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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第85回

人気サイト「ひろぶろ」が極めた、スゴい動画を探す技術

2010年12月07日 12時00分更新

文● 古田雄介

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社会人になって、むしろ更新ペースをあげた

―― ブームが到来したあとは、ライバルサイトが増えますよね。何か差別化みたいな戦略は立てましたか?

nejire いえ、基本見ないようにしています。だから、ほかのサイトさんがどんなふうにやっているのか知らないんですよね。紹介しようと思っている動画がすでに載ってたら、モチベーションが下がるんですよ。

 動画の紹介文を読んだら、文章もつられちゃうんじゃないかという怖さもありまして。だから差別化ということは考えず、ひたすら海外サイトのページを見て、心に引っかかったり、強い衝撃を受けたりした動画を探すようにしています。


―― なるほど。でも、5分や10分の動画でも面白い作品に出会うまでには、相当探さないといけないですよね。しかも、nejireさんは1日3本のハイペースで毎日更新し続けています。どんな生活を送っているんですか?

nejire あ、いや、アップする記事はタイマーをセットしているので、そんなに四六時中という感じではやっていないです。大学を卒業して社会人になったばかりですが、仕事が終わって寝るまでの時間に収集する、という流れでやっています。大学生の頃は普通に四六時中見てましたけど(笑)。

「友人や職場の同僚に知られると、バイオレンス系のコメントとかが書きづらくなる気がする」ため、リアル社会とサイト管理人の顔はきっちり分けているという。家族もnejire氏がひろぶろ管理人であることを知らないそうだ


―― そうなんですか……。学生時代は続けられても、社会人になると断念するというパターンのサイトも多数見受けられますが、そのあたりは無理なく両立できていると。

nejire いえ、やっぱり大変ですね。まだ入社1年目ですが、少しずつ忙しくなってきていて、若干破綻しつつあり……。だから、今の個人的な目標はサイト更新を「続ける」ことなんです。

 学生時代は本当にダラダラしていて、半日かかってようやく更新、という日もありました。けど、無駄を省けばもっと短い時間でやっていけるんですよ。そういう考えがあり、社会人になってからは更新回数を0時と6時、12時と18時の1日4回にしました。


―― ストイックですね。ネタ尽きや忙しさで心が折れることはないですか? 履歴をたどると、2005年6月から2006年2月まで更新を休んでいますが。

nejire ネタ尽きの危機を感じたことはないですね。見つけた動画にも時期的にすぐ紹介しないといけないものと、新鮮さは問わないものがあって、後者のタイプはけっこうストックしているんですよ。たぶん500か1000か、それくらいあります。まあ、リンク切れもあるでしょうし、全部は使えないでしょうけど。

 モチベーションに関しても、1~2年更新を続けた頃から完全に生活の一部になっちゃっているので、特にないです。休止の理由は受験勉強だったんで(笑)。高校生当時は読者に自分の年齢を知られるのが怖かったので、「最近暑いから休止」と書きましたけど。

(次のページに続く)

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