Optimusテクノロジーはソフトとの相性が大切
T410sで一番気になる点といえば、やはりOptimusテクノロジーだろう。そこで、どの程度の負荷でCPU内蔵グラフィックスから、NVIDIA NVS 3100Mに切り替わるのか試してみた。
なお、切り替わりを判断するために、「OptimusTools_64bit」の「NvGPUStateViewer64」というツールを使い、ON/OFFを確認している。
そして、結果は下記の通り。
Optimusテクノロジーの検証結果 | |
---|---|
検証内容 | 結果 |
Windows Live フォトギャラリーで写真閲覧 | × |
Ascii.jpをIEで表示 | × |
IEでYouTubeを視聴 | ○ |
WMPでWMV動画を再生 | × |
WMPでDivX動画を再生 | × |
WMPでH.264動画を再生 | ○ |
Windows エクスペリエンス インデックスの評価中 | ○ |
ハンゲームの「麻雀4」 | × |
ラグナロクオンライン | × |
リネージュ2 | ○ |
まず、動画再生はYouTubeとH.264の再生時にのみ有効になったが、WMVやDivX形式の動画を再生してもGPUは切り替わらなかった。WMV、DivX、H.264ともに、640×480ドット、1440×1080ドット、1980×1080ドットの3種類の解像度を用意したが、結果は変わらなかった。
次にゲームでは、Web上のフラッシュゲームをひとしきり試してみたが、外部GPUには切り替わらなかった。ハンゲームの麻雀4でも同様で、ラグナロクオンラインでは表示がカクつくほどの負荷がかかっていたがこちらも動作せず。ただ、リネージュ2では動作した。
なお、Optimusテクノロジーでは、内部GPU/外部GPUのどちらを優先して使用するか決められるほか、ソフトウェアごとにどちらのGPUを使用するかをユーザー自身が決めることもできる。
しかし、今回の検証でラグナロクオンラインに対して外部GPUを使用する設定にしたところ、ゲームが起動しなくなってしまった。
もうひとつ気になったのが、動画変換ソフトの「TMPGEnc」を試用したときの挙動だ。ソフトを起動するとOptimusテクノロジーはONになり、外部GPUに切り替わるものの、エンコード時にCUDAによる処理が実行されない。今回外部GPUとして採用しているNVIDIA NVS 3100MはCUDA対応なのだが、TMPGEncの画面上で確認してもCPU使用率は100%なのに対し、GPU使用率は0%のままだった。
WMV動画をH.264動画に変換してみたときの処理時間も、TMPGEncでCUDA無効時に設定したときで1分36秒、有効時で1分37秒ということからも、CUDA処理がなされていないようだ。
どうやら現在のOptimusテクノロジーは、使用するソフトとの相性が重要になってくるらしい。CADや3DCG作成など、いわゆるワークステーション的な使い方をする際には、事前に確認した方がいいだろう。ただ、GPUの切り替え時に画面がカクつくなどといったことは一切なく、切り替えのレスポンスの速さは好印象だった。
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