「ScanSnapを使う自炊作業」の流れを再確認
まずは雑誌と新書の自炊を例に、作業の流れをチェックしていこう。
大まかにいえば、本の閉じてある部分を裁断機でズバっとカットして、本を一枚紙の束にする。あとは「ScanSnap」にセットして本体脇のボタンを押すだけ。すると電子化されたページのデータが付属ソフト「ScanSnap Organizer」上に並ぶというわけだ。
なお裁断機は各社から発売されているが、多少オーバースペックのモノを選んでおくと、分厚い書籍を自炊する場合も困らずに済む。今回使用したのはPLUSの手動裁断機「PK-513L」(5万6700円)。厚さ15mm、長さ299mm(A4長辺)の書物まで裁断可能という高スペックで、裁断位置の目安をLED光で表示してくれる便利機能も付いている。
写真で見る「裁断作業」
雑誌を裁断する場合
書籍を裁断する場合
以上が裁断の流れだ。一度やってしまえばコツは掴めるだろう。どちらかといえば、裁断機の価格がネックになるかもしれない(Amazonでもハイスペックの裁断機は3万円台)。もちろん、高いほど高機能で安全性の考えられたものが多い。お値打ち価格ラインでは、刃が剥き出しだったりと保管に気を遣う製品もある。
たまに自炊する程度ならば、キンコーズなどの裁断サービスを利用したほうがコストパフォーマンスはいいだろう。
スキャンは簡単「ボタン一発!」
次はスキャン。ここでは「ScanSnap」のエントリー機種にあたる「S1300」を使用した。付属ソフト「ScanSnap Manager」の設定は標準のまま。作業としては、ガイドに原稿をセットして、右脇のボタンを押すだけ。あとは自動的に給紙され、スキャンが進んでいく。
自炊を行なった時期は冬場で、静電気によってページ同士が貼り付いている箇所もあったが、心配していた給紙エラーもなく、しっかりとスキャンが進んでいった。
10枚(両面スキャンなので実質20ページ)のスキャンが、約1分で終了。動作音も静かで夜中の自炊作業でも気を遣わないで済む。なお、この時間は「ScanSnap Manager」の設定が標準の場合。解像度を上げていくと当然スキャン速度は遅くなる。
実にスムーズにスキャンが進んでいくため、ストレスは極めて少ない。まずは全ページのスキャンに専念するといい。
「ScanSnap」を使ったスキャンの流れを見てみよう
全ページのスキャンに専念する際、ページ数の多い書籍など、一度に全ての原稿をセットできない場合もあるだろう。そういうときは、原稿の読み取り途中にまた新たな原稿を追加していくことで、最大搭載枚数以上の原稿をスキャンすることができる。
また、あらかじめ「ScanSnap Manager」にて、継続読み取りを可能にする設定にしておけば、最大搭載枚数以上の原稿を継続して読み取り、全ての原稿を読み取った後で、1つのファイルとしてまとめることができる。
自炊本は電子書籍端末に簡単移動!
以上のように、「ScanSnap」を活用して簡単に自炊本が作成できるわけだが、PDFファイルとして保存しておけば、iPadなどのタブレット端末やスマートフォンなどに転送して、いつでもどこでも電子書籍が楽しめるというワケだ。
これで「ScanSnap」を使用した一連の自炊作業は終了となる。1ファイルのPDFなので、そのままパソコンのモニターで見てもいいし、iPadの電子書籍アプリで閲覧してもいい。いくつかアプリを操作する必要はあるが、いずれもそれほど難しくないため、自炊のハードルはとても低いといえる。