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SEO:Googleオーガニック検索の表示先を指定する「地域ターゲット」の使い方

2010年12月06日 17時34分更新

記事提供:SEMリサーチ

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Googleウェブマスターツールが提供する機能の1つに、どの国のGoogleオーガニック検索結果に自分のサイトを表示する指定するための「地域ターゲット」という項目があります。たとえば、ドイツ在住の人々を対象に公開されたサイトを、ウェブマスターはGoogleドイツ版の検索結果に表示されるようにしたいはずです。

Googleは、サイトの記述された言語やホストするサーバのIPアドレス、そのサイトにリンクを張っているページを分析することにより、地理的な関連性(location relevance)を判定し、適切な国の検索結果に表示されるように努めています。この関連性判定を補完するための機能が「地域ターゲット」です。

この「地域ターゲット」は、便利なようで慎重に扱わなければいけません。設定を間違った場合、ターゲットとする人々の検索結果にサイトが掲載されなくなるためです。そこで、この機能の使い方についての注意点、そしてLocation Relevanceの考え方について改めておさらいをしておきましょう。


「地域ターゲット」は場所で指定する機能です

「地域ターゲット」は、言語を指定するのではなく、場所(国・地域)を指定するものです。たとえば、スペイン語が読める人々に向けたウェブサイトを公開するときに、地域ターゲットで「スペイン」を指定してはいけません。もしスペインと指定した場合、スペイン以外のGoogleを利用しているユーザはそのサイトを検索することができなくなります。

しかし、スペイン国内で小さなお店を経営していて、国外の人が間違いなく興味を示さないサイトであるなら、地域ターゲットでスペインを指定しても問題はないでしょう。ただし、(地元の人しか基本的に相手にしないが)旅行者など、何らかの理由で興味を持ってもらう可能性があるサイトであれば、やはり地域ターゲットで指定すべきではありません。

まとめると、地域ターゲットは、どの国のGoogleオーガニック検索に自分のサイトを表示するか指定する機能です。そして、選択できるのは1カ国のみです。リーチしたいユーザが複数国にまたがる場合は、ターゲット指定をしてはいけません。


地理的な関連性は「トップレベルドメイン」と「IPアドレス」を参考にします

Googleは何を指標としてサイトやページの所属言語や国を判定しているのでしょうか。それは、主に「トップレベルドメイン」と「IPアドレス」を参照しています。実際にはその他の要素も地域判定に利用されているのですが、評価要因としてこの2つは重み付けが比較的高いため、本稿ではこの2つに絞って注意点をまとめていきます。


gTLDのドメインの場合、GoogleはIPアドレスを参照します


.comや.net, .info など、gTLD(国際ドメイン)を使用している場合、GoogleはサイトをホストするサーバのIPアドレスを参照します。国際ドメインはその名の通り世界中で利用されうるドメインですので、それ自体で場所判定をするにはリスクがあります。そこで、レンタルサーバのIPアドレスを参照することになります。

しかし、サーバの所在地とそこでホストするサイトの対象国が必ずしも一致するとは限りません。提供サービスが充実している、格安料金といった理由により、日本向けのサイトを米国サーバで運営しているケースも少なからずあるためです。そこで、サイトに向けられているリンク元サイトの地域情報などもあわせて参照して決定されるわけです。


ccTLDドメインの場合、Googleはトップレベルドメインを参照します

.jpや.my、.krなどccTLDを用いている場合、Googleは基本的にトップレベルドメインの情報に従ってサイトの場所判定を行います。ccTLDは多くの場合、その国に在住する企業や個人によって運営されていることが多いからです。たとえば、.jp は日本人ですし、.th サイトならタイ人が運営していることが大半でしょう。特にccTLDによっては取得条件として当該国に在住する人物・企業に限定しているケースもありますから、トップレベルドメインで場所判定をするのは合理的といえます。

ただし、ccTLDでも実質的に国際ドメインとして運用されているドメインは例外です。たとえば、.tv (ツバル共和国)や.to(トンガ)、.nu(ニウエ)などです。これらは、.comで取り損ねた希望ドメイン名の代わりであったり、外貨獲得目的で外国企業にドメイン運営事業が譲渡されているなど様々な理由がありますが、いずれも世界中の企業や個人によって幅広く利用されているccTLDです。こうしたドメインについては例外的に、トップレベルドメインで場所判定は行われません。

まとめますと、GoogleはccTLDの場合、基本的にトップレベルドメインで判定をしますが、世界中で広く利用される、実質的な国際ドメインとして普及しているccTLDはその限りではありません。

地域ターゲットの設定
http://www.google.com/support/webmasters/bin/answer.py?hl=ja&answer=62399

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