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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第45回

注目のDJツール開発陣を直撃

楽しさは音ゲー以上!? プロも遊べる「KAOSS PAD QUAD」

2011年01月29日 12時00分更新

文● 四本淑三

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注目は「FREEZE」ボタン!

 エフェクトバンクの接続順序は1~4。たとえばLOOPER→FLANGER→LPF→DELAYのように同時に4種類のエフェクトを組み合わせられる。ただ複数のエフェクトを選択した場合、タッチパッドの操作で全エフェクトのパラメーターが連動してしまうのだが、これはどう考えたらいいんだろう?

―― ぱっと見よく分からなかったんですが、複数のエフェクトを選んだ場合、タッチパッドで操作できるパラメーターの優先順位はあるんですか?

大田 いえ、全部同時に動きます。

無茶なオーダーを出した坂巻さん

―― それで「FREEZE」ボタンがあるわけですか?

大田 そうです。最後に触ったタッチパッドの位置を記憶するので、LOOPERでループポイントを固定したまま、フィルターを操作したりできます。

坂巻 それがやりたくて、「複数個選択しても何とかなるように調整してください」って無茶なオーダーを大田さんに出したんですよ。

―― それは無茶すぎますね。大田さんは、それにどうやって応えたんですか?

大田 結構エンドレスなエディットが1ヵ月くらい続きました……。

坂巻 はははは!

これが大田さんを苦しめたFREEZEボタンの効果だ!


大田 どんな組み合わせでも、触ってて気持ちのいいようにチューニングしてあります。組み合わせによっては嫌な音が出てしまうところがあるので、そこを調整したり。

坂巻 全部で1295通りの組み合わせがあるはずなんですよ。それを大田さんがですね、全部チマチマと鎮めていくわけですよ。

大田 いやー、でも楽しかったですよ。いろんな曲に合うようにというので、曲を聴きながらチューニングする作業が。

坂巻 意外とパラメーターがかち合ってダメということがなくて。コントロールはしきれていないけど、すごい音が出る組み合わせとか。適当に押してやるだけでも、カオス感が出て面白いと思います。



 予備知識がなくても楽しめ、慣れれば楽器のように操れるKAOSS PAD QUAD。テンポ良くボタンを押し、タッチパッドをハネる操作は、スコアの出ない音ゲーめいていて新鮮だ。 DJだリミックスだと肩肘張らずに、音楽でアガる新しいツールとして理解してもいいんじゃないだろうか?



著者紹介――四本淑三

 1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。

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