このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

週刊 PC&周辺機器レビュー 第88回

Sandy Bridge+SSDで激速のタワーPC Endeavor MR6900

2011年01月21日 12時00分更新

文● 池田圭一

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

3D CGの作成からゲームまで、トータルに速い!

 CPU単体でのベンチマークテスト結果などはほかの記事を読んでいただくとして、ここではトータルでの性能を見ていきたい。Windowsエクスペリエンスインデックスの値からも、ばかっ速いのは分かるのだが、総合ベンチマークテスト「PCMark Vantage」のトータル値は18767、ここでもHDDスコア44608が目立っていた。

PCMark Vantage 32bitのスコア
PCMark Memories TV and Movies Gaming
18767 12473 7474 19297
Music Communications Productivity HDD
19229 17054 21633 44608

 総合ベンチマークテストをもう1本、「CrystalMark」の結果も載せておく。このテストのメモリーとHDD指標はアクセス時間の短さ示すのだが、HDD(SSD)のアクセスがメモリーに迫る値となっているのがわかる。

「CrystalMark 2004R3 0.9.126.451」の結果

「CrystalMark 2004R3 0.9.126.451」の結果。HDD(SSD)を始め、各種バランスよく高い値となっている

 実用に即したテストとして、フルHD解像度のH.264動画を再生してみた。処理のほぼすべてをグラフィックスカードが担うためか、CPU負荷はわずかに1~3%と非常に低く抑えられていた。flv動画の再生では、わずかにCPU負荷が高まるものの、それでも5%以内に収まっている。

 このとき聞こえるのは、ケースやCPUなど計4基の空冷ファンが回っている小さな唸り音のみ。この手の金属シャーシのケースでは、金属質のHDDヘッドシーク音が意外と大きく響くものだが、SSDのおかげで静音性も高くなっている。

 続いて、3Dグラフィックの計算と表示を試す。「MMD(Miku Miku Dance) v608」を使い、物理演算をオンにして、デフォルトサンプルの7キャラクターを踊らせてみた。表示フレームのリミッターを外すと、130フレーム/秒前後という速さで表示できた。そのほかにも、マンデルブロ図形の表示などいくつか試したが、いずれも高速な結果に圧倒された。

MMDのサンプルを130fps前後で描画・再生

MMDのサンプルを130fps前後で描画・再生している。600フレーム前後(20秒)ほどの動画であれば5秒でエンコードできてしまう

 最後にゲームではどうだろうか? 「FINAL FANTASY XIVベンチマーク」(Low)のスコアは4610。指標では「快適」とされる範疇にある。スペックの割にそれほどでもないように見えるが、このベンチマークテストはGPU性能に依存する部分が大きく、Radeon HD 5770の限界と言えそうだ。

 MR6900では排熱設計についても言及しておきたい。新世代のCore i7でも、CPUの発熱量は増えていない。4コア/8スレッドのCore i7-975 Extreme Edition(3.33GHz)やCore i7-960(3.2GHz)は、TDPが130Wであったが、Core i7-2600は95Wとなっている。

動作中にこのように2点の温度を同時に測定

動作中にこのように2点の温度を同時に測定。ベンチマーク中のCPU負荷はほぼ100%で維持。1時間動かしてこの温度上昇なら真夏も平気か?

 評価機の場合、さらに発熱するRadeon HD 5770を積んでいるのだが、FINAL FANTASY XIVベンチマークを1時間ほどループ実行させたときの排熱状態は、室温11度前後に対して、ケースファンの排気は17℃前後と、それほど上昇していないことがわかった。


 秋葉原でも品薄が続くSandy Bridge搭載機を手早く手に入れ、さらに長く使いたいなら、Endeavor MR6900は第1候補として考える価値がある。短納期で定評のあるエプソンダイレクトと、国内メーカーの手厚い動作保証を考えれば、パーツを組み合わせて自作するよりも手軽で確実だ。

 悩みそうなのはCPU内蔵グラフィックスを使うか、グラフィックスカードを搭載するかだが、手元にそこそこ速いグラフィックスカードがあるならそれを使えばいいし、ないならCPU内蔵で様子を見るのも悪くない。その分の予算をSSD搭載に回すのがお勧めだ。

Endeavor MR6900(評価機) の主な仕様
CPU Core i7-2600(3.4GHz)
メモリー 8GB
グラフィックス Radeon HD 5770
ストレージ SSD 256GB(128GB×2)
光学ドライブ BDコンボドライブ
インターフェース USB 2.0×9、IEEE 1394、10/100/1000BASE-T LANなど
サイズ 幅179×奥行き396×高さ368mm
質量 約10.1kg(基本構成時)
OS Windows 7 Ultimate 64bit版
価格 22万8060円

筆者紹介─池田圭一

月刊アスキー、Super ASCIIの編集を経てフリーの編集・ライターに。パソコン・ネットワーク・デジタルカメラなど雑誌・Web媒体への企画提供・執筆を行なう一方、天文や生物など科学分野の取材記事も手がける。理科好き大人向け雑誌「RikaTan」編集委員。デジイチ散歩で空と月と猫を撮る日常。近著は「失敗の科学」(技術評論社)、「光る生き物」(技術評論社)、「これだけは知っておきたい生きるための科学常識」(東京書籍)、「科学実験キット&グッズ大研究」(東京書籍)、「やっぱり安心水道水」(水道産業新聞社)など。


前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン