物欲AVコモノ道 第79回

Apple TVのホームシェアリングとAirPlayを試す

AV機器のiPhone／iPod対応の常識を
大きく変えそうなAirPlay

iPhoneのアプリ「iPod」で音楽を再生する際、LAN内のAirPlayに対応したスピーカーなどが再生先として選択できる

　ホームシェアリングはMac／PCのiTunes上で共有されているコンテンツを再生するための機能だが、これとは別にネットワーク経由でコンテンツを再生するための仕組みがApple TVには組み込まれている。それが「AirPlay」だ。

　これはiPhoneやiPad、あるいはiPod touchで再生しているコンテンツを、AirPlay対応機器に出力してしまうというもの。つまりiPhone内の音楽をApple TVで出力できるというわけだ。

　Mac／PC用のiTunesもバージョン10からAirPlayに対応しており、Apple TVなどへコンテンツを出力できる。なお、iPhoneやiPad、iPod touchでAirPlayを利用するには、iOS 4.2以降にアップデートする必要がある。

　ホームシェアリングとAirPlayの違いは、操作の主体がサーバーなのかクライアントなのかという部分。ホームシェアリングはApple TVが操作の主体になるが、AirPlayはコンテンツが保存されているiPhoneやiTunes、あるいはMac／PC上のiTunesで行なうのが基本になる。

　ただ、それ以上に注目したいのが、iPhoneやiPad上のコンテンツをApple TV経由で再生できるということ。これにより、iPhone内の動画を液晶テレビで見たり、あるいはS/PDIF端子から音声を出力し、DACを介してオーディオ機器に入力することが可能になる。

iPhone内の音楽をAirPlayでApple TVに飛ばしているところ（画面はApple TV）。Apple TVさえあれば、AVアンプとiPhoneを簡単に連携できる

　筆者宅では、Apple TVをAVアンプ経由で液晶テレビに接続している。iOS 4.2でiPhoneがAirPlayに対応したことで、AVアンプにつながれたスピーカーでiPhone内の音楽を気軽に聴けるようになった。

　実はこのAVアンプにはiPod内の音楽を再生するための周辺機器が用意されており、iPhone内の音楽を再生するために購入したのだが、現在ではほとんど使わなくなってしまった。AirPlayならネットワーク経由で音楽を飛ばせるため、物理的に接続する必要がなく、また手元のiPhoneで曲送り／戻しなどをコントロールできるからだ。

こちらはiPhoneの「YouTube」アプリで、映像をApple TVに飛ばしている。iPhoneやiPadを使って見たい動画を探し、AirPlayで液晶テレビで映像を見るといった使い方が可能だ

　ちなみに、前述のとおり動画もAirPlayで飛ばすことができる。たとえばiPhoneで撮影した動画をApple TV経由でダイレクトに液晶テレビに映し出すといったことが可能だ。iPhoneやiPadなどで再生しているYouTubeの動画を液晶テレビに表示させるといったこともできる。

AV機器に無線LAN対応を迫るAirPlay

　現在、AV機器のトレンドの1つにiPhoneやiPodへの対応が挙げられ、多くの機器がDock端子を備えるようになった。しかし、一度無線で接続する快適さを覚えてしまうと、物理的に接続するのは億劫になってしまう。

　このようにホームシェアリングとAirPlayのどちらにおいても、単にネットワーク経由でコンテンツを再生できるのが便利なのではなく、無線で接続できる点に大きなメリットがある。現状のAV機器は有線LANのみでの接続しか対応していない製品が多いが、今後はAirPlayのサポートともに無線LANが広がっていくだろう。

■関連サイト

• 製品情報
• アップル