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アニメファンならぜひ行きたい!聖地巡礼ツアー 第8回

土日でどこまで回れるか!? 聖地巡礼弾丸ツアー!

2010年11月27日 18時00分更新

文● 小野坂 怜

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 当初のルート設定でここまでの聖地しか決めていなかったので、順調に進んでいた弾丸巡礼の歩みが少し止まる。
 さて、次はどの作品の聖地へ向かおうかと思案していると、同行者がもっとちゃんとした観光地に行きたいとブーイング。よくよく理由を聞くと、ここまで回ってきた7つの聖地では建物全体だったり、町そのものだったりと聖地となる規模が大きかった。確かに、水族館や博物館の建物が聖地ならまだしも、たった今回った聖地は、ワンポイントで存在しているサイクルモノレールだけ。高校に至っては名前だけなのでその不満も理解できる話。う~ん、筆者個人としてはこういうのもありなんだがなぁ。
 と、3人のうち1人が納得していても民主主義に反するので、同行者2人を満足させるべく、もっと聖地らしい聖地に連れて行こうということとなった。
 ならば、町全体が作品の雰囲気を出しているあそこしかない!

第8ポイント:多摩桜ヶ丘郵便局(20時50分)

 ということで、到着したのが多摩桜ヶ丘郵便局の真横にあるロータリーである。ここは、スタジオジブリ作品のひとつ「耳をすませば」の聖地。またもピンポイントな聖地かと思われるかもしれないが、このロータリーがある東京都多摩市聖蹟桜ヶ丘付近は、アップダウンが激しい道が多く、徒歩ではもちろん、車の運転であっても劇中に出てくる町並みを体感できるのだ。
 また、このロータリーは劇中でもキーポイントとなる「地球屋」があるロータリーでもあり、加えて、南西から登れば、耳をすませばのスピンオフ作品である「猫の恩返し」に出てきた坂でもある。
 この聖地には、同行者も感動してくれたようで、「女の子を後ろに乗せて、この辺りを自転車で走ってみて~」と無謀な思いを叫んでいた。

左手に見える建物の場所が、劇中で地球屋があるとされる場所。残念ながら、後ろは崖になっておらず、普通の民家が続いていた

 そんなこんなで、ようやく関東圏に戻ってきた弾丸ツアーの一行だったが、かなりの疲労を顔に浮かべていた。もちろん、旅が終わりに近づき、疲れが蓄積してきているということも一因だろう。
 しかし、それ以上に疲労した理由が、この上越市立水族博物館~多摩桜ヶ丘郵便局間にあったのだ! それは、ついに遭遇した「渋滞」である……。約360キロの距離を8時間以上という、大規模な渋滞に巻き込まれてしまった。
 そのため、夕飯の予定はキャンセル。次なる聖地は、恐らく日本全国の聖地で一番有名なのではないかと思われるあの神社に決定した。

第9ポイント:鷲宮神社(22時37分)

 時間的にも最後を飾ることになりそうな聖地は、ASCII.jpでもすっかりおなじみ「らき☆すた」の聖地、鷲宮神社だ。
 昼間に到着していれば、鳥居の前に門を構えるお茶処で一服するところなのだが、あいにくと現時刻は22時30分を回っているため、当然ながらどこも閉店中。日中ならば、鷲宮神社付近は、らき☆すたを町おこしの一環として使用しているので、至るところでらき☆すたのキャラクターを確認できる。最寄り駅の東武鉄道伊勢崎線鷲宮駅では、鷲宮町最後の夏祭りで使われたお神輿が飾られていたりもする。そのため、できることならば、昼間に来て散策をしたいと思える場所だ。

深夜の鷲宮神社。流石にこの時間では、巡礼者とも遭遇できず。また、高確率で痛車を見かける駐車場では痛車どころか、乗用車1台すらもいなかった

鳥居の前には、鷲宮神社に住んでいる設定の柊姉妹が描かれた石碑が飾られており、お賽銭だって入れられる。何にご利益があるのかは不明だが……

ゴール地点:秋葉原駅(23時40分)

 さきほどと同様に道路は流れており、まったく問題なく、そして余裕を持って終点である秋葉原駅のロータリーに到着。続いての聖地は、と行きたいところだが、残り20分では流石に断念。若干の時間を残しつつも、この聖地巡礼弾丸ツアーを閉幕した。
 ここまでくると、とにかく今思うことは早く寝たいということと、無事帰ってこれたことの安堵感。しかし、一晩空けて、原稿を書いているときには、「やっぱり聖地巡礼って楽しい」という感想だった。

観鈴ちんばりに力尽きながら「ゴール」と撮影したカーナビ画面。残り時間20分を使い、「Steins;Gate」の巡礼でも行こうかと頭によぎったものの、走って往復する気力と体力が残っておらず、残念ながら断念

旅のまとめ

 2日目の移動距離はのべ829キロ。かかった料金は、高速代が5500円、給油が2回ぶんの67.2リッターで9468円となった。
 しかしながら、せっかく自由な行動を許されていた2日目の後半で2つしか巡礼できなかったのは悲しかった。その原因は、関越自動車道の藤岡ジャンクション付近。ここら一帯は、土・日・祝日にいつも渋滞が発生する魔のポイントであることを筆者がすっかり忘れていたことと、同じ道をできるだけ通らないという縛りのため、うっかり通り道に組み込んでしまったことが原因。次があるのであれば、上越市立水族博物館からはそのまま南に下り中央自動車道を利用して渋滞ポイントを回避したい。

今回の巡礼で通った道筋をGoogleマップを使って視覚化したもの。それなりに美しい軌跡を描いている

こちらは、関越自動車道を使わずに、中央自動車道を使った場合のルート。こうなると上越市立水族博物館だけが、ポツンと取り残された感じになるものの、かなり長い渋滞を回避できるのは大きなメリットだ

 さて、メモしてきたデータと失敗要因を振り返ったところで、「聖地巡礼弾丸ツアー」をまとめたいと思う。ひとつの巡礼地でゆっくりできるわけでもなく、各地の名産に舌鼓を打てるわけでもなく、ただただ時間との勝負で巡礼していくだけ。しかし、時間に追われながらも、綿密なスケジュールを立てればこれだけの聖地を巡礼できるということは示せただろう。

こちらはこのツアーで発生した領収書。なお、高速道路の料金はETCで引き落とされているため、本来ならばこの倍以上の領収書が手元に残っていることになる

今回、高速道路に乗ったICや目的地に到着&出発した時間など、すべての行動をメモした紙。秋葉原に着いた際にメモ書きされている「まにあったーー!!」という叫びが今回の苦労を物語っている

 また、すべての巡礼が終わったときの達成感はかなり大きい。そして、巡礼地は巡礼するためだけでなく、場所として素晴らしい土地が多いと実感できるはずだ。哲学堂公園の球場の広さ、善徳寺の静かさ、白川郷の展望台から見る風景など。実際に訪れなければ感じられないこの感触を、読者のみなさんにもぜひ味わってほしいと思う。

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