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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第45回

小型パソコンを活用してメインマシンを快適に使う技

2010年12月21日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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 クアッドコアCPUに大容量メモリーを搭載していても、多数のアプリケーションを同時に常駐させていればパソコンの動作は重くなる。しかも続々と便利なサービスやアプリが登場して、タスクトレイ(通知領域)に常駐するアイコンは増えるばかり。そこで、コンパクトなパソコンをセカンドマシンとして利用することで、メインマシンをより快適に利用しよう。

バックグラウンドで動くアプリをミニパソコンへ

通知領域のアイコンを表示させたところ。大量の常駐ソフトはWindowsの動作を重くする要因になる

 Windowsのデスクトップ画面右下にある通知領域には、常駐しているアプリのアイコンが表示されている(当然だがすべてが表示されるわけではない)。通知領域の見た目がシンプルになったWindows 7でも、多くのアイコンが「▲」マークの中に隠れている。

 通知領域を使うアプリをざっと挙げただけでも、ウイルス対策ソフトやセキュリティーソフトを始めとして、グラフィックカードやマザーボードのユーティリティソフト、NASや無線LANの接続ソフト、スケジューラーに付箋紙など、一般的なものだけでも数え切れない。最近はクラウドサービスが人気なので、「Evernote」や「Dropbox」、「SugarSync」などの同期アプリを常駐させている人も多いだろう。Microsoft Officeにも、「Outlook」や「OneNote」などの常駐プログラムが用意されている。

 クラウドとの同期ソフトや遠隔操作を受け入れるためのサーバーソフトはバックグラウンドで動作するので、数が多くなるとWindowsの動作全体が遅くなる。最新のパソコンを使っていても、エクスプローラーを開くだけで、少し待たされたりするのだ。

 あまりパソコンを使わない人なら、それほど多数のアプリは常駐していないだろうし、少々遅くなっても我慢できるかもしれない。しかし、仕事で毎日使っていたり、趣味で長時間利用する人などは、小さな遅延でも積み重なると影響が大きい。遅延が積もり積もると、意外に実作業の時間を圧迫してしまうのだ。

 そんな人にお勧めなのが、セカンドマシンの導入だ。「2台のパソコンを同時に使うほど困ってはいない」と言うなかれ。セカンドマシンは意外と低コストで買えるし、簡単な初期設定で導入できる。それによってメインマシンが比べものにならないくらい軽くなり、さくさく作業できるようになるなら安いものだ。

 セカンドマシンはバックグラウンドで動作させるので、ハイスペックである必要はない。むしろ電気代や設置場所のことを考えると、お勧めなのはコンパクトなデスクトップパソコンだ。設置面積ではノートパソコンより小さいし、価格も安い。初期設定さえしてしまえばディスプレーは不要なので、本体だけを購入すれば済む。

 高性能が不要とはいえ、CPUにAtomを搭載した小型パソコン(ネットトップ)では、性能面でやや物足りない。クラウド系アプリだけを動かすセカンドマシンにするなら使えるかもしれないが、ファイルサーバーにしたり動画のエンコードをさせるなら、通常のCPU(Core i、Core 2 Duo)を搭載した製品をお勧めする。

Endeavor ST150E

Endeavor ST150E(ディスプレーはオプション)。幅195×奥行き185×高さ75mm、質量は約1.8kgとコンパクトだ

 今回は、エプソンダイレクトの超小型パソコン「Endeavor ST150E」を利用した。CPUはCeleronシリーズでもいいのだが、動画のエンコードなどもしたいのでCore i3-370M(2.40GHz)を選択した。リモートデスクトップを利用するため、OSはWindows 7 Professional 64bit版を選択した。メモリー4GBを搭載して、販売価格は10万8990円。セカンドマシンとしては少々贅沢な構成かもしれない。

 もっと安く済ませるなら、OSはWindows 7 Home Premium、CPUにCeleron P4600(2GHz)、メモリー 1GB、HDD 160GBの最低構成にして、キーボードやマウスも外せば6万480円で買える。

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