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一枚の絵から生まれた大ヒットコンテンツ「ブラック★ロックシューター」。
そのアニメ化を発表したのは意外にも、figmaやねんどろいどでおなじみのフィギュアメーカー「グッドスマイルカンパニー」。しかもその展開方法は、およそ67万枚のDVDを無料配布するという前代未聞の試みだった。
なぜフィギュアメーカーが映像コンテンツに乗り出したのか? DVD無料配布の意味は? インタビューに快く応じてくれた同社 安藝貴範社長は、周辺業種以外は手を出さないほど割りに合わなくなってしまったテレビアニメのビジネスモデルに「限界を感じていた」と言う(前回)。
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安藝社長インタビュー第2弾となる今回は、アニメ版ブラック★ロックシューターの製作委員会システムから、業界を驚愕させたDVD無料配布の裏話まで、幅広く語っていただく。
ブラック★ロックシューターはテストに過ぎない
安藝「この限界に近づいている状況に対抗するためのイノベーションを探していました。例えば、劇場公開から始めてDVDを売るシステムがうまくいった『空の境界』とか。注目度高いですよね。業界からも。
そういった中で、ブラック★ロックシューターのフィギュアが5万個売れていて、『板(DVD)よりこっちのほうが売れてるなあ』と。板が売れる/売れないで一喜一憂しているそばで、フィギュア業界というか周辺の一部だけが潤っていていいのかという背徳感もありました。機会があれば、僕らもやれることはあるだろう、と。
ただ、実際にアニメ制作現場でお金や調整の苦労をしたわけではないので、どこか気楽に見てるわけです。だから、ブラック★ロックシューターをアニメにというアイデアが出たときも、『やってみりゃいいんじゃないの?』ぐらいの感じでスタートしました。
実はこのプロジェクトは3作品から成っているんですよ。そのうちの1作目がブラック★ロックシューターなんです。他の2作品のタイトルはまだ明かせませんが、いずれにしても従来よりコンパクトに、かつマーチャンダイジングや新規の展開を駆使して、作品をリクープさせていく方法論を作ることができればと考えています。
そして、一般投資家から見ても十分投資に値するような作品の種づくりとしたい。そのため、“これに関わるすべての権利・利益を製作委員会に帰属させましょう”という仕組みになっています」
まつもと「委員会参加各社で商品化の窓口権の行使をしない、手数料を取らずに関連利益を製作委員会に戻す、というわけですね」
安藝「ええ、このプロジェクトに関しては、誤解を恐れずに言えば製作委員会のリクープ(投資額を回収すること)も大きな目的の1つなんです。これに関連するすべての売上・利益はワンポッド(pod=財布の意。この場合、製作委員会の口座を指す)で委員会に帰属します。販売商品の売り上げもライセンスアウトのロイヤルティ収入も。
音楽CD、DVD共に、製作委員会が発売元となります。音楽は、原盤権ごとすべて製作委員会帰属です。映像の原盤権も同じく製作委員会ホールド。出版関係は、出版社が製作委員会にいないのでライセンスアウトします。例えイベントの場外販売でも、その売り上げはすべて製作委員会に戻しています。
現状、ブラック★ロックシューター1本で、3本分の出資コストは十分に賄えています。1本だけで計算すると、数倍の委員会リクープ率になります(リクープ率=投資回収達成率。この場合は投資額の数倍の回収率に達したことを指す)。通常は参加企業がそれぞれの手段で回収するものを全部入れ込んでいるので」
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| 2010年12月には初回限定生産のアニメ「ブラック★ロックシューター」Blu-ray&DVDセットが発売される | ||
| (C)huke/B★RS Project | ||
まつもと「従来ではあり得ない数字ですね。残りの2作品はやらなくても良いのでは(笑)」
安藝「そうですね(笑)。でもそれでは面白くない。
3本分の結果を並べたい。3本の相対評価も大事です。ですから制作費は全部同額です。ブラック★ロックシューターも、あれは本当に1話目というかスタートの為のクリエイティブ。
アニメに合うのかどうか、アニメ+マーチャンダイジングという仕組みに、ブラック★ロックシューターというIP(知的財産)が適合するか否かというテストである、ともいえます。
つまりマーチャンダイジングや周辺展開も含めて作品の関連事業全てをひっくるめて、複数作品を横並びで評価できるのです。であれば映像のみでリクープを狙う仕組みよりも採算性のハードルが下がりますし、作品の総合力が可視化できます。
このワンバジェット(予算)、例えばブラック★ロックシューターは制作費約5000万円ですが、この5000万が現在何倍かになっているという状況です。このビジネスモデルは、委員会参加企業で事業を縦割りして採算性をぼかしていたものをひと纏めにしただけなのですが、改めて世に問うてみたかった」
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