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週刊 PC&周辺機器レビュー 第83回

簡単操作に特化したバックアップ専用HDD Clickfree

2010年12月03日 12時00分更新

文● 池田圭一

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主要なデータファイルを
自動でバックアップするソフトが特徴

 まずは、C2Nからテストしてみよう。梱包を解いて出てきた本体をUSBでパソコンに接続する。プラグアンドプレイでデバイスが認識され、「Clickfree_systemプログラム」を実行すると「ようこそ」画面が表示されて、いきなりバックアップ開始のカウントダウンが始まる。

 特に問題がなければカウントダウンを待つか、「開始」ボタンをクリックすると、パソコン内の全ドライブからバックアップ対象ファイルを探し出し、ファイルコピー(バックアップ)が始まる。

バックアップ実行のカウントダウン表示が始まる

使用許諾後にバックアップ実行のカウントダウン表示が始まる。専用ソフトのインストールも行なわれるので、1回は自動処理に任せよう

パソコン内のバックアップ対象ファイルを自動で検索

パソコン内のバックアップ対象ファイルを自動で検索し、C2Nへのファイルコピーが始まる

 バックアップ対象はファイルの種類(拡張子)でリストアップされているが、オプション設定から種類の限定や追加、検索対象フォルダーの指定も可能だ。

バックアップ対象はファイルタイプ別にかなり細かく登録してあるが、拡張子の追加も可能だ

検索対象フォルダーの選択画面

ファイルタイプでの制限のほか、ファイルの場所(フォルダ単位)でのバックアップ制限も行なえる

 データ容量やパソコン側HDDの読み出し速度にもよるが、初回のバックアップ作業は数分~数十分で終了する。感覚的には一般的なUSB接続のポータブルHDDにデータをコピーしているのと変わらず、Clickfreeの内蔵HDDの書き込み速度はかなり高速である。

 2回目以降のバックアップは、新たに追加・更新されたデータファイルのみがバックアップ対象となるため短時間で済む。なお、バックアップファイルはClickfreeのソフトから確認・回復(リストア)が可能だが、特殊なアーカイブとして保存されるわけではないので、実はWindowsのファイルシステムからも直接見える。

ファイルのブラウズ画面

バックアップされたファイルは「ファイルのブラウズ」からデータを確認できるほか……

Windowsのエクスプローラーからも参照・操作できる

深い階層の下ではあるが、Windowsのエクスプローラーからも参照・操作できる

 オプションでパスワードを設定することにより、バックアップデータは256bit暗号化により保護される。ハードウェア処理のため、暗号化・復号化による遅延はほとんど感じなかった。ただし、接続するパソコンごとにパスワードを変えて暗号化することはできない。パスワードはC2N接続時に要求されるだけなので、家庭内などで1台のC2Nを共用していると、ほかのユーザーからもバックアップデータを覗かれてしまうわけだ。そうした環境で使う場合は、オプション設定でバックアップ対象を見られてもいいものに限定したり、パソコン側でファイル単位の暗号化をするなど、運用面で注意する必要があるだろう。

256bit暗号化は必ず利用したい

C2N本体の紛失・盗難時にもデータを保護できるように、パスワードによる256bit暗号化は必ず利用したい

C2Nを接続したときにパスワード入力を求められる

暗号化が有効になっていると、C2Nを接続したときにパスワード入力を求められる。パスワードが一致しないと、パソコン側からは認識されない

LAN経由で1台のパソコンにつないだClickfreeを共用

 C2Nの「N」に当たる特徴が、ネットワーク接続されたパソコン間で1台のClickfreeを共用できる点にある。例えば、A、B、Cと3台のパソコンがネットワーク接続されている場合を考えよう。

 まず、あらかじめA、B、CのすべてにC2NをUSBで接続して、オプションから「BackupLinkのインストール」を行なっておく。その後、どれか1台(例えばA)にC2Nを接続すると、各パソコンにインストールされたBackupLinkが連動して、BやCからもC2Nに対してバックアップ/リストアが可能になる。またそれぞれのパソコンから、ほかのパソコンをリモートでバックアップ/リストアすることもできる。

ネットワーク越しのバックアップ

ネットワーク越しのバックアップは、Backup Linkをインストールしたパソコンから行なう

リモートバックアップの様子

リモートバックアップの様子。Backup Linkインストール済みの「THINKPAD-X61S」(上)のデータを、C2Nを接続した「XP100E-WIN7PRO」側からバックアップしている

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