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Apple Geeks 第25回

iPhone 4でワイヤレスオーディオレシーバーを使う

2011年01月26日 22時00分更新

文● 海上忍

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 本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。

 UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。

「A2DP」とは?

 「A2DP」(Advanced Audio Distribution Profile)は、音声データを配信するためのBluetoothプロファイル。ハンズフリーフォンなどに使うヘッドセット用のプロファイルには、遅延が発生しにくく接続安定性を重視した設計の同期型の「HSP」(Headset Profile)が利用されるが、A2DPは高音質オーディオ用に位置付けられ、転送タイミングは厳密でない代わりにCDクオリティの音を楽しめる。

 そのA2DPがiPhoneでサポートされたのは、2009年6月に公開されたiOS 3のとき。ただし全iOSデバイスで利用可能になったわけではなく、iPhone 3Gおよび初代iPod touchは対象外とされた。とはいえ、ワイヤレスヘッドホンでiPhoneの音楽を聴きたいという要望は以前からあり、多くのユーザーが救われたことは確かだろう。

iOSの場合、A2DP対応デバイスは[設定]→[一般]→[Bluetooth]からペアリングする

 肝心の音質だが、A2DPデバイスによって多少の差がある。一般的なA2DPデバイスを利用する場合、iPhoneでデコードされた楽曲データは、「SBC」(SubBand Codec)にトランスコードされたあと他のA2DPデバイスへと転送、そこでもう一度デコードされてオーディオとして聞けるようになるが、音質にこだわるメーカーはSBC以外のコーデックを採用している。つまり、トランスコードに使用されるコーデックが音質を左右するというわけだ。

 ちなみにA2DPでは、必須のコーデックとして規定されたSBC以外に、オプションとしてMEPG-2/4 AACとMPEG-1オーディオ(MP3)、ATRACが定義されている。SBCは不可逆圧縮で300~500kbps程度のビットレートでエンコードされるが、必須コーデックであるうえに負荷が低いこともあり、市販のA2DPデバイスの多くはSBCのみ対応しているのが実情だ。

 Audio Processing Technologyが開発した「apt-X」など、より高音質なA2DPで使えるコーデックもあるが、送信側の対応も必要となるため、iPhone本体のみで利用できるSBCのほうが簡単ということもある。

OS Xの場合、A2DP対応デバイスは「Bluetooth設定アシスタント」でペアリングしたあと、サウンド出力先として選択しなければならない

(次ページへ続く)

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