ワイド液晶ディスプレーやWindows 7が浸透して差別化が難しくなったからか、凝った外観デザインやオーディオ志向など、近頃のノートパソコンは奇をてらったものが多い。しかし、各社製品がいっせいに付加価値重視の製品を揃えてくると、逆に個性が失われる。
そんな中、目を引くのがエプソンダイレクトの「Endeavor NY2000」だ。余計なものがひとつもなく、必要なものがすべて揃っている。普通であることが珍しくなった今だからこそ、注目したい一台である。
14型ワイド液晶ディスプレー
2スピンドルのスタンダードノート
エプソンダイレクトは11月に「Endeavor NY3000」をリリースした。15.6型ワイド液晶ディスプレーを搭載する大型ノートで、CPUにPentium P6100(2GHz)を採用する2スピンドルタイプの製品だ。
今回のNY2000は、NY3000の妹分と言えるだろう。液晶ディスプレーを15.6型ワイドから14型ワイドサイズに変更することで、設置面積は15%、質量500g分のダウンサイズ化を実施した。ただし、単に小さくしただけではない。A4ファイルサイズになったことで、コンセプトを継承しながらも新たな使い勝手のよさを生み出している。
外観上目立つところは、ヘアライン加工風のプリントが施されたディスプレー天板ぐらいだろうか。サイドにシルバーのラインがあるものの、全体的には黒一色のつや消し樹脂筐体で、よく言えばシンプルスマート、悪く言うなら地味だ。しかし自己主張を抑えているため、自室やリビング、会社など、どこに置いても、それなりにマッチするだろう。
バッテリーが背面を覆うため、コネクター類は左右側面に分散されている。電源コネクターや有線LANなど、常時接続するコネクターが左奥で、その手前にはアナログRGB出力やHDMI出力、USB/eSATA端子がある。右側手前には抜き差し頻度が高いUSB×2とオーディオ入出力、右奥には着脱可能なDVDスーパーマルチドライブと、よくある配置で戸惑うことはない。
ユニークなのは、ヒンジ近くにある電源状態を示すランプだろうか、円柱断面が充電中はオレンジ、満充電およびバッテリー駆動時は白色にふわっと光る。ランプは本体の両サイドに備えられており、360度どこから見てもNY2000の動作状況を一目で確認できるのがいい。なお、正対する方向への光が抑えられているためか、使用中はほとんど気にならなかった。
採用する液晶ディスプレーは、光沢タイプの14型ワイドサイズ、表示解像度は1366×768ドットである。かつてのB5モバイルノートが採用することの多かった、アスペクト比4:3(いわゆるスクエア)、12.1型液晶ディスプレーを横に伸ばした感じであり、文字の大きさもほどよく視認性が高い。光沢タイプのため外光が若干映り込むのだが、LEDバックライトの明るさと発色の鮮やかさがそれを打ち消している。ただし、ディスプレー周囲を囲む樹脂ベゼル部分の光沢仕上げには、安っぽさを感じてしまった。
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