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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第61回

CESで担当者を直撃取材 2011年のレノボはどうなる?

2011年01月13日 15時05分更新

文● 西田 宗千佳

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ThinkPadをさらに快適にする
Enhanced Experience 2.0

「Enhanced Experience 2.0」のロゴ

「Enhanced Experience 2.0」のロゴ。採用モデルにはこのシールが貼られることになるという。特に高速化したモデルでは、SSDを使った「RAPIDDRIVE」が搭載される

 今後のThinkPadの方向性としてアピールされたのが、「Enhanced Experience 2.0」だ(関連記事)。これは、レノボがマイクロソフトと共同で開発したもので、ドライバーやBIOSなどの最適化により、起動時間を極限まで短縮する試みである。Enhanced Experience 2.0は2011年に出荷される一部の製品で導入され、ThinkPadだけでなくIdeaPadの一部でも採用される。

「次期Tシリーズ」こと、「ThinkPad T420s」の試作機

「Enhanced Experience 2.0」のテストモデルとして、ひっそりと展示されていた「次期Tシリーズ」こと、「ThinkPad T420s」の試作機。まだ製品版ではないので、外装にはシボ加工もされていない。性能などはもちろんまだ未公表だ

ベック「大和事業所のエンジニアとマイクロソフトのエンジニアが、ひとつひとつチューニングしています。特に、ここに持ってきた試作機は、エンジニアが手作業でチューニングしたものです。その結果、起動速度は劇的に速くなりました。製品もここまで速くなる、とまでは言えないのですが、これに近くなるよう努力します」

 デモ機(SSD搭載のThinkPad Edge E420s)では、10秒以内でOSの起動が完了していた。ムービーを見ていただければ分かるが、なかなか劇的な効果といえる。

ThinkPad Edge E420sにEnhanced Experience 2.0を適用したモデルの起動デモ。電源断から再起動まで、10秒かかっていない点に注目。


 今回のプライベートブースにはThinkPad新製品だけでなく、6000万台目に生産されたThinkPad(ちなみにEdgeシリーズだったようだ)と、大和事業所で使われているヒンジの経年劣化検査機が持ち込まれ、「信頼性と伝統」のアピールに使われていた。

ThinkPadのヒンジテスト機材

ThinkPadのヒンジテスト機材が公開されていた。日本の大和事業所からそのまま持ってきたものなので、機器には日本語の確認用シールが貼られている点に注目

 今年もThinkPadは、地道ながら信頼できる、仕事に使える製品が出てきそうな気配だ。派手さは狙わず、この方向性をしっかり維持してもらいたい、と感じた。

ThinkPadシリーズ累計「6000万台目」に生産された個体

ThinkPadシリーズ累計「6000万台目」に生産された個体を、記念モデルとして展示。記念すべき製品は赤天板のEdgeシリーズであったようだ


筆者紹介─西田 宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、月刊宝島、PCfan、YOMIURI PC、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に、「美学vs.実利『チーム久夛良木』対任天堂の総力戦15年史」(講談社)、「クラウド・コンピューティング仕事術」「iPhone仕事術!」(朝日新聞出版)、「iPad vs.キンドル」(エンターブレイン)、「メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電」(朝日新聞出版)、「知らないとヤバイ! クラウドとプラットフォームでいま何が起きているのか?」(共著、徳間書店)。

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