!
エフェクトバンクの接続順序は1~4。たとえばLOOPER→FLANGER→LPF→DELAYのように同時に4種類のエフェクトを組み合わせられる。ただ複数のエフェクトを選択した場合、タッチパッドの操作で全エフェクトのパラメーターが連動してしまうのだが、これはどう考えたらいいんだろう?
―― ぱっと見よく分からなかったんですが、複数のエフェクトを選んだ場合、タッチパッドで操作できるパラメーターの優先順位はあるんですか?
大田 いえ、全部同時に動きます。
―― それで「FREEZE」ボタンがあるわけですか?
大田 そうです。最後に触ったタッチパッドの位置を記憶するので、LOOPERでループポイントを固定したまま、フィルターを操作したりできます。
坂巻 それがやりたくて、「複数個選択しても何とかなるように調整してください」って無茶なオーダーを大田さんに出したんですよ。
―― それは無茶すぎますね。大田さんは、それにどうやって応えたんですか?
大田 結構エンドレスなエディットが1ヵ月くらい続きました……。
坂巻 はははは!
これが大田さんを苦しめたFREEZEボタンの効果だ!
大田 どんな組み合わせでも、触ってて気持ちのいいようにチューニングしてあります。組み合わせによっては嫌な音が出てしまうところがあるので、そこを調整したり。
坂巻 全部で1295通りの組み合わせがあるはずなんですよ。それを大田さんがですね、全部チマチマと鎮めていくわけですよ。
大田 いやー、でも楽しかったですよ。いろんな曲に合うようにというので、曲を聴きながらチューニングする作業が。
坂巻 意外とパラメーターがかち合ってダメということがなくて。コントロールはしきれていないけど、すごい音が出る組み合わせとか。適当に押してやるだけでも、カオス感が出て面白いと思います。
予備知識がなくても楽しめ、慣れれば楽器のように操れるKAOSS PAD QUAD。テンポ良くボタンを押し、タッチパッドをハネる操作は、スコアの出ない音ゲーめいていて新鮮だ。 DJだリミックスだと肩肘張らずに、音楽でアガる新しいツールとして理解してもいいんじゃないだろうか?
著者紹介――四本淑三
1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。
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